「戦後70年談話に隠された真実」を読んで  林とこころ

安保法制と戦後70年談話の成り行きを注目した国民は多いはず。
その一つの談話の方は、世界でほぼ唯一反日キャンペーンを張る中国、韓国も
ほとんど目新しい反日メッセージを上塗りしなかったようでした。

談話のベースは有識者懇談会の報告書だとされていますが、その驚くべき内実を
京都大学名誉教授の中西輝政氏が、『致知』2015年11月号で次のように
語りました。

以下、雑誌「致知」のメール版に抜粋されたものを添付。対談者は
櫻井よしこ氏(ジャーナリスト)。 

以下、引用
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【中西】
確かによくあれだけ巧妙なものを紡ぎ出したと思います。

政治的には大成功で、政治評論家としては、
あの「巧みさ」はどれだけ称賛しても
し過ぎることはないと思います。

これは安倍シンパの一人として大変嬉しく思っています。


ただ幸か不幸か私は歴史学者ですから、
時には誰が何と言おうと、たとえ天地が崩れても、
歴史の真実と思うところを直言しなければなりません。

それが私の最も大切にしているアイデンティティですから。

その歴史学者としての立場から言えば、
大変申し訳ないがこの談話、
とりわけその基礎になったとされる
有識者懇談会の報告書はものすごく大きな問題を
含んでいると言わねばならないのです。


(略)


【中西】
ですから確かに私は今回、
懇談会に名を連ねていましたが、
その中で孤立無援の圧倒的少数派として、
到底承服し得ない内容の報告書や、
それに基づいたとされる談話が起草されたことに対して、
この二か月、七転八倒するような煩悶の日々を送っておりました。

【櫻井】
それは思いもよりませんでした。
談話の歴史に関する記述は、
中西先生の助言をもとに
つくられたものと思い込んでいましたから。

【中西】
いやいや、私は最初から完全に外されており、
報告書の文案作成から一切相談はありませんでした。

あの40頁にわたる報告書の原案も
7月13日に最終討議を行うその瞬間になって
初めて見せられたんですから。

とにかく私にとってあの懇談会は悪夢のようで、
私は辞表を三回も書きました。


【櫻井】
驚きです。安倍総理は中西先生に
とても篤い信頼を寄せているとお見受けしますし、
中西先生が懇談会の一員ですから
大丈夫だと私は思っていました。


【中西】
私も個人としては大変申し訳なく思っていますが、
歴史観の問題は歴史学者としての命です。

つまりこれには私にとって大義がかかっていますので
どうしてもはっきり言わざるを得ないのです。

本当に総理には申し訳ない思いでいっぱいです。

しかしこれだけはどうしようもないのです。


そもそも懇談会の中では、
私は完全に孤立させられていました。

あの懇談会の全委員十六人の中で
私が歴史観等考えを分かち合えたのはお一方だけ。

他の14人はすべて外務省系の人で、
いずれも自虐史観あるいは東京裁判史観の持ち主でした。

なぜこんな人事になったのか、さっぱり分かりません。

ですから私たち二人は終始一貫、
142で圧倒的に不利な包囲網の中で戦い続けたのです。

□□■―――――――――――――――――――■□□
(引用、終わり)


10月2日の朝日新聞、佐伯啓思氏(京都大学名誉教授)の『異論のススメ』が
面白かった。直接、談話に深く言及していませんが、「そもそも平和とは何か」を
憲法9条と戦争放棄を軸に論点を絞りながら、フランスの社会人類学者の
エマニエル・トッドの見解を披露しています。彼トッド氏が日頃から非常に不思議だと
思っているのは「日本の侵略を受けた国々だけでなく、日本人自身が自分たちの国を
危険な国であると、必要以上に認識している点・・」と述べています。

(このコラムは朝日の熱心な一部の読者からかなり酷評されていました)

佐伯名誉教授は「長い歴史の中で日本が危険なことをしたのはほんの短い期間であり、
しかもそれはヨーロッパの帝国主義のさなかの出来事であった。日本はただの世界情勢に
追随しただけだった、と彼は言っている」と書いています。

さらに「日本の憲法平和主義者は、自らの武力も戦力も放棄することで、ことさら自らの
手足を縛った。しかし、他国は武力を放棄していないのである。こうなると、われら
日本人だけが、危険極まりない侵略的傾向を持った国民だということになってしまう。」

(この俯瞰的見方を厳しく批判したり、またはわからない人もいる)

近現代史のにわか勉強でも、以上の論述が、東京裁判史観や米国の手の込んだ
仕掛けを踏み越えて日本の近現代史研究家らの近年明らかにしてきた事実の基づいたもの
だとわかります。歴史についての思考停止にならないために、を学ぶことの意味を
今さながら痛切に感じるこのごろ。




雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
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