3月11日・・・この日は休みを取り、相馬に出かけた。
まず向かったのは、海沿いにある相馬火力発電所の残土処分地の湿原。
ここは、昨年秋から埋め立てが始まっており、湿原全体の水も抜かれ始めているため、調査を急がなければならない。
9時半、事前に立ち入り許可を得ていたので、スムーズに処分所に入る。
湿原が完全に乾いてしまっているかと思っていたが、まだ水が残っていたので少し安心する。
写真は若干水は少なめだがミゾナシミズムシが生息する水路。遠くに見えるのが火力発電所。
12時半、何とか今年の飼育用のミゾナシミズムシを確保し、湿原を出る。
3月18日には海獣さんとこの湿原の調査をする予定だ。
午後は相馬市役所で、湿原や松川浦の保全についての打ち合わせ。
午後2時20分過ぎ、市役所を出る。
この後は、本当なら松川浦周辺の海辺の昆虫を調査をするつもりだったのだが、職場から資料を作れとの連絡が入り、悔しい思いでハンドルを海から山へと切る。
相馬から鹿島区、真野ダムを通って草野に抜ける山道を走る。
真野ダムを抜けて、山道に入ったところで、おじさんが手を振って、止まれ、という。
何のつもり?
そんな思いで、窓を開けると、
「地震だぞ!」
えっ?
確かに、止まってみると、物凄い揺れだ。
慌てて外にでる。
道路脇の木々は互いにぶつかり合って、ぎしぎし不気味な音を立てている。
「この先は崖崩れがあるかもしれないから、まだここにいた方がいいぞ」
そう言われて、揺れがおさまるまで待つ。
揺れはいったんはおさまったものの、すぐにまた揺れる。
どうしようか迷っていると、私の後ろで同じように止められた人が先に行ってしまった。
よし!
私も意を決して先に進む・・・
ところが・・・・
道ばたには、大きな岩が・・・・
もし、あのおじさんに止められなかったら、これにぶつかっていたかもしれない、そう思うとぞっとした。
しかし、そんな時にも揺れがあり、ここで止まってはいられない。
そんなとき、対向車が来た。
通れるんだ!
再び、走り出す。
道路上の巨岩を何度か避けながら、道路の亀裂は徐行しながら・・・
なんとか草野にたどり着く。
コンビニで何が起こったのか、聞こうとしたが、揺れが止まらず、店内には入れない。
店員さんは、携帯も通じず、停電だし、ラジオもないのでわからないという。
公衆電話も通じない。
揺れ方で大変なことが起こったのだろうとは想像がつくものの、まったく情報がないというのは不安なものだ。
30分ほどここで様子を見て、通りかかる人の情報で、福島、郡山方面にも行けることがわかり、出発する。
午後5時前、郡山の職場に到着。
実験室はめちゃくちゃ・・・・
これからどうなるのか・・・途方に暮れるしかなかった・・・

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