水溜まりを覗いてみたが・・・何もいない・・・
タイヤの跡の所が以外と深くなっている。
そこで、水溜まりにジャボジャボ入ってみた・・・
すると、飛び出してきたのは、緑色と黒のまだら模様のきれいなカエル・・・
こ、これはっ!!
確か両生・は虫類の飼育専門誌で見たことがあったよ・・・
そう、チョウセンスズガエルだ!
とすれば、こいつの腹側は・・・・
捕まえて、裏返してみる・・・・
案の定、腹部側は、イモリのような鮮やかな朱色と黒の毒々しい模様・・・
昨日、調査地の入り口で、きれいなカエルがいたよ、と言っていたのは、きっとこのカエルだったに違いない・・・
冷静になって良く見ると、水面に卵らしき物体が浮かんでいる。5〜6個の卵が寒天質に包まれている・・・・
こんなところに産んじゃって大丈夫なのかな?心配だけど仕方ないね・・・
最初の場所に戻ってみる。
すると、また、例の大型タテハが横切った・・・・
どうやら、ここは蝶道らしい・・・・
さらに、もう1頭を目撃!
この時、このチョウは、伐採地と林の間・・・林縁を沿うように飛び、必ず今いる道を横切ることがわかった。
これなら採れる!
幸い、みんなはこの道のすぐ近くの林内で採集中。声や音が聞こえるからはぐれる心配はない・・・・
よしっ!
ここで粘ることにした。
5分ほど経った時、遠くから、あの白と黒の大きなチョウがやってくるのが見えた。
来るっ!
だんだん近づいてくるチョウに合わせてこちらも動く・・・
そして、チョウが道路を横断しようとした時、私に気が付いたチョウは一瞬ひるんだように前進を止め、私の前で羽ばたく・・・・
うわっぁ・・・
その姿は、単なる白と黒のまだら模様ではなく、黒地に大きな白い紋・・・
かつて、沖縄で見たリュウキュウムラサキを彷彿させた・・・・
こんなにも南国的な雰囲気のチョウがなんで北の大地に?
いろんな思いが錯綜しながらも、捕虫網を振る・・・・
入った!!!
網の中で羽ばたく姿は力強く、まさにオオムラサキのよう・・・・
しかも、翅の裏の模様は、沖縄のフタオチョウみたいだ・・・
そして、翅の表の模様をじっくりと眺める・・・・完品だね・・・
美しい・・・・
このチョウの名前は、シロモンコムラサキ・・・・朝鮮半島から中国、沿海州にかけて分布するチョウ・・・・
チョウの採集で興奮したのは久し振り・・・
その後、もう1頭採集することができた。
気が付くと、福島から一緒に来ていたUさんが林縁で休んでいる。冬虫夏草採集のうまいガイドさんも明るい伐採地で電話中・・・・
ここでの調査もそろそろ終わりだね・・・
帰り道、仕掛けておいたオサムシトラップを見る。Y山さんが先に行ってカップを見つけては、
「おー、入ってる!入ってる!」
「こっちは4匹もいるよ!」
って、トラップを覗く時の私の楽しみがぁぁぁ・・・・
結局、ここでは9頭のオサムシが採集できた。
入るんだねー、日中でも・・・これを丸一日掛けておいたら、さぞたくさん入るんだろうな・・・・
林を出て、バスの場所まで・・・帰りは結構長く感じるね・・・
でも、みんなが虫を見つけてくれるので、楽しめる・・・
沼の近くでは、ブルーのイトトンボもいた・・・
福島にいるエゾイト、オゼイト、オオイトなどとは、ちょっと違う種・・・カラフトイトトンボかな?・・・
午後3時過ぎ・・・バスに乗り込みホテルへ・・・・
2日間の調査もこれで終わり・・・・ちょっと寂しいな・・・・
7月15日・・・ウラジオストックに来て4日目。
今日は帰るだけ・・・・
バスの出発は12時。
それまで、ホテルでは採集した冬虫夏草の整理・・・
そして私は昆虫の整理・・・
かなり時間があると思ったけど、結局終わったのは10時半過ぎ・・・
余った時間で、市内を散策・・・・
ウラジオストック駅からスーパーなどを回って、ホテルに戻ってきた・・・
間もなく出発の時間・・・
ホテル手前の路上に・・・・なんと、小さなチョウが止まっていた・・・
ゼフィルスだっ!ミドリシジミかな?
なんでこんな町中で?
そう思いながらシャッターを切る。
まったく動かない・・・・
そっと包むように両手を近づけてみた・・・・ぱっとシジミチョウが舞い上がった・・・
あっ・・・・
驚いて見上げる私の回りを円を描くように舞い、そして上空へ消えていった・・・
「来年もおいでよ、そしたらまた私に会えるから」
そんな挨拶に思えた・・・・
また会いに来るよ・・・・心の中でつぶやいていた・・・・
※ウラジオストック採集紀行はこれで終了です。福島に関係ない記事を長々と書いてしまい申し訳ありませんでした。また、飽きずに読んでくださった方々、ありがとうございました。明日からは、またこれまでのブログに戻ります。どうかお楽しみに。

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