勇払原野のスピリット  林とこころ

勇払原野の秘蔵っ子、柏原採草地。人々は訪れない忘れられた一角だが、ここ柏原ほど勇払原野の風土と歴史を感じさせるところも珍しいのではないか。いや、植苗なども含む、いわゆる目立った開拓から外れて「いにしえの面影」だけ残すこんな場だからこそ、豊かではなかったこの100年余りを匂わせるのかもしれない。

この柏原のフットパス一帯を今もっとも価値を実感しているのは、採草農家や今後の企業用のお宝と考えているかもしれない土地所有者ではなく、ヒグマたちかもしれない。ここを東西の移動の要として人知れず往来していると思い浮かべるだけで、すでに古い時代からの原野の在りし日の姿や片鱗を感じてしまうのだろう。

実際、人と自然が妥協しながら微妙な共生を演じているエリアはそうそうない。比較的境目があるのだ。ここはそれがない。人口と半自然と耕作地と放置された湿原が大小入り混じりつつ、モザイク状に繰り返して存在する。そして住民はおらず活動人口の密度は極端に低い。柏原フットパスと銘打ったが、普通、ここを一人で歩きたいと思う人はいないだろう。

こんな原野だからわたしはよく一人でここに座る。わたしがまったく予想もせずに40年もの長い間関わることになった勇払原野という土地。ここをなんだか「みんなのものではないか」と思うようになり、時々、土地のsomething great(産土(うぶすな))とつながったような錯覚を感じるためにもここは重要なスポットだ。人間の数ある幸せのなかで、土地とつながる感覚が最も上だと考える人はめったにいないが、そう感じる人が一人でも増えることをひそかに祈りたい。クリックすると元のサイズで表示します
雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
0




AutoPage最新お知らせ