男子小用考  林とこころ

築20年で、ウォシュレットを交換しました。そうしたところ、これまで7リットル出ていた水が節水で4リットル台に、そしてドアを開けると自動で便座が開くやつに代わって、雰囲気ががらりと変わった。

ものの流れは恐ろしい。我が家の女帝に、これからは男子も小水は座ってやるようにというお触れが出されてしまった。(-_-;) 男子に生まれた本懐を遂げられないのではないか、と力んだのだが、なんと、かなり清潔でこれも戻れないかも知れないと思うのだから、トイレの清潔志向というものにはかなり共通の接点が隠されていることに思いをいたした次第。

思い出したのが浴衣での用足しでした。旅館などで浴衣を着て小用をすると、あまり大きな声ではいえないが、便器の朝顔から飛沫が太ももや脛に飛んでくるのであった。これはとりもなおさず洋式トイレの男子小用でも同じ現象が起きているはずで、掃除する人たちは、それをよくご存知である。においも着くからアタリマエといえば当たり前。

だから、男子が立ったまま洋式トイレで小用を済ますのは大なり小なり汚穢のもとだったのは、男女双方とも自明だったのである。いわば時間の問題だったかも。要はいつまで見過ごすかどうか、だった。いつやるのか。今でしょ。今回、それがjust now とあいなった。

しこうして、掃除する側からの一方的な宣告には抗するすべがないのでありました。では、
あの、男子が立ったままでするカタルシス、小用、つまり立ちションはどこですればいいのか。公的なトイレットはよもや男子小用便器が撤去されることはないだろう。そうでなければ女子トイレのように渋滞が起きてしまう。

しかし、この際、本当に気持ちのいい、男子ならではの放尿を求めてみたい。それは、経験的に橋のうえや前が開けた自然であった。とすれば、いつか、男子は、ときどきは自分だけの山や林など、それらしいスペースをもちたい。所有しなくてもいい、植物に迷惑をかけない、浄化能力も十分と思えるそんな場所を創造し、それこそこれからのアジールと位置づけるのである。と、考えると家から追い出されたような気分になるから妙である。だが正直に言えば、小用のカタルシスを感じる歳でもなくなっていたことを思い出してガックリくる。

(今日は休暇をとってちょっと仕事っぽいことをした。その休憩タイムに)


雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
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タグ: 生活 健康 衛生

生き物多様社会と日常  北海道と自然

ネーチャーを決して厭うことはないと自負する自分でも、林の中に住もうと言う気持ちにはなれない。はっきりそう意識するようになってみると、生き物多様社会というのはただの理念であって、自分はどうするかという覚悟は含まれて居ない。

だれもはっきりとは言っていないが、恐らく、その間に文明が入り込み、住居とネーチャーは分離するというのが大前提と言うことになる。極論すれば、無菌願望で効率指向のマチと、田園・里地・里山、奥山は一線を画す、というイメージではないか。

東北の田舎の住居は子供時代の母屋も小屋もわら葺だった。家の前は広い屋敷畑、裏は果樹園だった。隣接する分家との間には薬師地蔵と一本のクスノキと柿の木、それと柏餅の材料にした柏があって、日陰を作っていた。わたしは地蔵の台座のコンクリートから登れるクスノキのふた股で、少年期の人に言えない憂鬱とつきあった。

すき間だらけの建物はヘビや昆虫たち、鳥たちと巣、鶏やヤギ、羊なんでもいて、ハエやダニ、カとも一緒だった。田園地帯のまとまった集落ですらそうだったから山沿いの里山はさぞや、と想像するのだ。

多様な生き物と一緒に住むのは避けたいから、人々は密閉した家屋に住む。これはいまのところ戻れないように見える。ネーチャーはその対極にあることを、知れば知るほど痛感するようになる。

しかし、わたしたちは、家を離れたネーチャーのなかで「快」を感じることも少なくない。この世の天国と思うことも実はしばしばある。出会えて幸運だと心から思う体験も多い。

となると、あるべき姿は都市とネーチャーの往来。場所と機会か。

推論のメモ書きはこれでやめよう。ただ自覚的でありたい。虫も痒いしなにかと手間がかかるけど、プラスマイナス、やっぱり林と一緒に居られるのは幸せだ、その感覚。

若い人は、その感覚のはるか前で立ち止まり引き帰し、ネーチャーの中の「快」と内省時間(こころのドクター)との出会いをも捨ててしまっているようだ。それは実にもったいない。

では、誰が、いつやるのか。

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