幸福のスピルオーバー  社会

稲葉陽三著「ソーシャル・キャピタル入門」を読んでいましたら、
幸福の伝播に関する項が出てきました。信頼はより強い信頼へ、喪失は一層の信頼
喪失へ。規範も同様。以下、引用。

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…社会関係資本には幸せを運ぶスピル・オーバー効果もある。自分が幸福だと
周りの人も幸福になるというものだ。アメリカでは1983年から2003年まで
4739人を追跡調査したデータを用いて、幸福は人びとの間に伝播するという研究
結果が2008年に発表された。幸せな友人が半径800m以内にいると、本人も
幸せに感じる確率は、そうでない場合と比べて42%高まり、距離が1.6kmに
伸びても幸せになる確率は25%高い。この幸せの伝播は3次の隔たり、つまり友人の
友人のそのまた友人まで有効で、逆に不幸は幸福ほど他人に広がらないという。
つまり、幸せは人のネットワークのなかで増殖力があり、かつ不幸と幸福の広がりは
非対称的だという。また、ネットワークの中心にいる人のほうが、ネットワークの端に
いる人より幸福だという。
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幸せ、などというとなんだか浮世離れした甘っちょろいように受け止めがちだが、
どっこい、社会の真ん中にあるキーワードだ。経済や成長豊かさも、結局、この幸せに
向かっている。

しかし、ほんとかい、とつっこみたくなるような話でもある。その一方で、恨み辛みを
ぶちまけて周りを不幸にしていく姿を見たことのある人も少なくないはず。幸せも
不幸せもスパイラルに、昇り、下る。その実感は、ある程度長い人生をくぐった人なら
共感が持てる。

幸せな人を冥想する人に置き換えた話を、もとソニー役員の天外伺朗氏はする。
100人に一人の割合で冥想する人がいるコミュニティは、それ自身が
プラスへ進化していく、という趣旨だったと思う。冥想は、つまるところ、
菩薩のような成就を願うから、願い・祈りがすでに一つの規範を示していく行動に
現れるからだろうか。それとも積極心を養うからか。

ネットワークの中心にいる人のほうが効果が高い、と言うのも積極心とつなげると
ムベなるかなと思える。各々がつながりの主人公になる社会、本来そうあるべき
ところがそう行かないのも個性だ。太陽のような人ばかりでなくてもいい。はしっこに
いたほうが心落ち着くし、幸せと言うこともある。それを認める社会であればいい。
雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
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