コモンズの中で行う林業  林とこころ

2015/3/27 札幌開催 日本森林学会 公開シンポジウム「森林づくりと生物多様性保全」

草苅(パネリスト)の発言要旨 「やればできる!コモンズ林業の可能性と課題」
は次の通りです。

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時代は今、いくつかの節目を迎えている。そのうちのひとつは、増大、拡大を基調としたものの考え方から、改善や調整などによるよりていねいな仕組みへの変化であり、現在、まさにそのステップに差し掛かっているように見える。身の回りで感じる典型が、土地の所有の在り方、とりわけ森林など社会的共通資本とよばれるものを「みんなもの」として共有するあり方ではないかと思う。

わたしは広大な緑地管理にかかわっていた関係で、転職後も市民としてその雑木林などの保育に携わり、気づいてみるとざっと約40年間、同じ林と向き合っていた。所有セクターから市民側に立場が変わり、その林が次第と放置されるのを見るにつけ、プライベートな所有という囲い込み状態から、コモンズのような地域の住民が共有する感覚の土地利活用への移行が可能ではないかと考え始めた。幸い、ややして数100haの雑木林や湿原をコモンズのように利用する管理協定を所有者と結ぶことができ、コミュニティの町民や市民の利用が可能な仕組みを実践してきた。

特にコミュニティが中心となって、隣接する100ヘクタール足らずの雑木林で、枯れ木やツル、傾斜木の除去、さらに混み過ぎた広葉樹の間伐を通じて、薪を作りつつ森林散策のできるフットパスも作っていく工程を「コモンズ林業」と呼ぶことにした。

この活動は自然に回転するようになり、将来の展望も課題も見え始めている。そこで発見したことの一つは、プロがやることとあきらめられていた「林業のようなもの」が、やりようによって素人でもできること、もう一つは、その土地その土地の実情に合わせれば地域の経済にも寄与し、需要と供給とマンパワーがうまくつながること、3つめは、生き物多様世界を保証するのは、やはり林を放置することではなく木を伐ること、つまり伐採によるギャップや環境改変、あるいは隙間の多い人工工作物である、ということだった。
 また、生物多様性がもてはやされる一方で、多様な生き物と共生するのはごめんだ、という感覚も明確になってきた。人々は都市サイドのアメニティ感覚から今や離れにくい。不快昆虫や爬虫類などと隣り合わせでいるよりも、少し距離をおいて快適さを求めたいということにも理はある。一定の距離を保ちつつ環境をシェアする。自然を日常とするのか距離をおいて週末などにするのか、それを種々選択できることも現代の文明と呼べる。

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雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
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