歴史の風化と玉音放送  林とこころ

玉音放送の現代語訳というのを実は初めて全文読んだような気がします。
かつて、近現代史を照らしつつ開戦の詔を呼んだとき、自分は何を上滑りな
歴史の勉強をしていたのだと反省し悔やんだのですが、天皇のこのお言葉も
70年を振り返るよすがとして、非常に重たい。かつ、自らの中に歴史の風化の
現場を見る思いがします。しかし、このなかにはすでにこれからの日本の指針を
みた気がします。


======玉音放送全文の現代語訳(江川達也)=======

私は深く世界の大きな流れと大日本帝国が今おかれている状態を考え
普通ではありえない方法でこのありさまを収めようと思い立って
こうして忠義の心を持った良民であるみなさんにお話しします

私は大日本帝国の政府に「アメリカ、イギリス、チャイナ、ソ連の4国に対して
4国が共同して要求してきた条件を受けるように」と言いました

そもそも大日本帝国の臣民のみなさんの健康と安心を守り
世界中の人たちと共に栄え喜びをわかちあうという願いは
天皇家の先祖たちが、昔からのこして来た生き方のおてほんなので
わたしもおろそかにせずいつも心がけてることなんですから

アメリカやイギリスに戦争をいたしますと言って始めました理由も
また実に大日本帝国が自分の力でなんとか生きて行くことと
東アジア地域の平和とを
いろいろと考え工夫してやって行こうとしたところから始まった事で

他の国の持っている権利をないものにしたりその国の土地を奪うなどということは
もともと私の心にはありません

ということで戦ってもう4年見て来まして
私の陸軍、海軍の将官、兵隊が勇気をふるって戦い
私のたくさんの役人や大事な仕事についてる人々が一生懸命働き
私の一億人の国民のみなさんが頑張り
みんなみんな最もいい働きをして尽してきたのに
戦争の状態は努力に応じて良くはなりません
世界の大きな流れもまた私たちに有利にはなってません
(和平交渉の仲介を頼んでいたソ連が条約を破って数日前に敵の仲間に
なって突然攻撃すると言って攻めて来た)

それに加えて敵は新しく作った残虐な爆弾を使って
(原子爆弾:広島・長崎に落とされた)
しきりに何の罪もないものを傷つけ殺し(赤ん坊から年寄りどころか木や
草や鳥や森や豚や牛までも殺戮)
惨憺たる被害が及んでいて、こんな事はほんとうに思ってもみないことで
こうなってしまった今変わらず戦いを続けるか
最終的には我々が地球上から消されてなくなるだけでなく
そこから人類の文明さえも破壊し焼き付くし捨て去ってしまう
このような状況になっていくであろうことは….

私はどの選択をして
一億一兆の赤ちゃんのようにかわいい子供たちを抱えて
天皇家の祖先の神さまの霊魂に謝ればいいんでしょう
と考えて私は大日本帝国政府に敵の要求をのむように言ったのです。

私は大日本帝国と一緒にはじめからおわりまで
東アジアの解放に協力してくれたアジアの国々に対して
申し訳ない気持ちを表さないではいられません

大日本帝国の臣民の中で戦争に参加して死んだり
職業に殉じて命を失くしたり天命をまっとうできず倒れ亡くなった人
そしてその遺族に思いをはせると内蔵が裂けるような苦しみです
しかも戦争で怪我をし戦争のわざわいをこうむり
仕事を失くした人の生活を豊かにすることに関しては
私が天皇として深く心を痛める所です

考えてみるとこれから大日本帝国の受けるであろう苦しみや災難は
いうまでもなく常識をはるかにこえ
みなさんのウソいつわりのない気持ちも私はよく知ってます

そんな状況でも私は時や運の流れに身をまかせ
「こらえること」が困難なことを「こらえ」
「やりすごすこと」が困難なことを「やりすごし」
そうすることでこれから続くこの国のいく万の子孫のために
戦争を終わらせ平和な世界を開きたいのです

私はこうしてわが国のすがたを守りたもっていられますし
忠義と素晴らしい能力に溢れたみなさんの赤ん坊のような誠の心を
信じてそれを助けにしていつもいつもみなさんのそばにいます

もしかして激情にかられみだりに何か事件の発端を
開こうとしきりに動いたりあるいは仲間をおしのけたりおとしいれたり
たがいにこの苦しい時を混乱へと導き
それによって人としての大きな道をそれて
世界からの信用をうしなうようなことになることを
私はいちばんいましめます

ちょうどいいころあいで国のすみずみまで一家子孫お互い伝え
しっかりと神のくにの不滅を信じてまかされたことは重く
道は遠いと心に念じすべての力を将来の建設に傾け
人の道や義の心をあつく育て変わらないこころざしをかためて
かならずわが国とは何か?
ほんとうの 本質の国の華(はな)
精神の神髄をふるい立たせ世界の進歩や運のいい国に
おくれをとらないと心に刻むしかないのです

みなさん
これをよく私のおもいを体現するのです

==========(引用訳、おわり============

(終戦の詔勅−玉音放送−江川達也訳)※読みやすさを考慮して編集部にて改行の調整をいたしました。
→ふたたび草苅が連結、再改行をしました。本文は下記から。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150815-0001000...

さらにさかのぼること4年、「開戦の詔書」は下記。
http://www.geocities.jp/taizoota/Essay/gyokuon/kaisenn.htm

戦後、マッカーサーは、日本の開戦が自衛のためだった、と米国上院の軍事外交
合同委員会証言したことは意外と(そんなことでいいのか)知られていません。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/7517/nenpyo/1...

昭和天皇の切々たるお言葉は、日本の近現代史を学べば学ぶほど明治以後の日本の
足取りを彷彿とさせると同時に、もっと歴史を学べ、という教えに
つながっていきます。
雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
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タグ: 終戦 近現代史 天皇




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