「神去なあなあ夜話」を読む  林とこころ

林業のお仕事小説というのだそうです。三浦しをんさんはその道の旗手らしい。
結論=抜群におもしろかった。そしてほのぼの。ネット社会の真逆、これこそ
リアル充実の世界かもしれないなあ、と思いながら読みました。。

書評にはこんな風にあります。

「三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、二十歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫ります。お仕事小説の旗手が贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。」

そしてもひとつは、

「100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。 そこへ放り込まれた平野勇気も、村で暮らして1年が過ぎ、20歳になった。 山仕事にも慣れ、憧れの直紀さんとドライブに出かけたりもするようになったけれ ど……。 お仕事小説の名手が描く林業エンタメ第二弾! 秘密がいっぱいの神去村へ、よう こそ!」

お仕事小説といよりも、山の神様を描いた小説とも言える。そして「なあなあで行こう」と
いうメッセージ小説のような。

10年以上、一人で山仕事をしている間にたどり着いた、わたしの小さな
悟り、そして森羅万象とつながる幸せを、三浦しをんはなんとなく描けて
いる気がします。恐らく、山仕事をしているうちに到達するある感覚、
なぜ、それが可能だったのだろう…。

また、山(森)が、あの世とこの世の境目だと語らせる感覚も
わかります。古老に聞いただけではなかなかこうは行かないだろう
このことを、作者はどんな体験をして字にできたのだろう…。

小さな村の、隣近所のコミュニティでおこる日常の悲喜こもごもを
描ききっているこの本、わたしにとっては年末のボーナスだったかも。
今週初め、最後のあたりを朝の満員のJRのなかで涙ポロポロを隠さず読みました。

ついでに、「神去なあなあ日常」の文庫本を読み始めたところ。クリックすると元のサイズで表示します
雑木林&庭づくり研究室
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子供たちの将来と教育格差の問題など  社会

ここ数年、地域の社会関係資本いわゆるソーシャル・キャピタルのアンケート調査と
勉強会をしてきて、昨年、「これからの選択ソーシャル・キャピタル」という共著で地域のつながりに関する考察をちょっと書かせてもらいました。

ここのところ、その延長線上には「教育」と「家庭」が大きな課題として残されている、
と言うことになり、勉強会はアスピン・アンデルセン、苅谷剛彦、本田由紀など各氏の
著作を読本として、輪読会のようなものが月一回のペースで進んできました。

わたしは教育者でも研究者でもないので、全くの素人の研究会マネージャーとして
ロジスティックな点からしか関わらないのですが、そこはそこ、教育というサービスを
受けてきた側として、さらに学習は生涯つづくという自覚で実践するものとして、
とても展開が興味深く感じられます。そう、これもいつかきた道です。

勉強会を通じて痛感してきたことは、

・教育の格差が階層格差に連動し
・学習する機会はもちろん、努力することそのものが所得階層の影響を受け、
・それは最終的に一生を左右する

つまり将来の希望まで格差が生じるということでした。
 
 また、ゆとり教育が詰め込みを排除する方向で進められてきたなかで、学習の初期に
詰め込みをする功罪がまだ賛否両論ですが、この年になってくると、詰め込み教育とは、
各自の脳の中に事典と辞書をうめこむものではないか、と考えるようになりました。

事典や辞書は、自分の中に、ある体系を持つときの素材であり、一定程度は不可欠のもので、
そこでは落ちこぼれは作らない、という設定が大事だと考えるに至ります。

さらに、北海道の帯広の農業高校を舞台にしたコミック「銀の匙」を読みながら、実業教育が
培う濃密な人間関係・コミュニケーションは、社会的な動物である人間の
大切な部分を育み、それは大学受験を目指したコースとは違う、真逆の人間らしさの漂う
早熟なコミュニティを作っている。そんな感じがします。

「銀の匙」では、いわば学習の真ん中に、ここで何を学んで生業にどう結びつけていくのか
というテーマ主義があって、そこに集う同年、教師、農業の先達らが切磋琢磨するのです。

今、フィンランドの幼児教育や児童教育が注目されていますが、自分で考える力を
養い、教師はそれをていねいにサポートすることが目につきます。それとテーマ主義
のような部分があるのでしょうか。

先日のフィンランド訪問では、ボーイスカウト、ガールスカウトが楽しそうに何パーティも
バスに乗り込み寝袋の入ったザックを担いで森に入っていく姿を見ました。どうもそこには
大人の引率者がいないようなパーティもありました。 クリックすると元のサイズで表示します
写真は国立公園の夕方。大人が囲んでいる話の中に幼児たちが炉などを囲んで遊んでいる。右手の東屋ではソーセージを焼いている。


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小屋がけ  林とこころ

わずか数10軒の暖房用薪しかまだまかなえませんが、その基になる
作業「広葉樹林の間伐」が本格化、その前進基地として、燃料など
をデポしておく小屋を作りました。マニアックに言えば「小屋がけ」。

冬の作業の前進基地ではありますが、当然ながら、そこで昼ごはんを
食べ、談笑するという溜まり場になり、結果、クラブハウスみたいに
なります。これから5月までの半年、ここは里山手入の根城に。

今年は思い切って鉄板の薪ストーブを更新しました。4500円。
古いお下がりのストーブは、上部のフタがぴったりと合わず、オマケに
本体も錆びて空気が漏れるシロモノでしたから、極めて非効率なもの
でした。これを一新したわけです。

早速今日はここでカップ麺を食べました。冬空の下のカップ麺の威力、
ありがたさは格別。

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*画像はお昼。これから妻側をふさいで完成した。担当は3人ほど。



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