戻ってきた強者たちはみな浮かない顔・・・・
「どうでした?」
「採れることは採れたけど・・・少ないね・・・」
そのうち、Uさんが汗をかきながら戻ってきた。
粘ってアリタケを見つけてきたという・・・
アリタケが寄生しているアリも日本のとはちょっと違う。
他には、カイガラムシタケとカメムシタケ。
カメムシタケは未熟なので、時期が良くないのかもしれない。
カメムシタケは写真のように、寄主のカメムシがやはり日本にはいない種のようだ。
ヘリカメムシの仲間に見える。
写真で黄色く見えるのはカイガラムシタケ。
「いい環境なんだけどね・・・」
これだけのメンバーがそれってこれしか採れないのだから、少ないのだろう。
時間はすでに12時を回っている。
運転手のニックさんに、ランチタイムだと告げ、移動する。
昼食は、ニックさんの紹介で、地元の人が利用する食堂へ。
ツアーで行くレストランと違い、素朴だけど美味しい。
午後は、ポーリン温泉方面へ。
ここでは、山道を横切っている沢を見つけ、入ってみることに。
車を止め、みんなは勇んで出撃!
私も捕虫網をセットし、みんなのあとについて行こうとしたら、草むらにバッタを発見。
普通種だろうけど、結構いろんな種類がいる。
写真を撮ったり、採集したりしているうちに、気が付くと誰もいない。
あわてて、沢に入る・・・
上流を見ると、木々が覆い被さっていて薄暗くて気味が悪い。
みんな本当にこんな所に入っていったんだろうか?
なんだか、ヒルやら毒蛇やらが落ちてきそうだ。
怖くなったので、行くのをやめ、ふと水面を見ると、大きなアメンボが泳いでいる。
シマアメンボの仲間かな?
緑色にも見え、足には毛がはえている。
日本のオオアメンボよりも大きいかんじで、採集してみると、クモのようで気持ち悪い。
上流に行けないのなら、ガサガサでもやってみるか!
川べりをガサガサ・・・・エビやらミナミヤンマ系の幼虫が入る。
石おこしもやってみる・・・・
おっ?
ナベブタムシのような虫が入った。
小さいので幼虫みたいだけど、とりあえず採集しておくか・・
無造作につかんだ瞬間、激痛が走った!!
「痛てっ!!!」
思わず叫ぶ。
注射針をねじ込むようにギリギリっと差し込んだような痛さ・・・
こんなのは初めてだ。
日本のナベブタムシも刺すけど、こんなに痛いのかな?
悔しいので、さらに石起こしをやる。
ここで、同じような幼虫と翅のある成虫も採集。どうやら、コバンムシのようにも見える。
東南アジアには、流水性のコバンムシの仲間がかなりいるというから、これもその一種かも・・・
この沢の隣にもやや広い川があり、ここの石の下では、このコバンムシよりも細長い水生半翅目を採集・・・
日本では見たことのないスタイル・・・実に可愛くてカッコイイ。
う〜ん、これははまりそうな雰囲気である。
写真は左が私が刺されたのと同じサイズの幼虫?真ん中が成虫。
そのうち、みんなが戻ってきた。
なんのことはない、上流ではなく、下流へ行っていたとのこと。
すでに午後4時。林内は暗くて採集にならないという。
ここでも冬虫夏草の成果はあがらなかったようだ。
そんななか、U山さんが採ってきてくれたのが、これ!!
タマヤスデの仲間・・・ペットショップで売られているメガボールに近い。
日本にもタマヤスデはいるけど、こんなにでかいのはさすがにいないね。
午後一番の収穫?となったタマヤスデをタッパーに入れ、次は夜間採集へ。
実は、オプショナルツアーで、夜の昆虫採集体験というのがあったので、1人13000円も払って参加したのである。
ガイドさんによれば、白幕いっぱいに虫が集まるという・・・
車は、山道をどんどん登り、山の上にあるホテルへ。
ここが会場だという。
午後5時、ホテル到着・・・・するやいなや・・・雨が降ってきた。
雨は次第に強くなり、ついにはスコールのように・・・
風も出てきて、気温も下がる・・・・
これで虫が集まるのだろうか?

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