2007/2/23

四条通りを走ってみれば  京都

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さて、残すところわずかとなりました京の都暮し。どこを通るにも、しみじみしてしまいますね。

昨日は、ちょっと用事で西院まで。
(この、「さいいん」が私にはうまく発音できない。地元の方は、「さあい〜」('あ'にアクセント)とおっしゃるのだが…。響きが楽しくって、つい何回も言ってもらったりなんかして。そういえば、京福電車の駅の名前は「さい」なのよね。)

家を出て自転車でまず南下して四条通りを目指す。まだちらほらと田んぼが広がるこの辺りは、お野菜の直売もいっぱい。小さな子がはしゃぐ横で大根を吟味する若いお母さんと農家のおばさんの姿があったり、田んぼでひなたぼっこしながら餌を啄むハトやスズメの群れがあったり。

嵐山の山並みをバックに気候もじつに穏やか。そして家々の前に咲き乱れているのは、いろんな模様の椿。まるで、バラの花を見るようです。
そして、ふと香ってくるのはジンチョウゲ。梅もずいぶんほころんで来ました。
なんだか、すっかり、春、ですね。

そういえば、庭主、じつは今ちょこっと首筋をいためているのですが(ほんと、コショーがたえません…)医者さんの待ち合いでの会話。「なんや、ほんまあったかいねえ。」「気色悪いくらいやねえ。」と看護婦さん達。「今年は分からんなあ。ほいでも、3月のお水取りとひらはっこんときは寒いもんやけんどなあ。」と、おじいさん。「ああ、ほやほや、ひらはっこやわ。」と他の患者さん。はて、お水取りとは奈良の二月堂の行事よね。「ひらはっこ」とは???

そこで取り出だしましたる、「京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」。
おお、ありました。「比良の八講荒れ終い」。これかあ。「滋賀県高島市の白鬚神社で、延暦寺の宗徒が法会を行う3月20日過ぎは、寒さがぶり返し、琵琶湖周辺では冷たい風が吹き荒れる。これが終わると京都にも本格的に春が訪れる」そうです。なるほど〜。さて、今年はどうかな???

閑話休題…で、やっと四条通りに出ますと、今度はちょっとした工場が並びます。でも、道沿いの木が森のように背が高くて、枝もじつに伸びやか。でも、これでもちゃんと剪定してあるんですよ。とっても美しいグリーンベルトだと思います。

天神川通り、葛野大路を越えて、。おお、いつも通るのに、こんなとこに刀屋さんがあったなんて、初めて気が付いた!、西大路で用事を済ませて。どしよっかな。本も探しに行きたいんだけど、河原町まで自転車でなんて…いっちゃうか。かくて、堀川通を越えて。烏丸通より先は人込みできつそうなので、100円循環バスにのろう…が〜ん、平日は走ってないんだ。ま、歩いちゃうか。

他にも必要品を買い込み、書店に入り。目当ての本の横に、見つけてしまいました。「京町家の遺伝子」山本良介著、学芸出版社。おお〜、ツボです。京の名残りに、これ、買ってかえろっと。

中には、庭主にとって涙モノの懐かしい風景がいっぱい。
そう。ここには残念ながらほとんど載せられなかったけれど(個人宅ですので…)、この2年間に目にしたたくさんの風景が。きっと、この仕事をしなければ決して見ることはなかったろう幾つもの古い家々。住んでいる人々と交わした言葉、奥深い廊下、柱の染みや、大事にされて来たもの達。

「住みたいか?」と聞かれれば、やはり戸惑ってしまうだろう。不便で、維持するだけでもとんでもない経費も手間もかかる家。町家らしきもの、は残っても、生活様式そのものはもう戻らない。(同時に、坪庭も消え、植木屋も存続が危ない…)。どんなに惜しんでも、消えてゆくのも、時代なのだろうなあ…。
だから、残るのは、その「遺伝子」なのだ。そーいうことかな?(まだ読んでないが。)庭主もきっと、何度も撮った写真をめくり返すことでしょう…。

四条通りの突き当たりは東山。はは、横断しちゃったな。さ、嵐山に戻ろっと。

☆今日のちび庭気温:2〜15℃ 今日は久々の雨でした。さぶ。でも、これでもあったかい方なのよねえ〜。(^_^)
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2007/2/19

ところ変われば  京都

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ええと、実は我が家、お江戸へ戻ることとあいなりました。くすん。くすん。
くすんくすんくすん。
はふ。致し方ございません。せっかく慣れ親しんだ京の都ではございますが。
醍醐寺の桜が見られないかと思うと。仁和寺の桜が見られないかと思うと。広沢の池に、清水寺に、上賀茂、植物園、大覚寺〜〜〜。あ〜ん。

残り少ない京の都の生活を、名残り惜しみながら(くすんくすん。)楽しみたいと思いまする。
その一方で。新たな「ちび庭」探し〜!!!(ってか、いえさがし。)またまた新幹線で一路お江戸へ。

ああ、なかなかきびしーのお。どこもかしこも建物ばかり。地面がない。(んで資金もない…。)やはり住職近接とはいかぬものよのお〜。それでも、ふどーさん屋さんに呆れられながらもねばりにねばって探してみるのでございました。え〜、結果は、どーなることやら、乞うご期待。

マンションがどこまでも連なる住宅街を歩く。やはり目に付くのは。
う〜む。剪定の仕方が違うのお。なるほどお江戸じゃのう。
街路樹の仕立もかっちり。忌み枝(逆枝等、向きの悪い枝)どころか懐(ふところ)枝(幹に近い小枝)がほとんどない。

マキもマツもかっちり。玉(植木の「仕立物」の葉のひとかたまりの事)が実にはっきりしている。葉は割にみっしりと。実に、人為的、というべきか、「オブジェ的」な感じがする。やわやわ〜っ、とした「京透かし」とはずいぶん雰囲気が違います。いかにも、「武家好み」を感じさせます。

これも、湿度が低い&潮風を受ける環境の為せる技なのでしょうね。きっと同じ仕立を京都ですれば、夏はすぐに蒸れてしまうことでしょう。京都の仕立て方は、蒸し暑い夏に少しでも風を感じさせるべく、枝の流れを大切にしたのだろうと思います。それに比べ、お江戸は海からの強風にも枝がびくともしないように。面白いものです。京が「山」ならお江戸は「海」。そーいや、庭主、海と山と代わりばんこに住んでるなあ。でもやっぱり、田舎育ちの庭主は、山の方が好きだな。

久々の門前仲町でお好み焼きを食べてみた。お、「おたふくソース」の味が違う!ちょっと甘さがない。同じ製品でも関東と関西とでは味を変えているものが多いというけど、ほんとなのね〜。三久さんのタコやきは、相変わらずおいしかったけど。

新幹線で逆戻り。故郷の山影が見えてくるとほっと体から力が抜けてゆく。滋賀の茫洋たる山なみ。早春の夕日に霞む比叡山。山に抱かれているのは、なんていう安心感だろう。そう。だから、地平線までビルが続く関東平野では、なんだか空にほうり出されてしまいそうな気分になるのだ。(んでもって、お日様が出ていないと方向音痴になりやすい…)

太秦の駅に降り立つ。う〜ん。空気があまい。鼻孔の奥に感じる湿度。暗い夜空にちりばめられた星。ここでは雲が地上からの光に白く乱反射することもない。嵐山の上に、月と金星が寄り添うように輝いていました。

☆今日のちび庭気温:2〜13℃ 今年はまだクリスマスローズの蕾が見えない…。葉が小さいのは去年がんばって咲いたので燃料切れ(肥料はあげたが…)???それとも寒さが足りないのかな???去年は今頃蕾が上がってたんだけど。(^^;)
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2007/2/6

「お手洗い」から見た町家  京都

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仕事柄、いろんなお宅にお邪魔します。坪庭や裏庭のお手入れの為に、薄暗い廊下や細い軒下を、長いハシゴをくぐらせたり、剪定枝用のゴミ袋やら道具やらを運び込んだり。

狭い場所の大きな木を剪定するために2階や塀や屋根に登ったり、作業の合間には、お茶をいただいたり、ちょっと尾籠ではございますが、お手洗いなんかも借りちゃったりして。

さて、今日の気になるポイントは、ずばり、町家の「お手洗い」!!!
今時の働き盛り世代である(!)「ちび庭」庭主は、いろいろかなり引っ越しをして来ましたが、生まれてこの方住まってきたのはやはりほとんどが「今時の」賃貸住宅やらマンションやら。どこにでもある間取り、ごく普通のメーカー仕様。

そんな庭主にとって、ここ京都でお邪魔する古いお家の様子はどこも懐かしくもありながら、新鮮そのもの。目からウロコ、とでも言いましょうか。実に、「お手洗いにも風雅あり」なのでございます。まさに、我が家でハマっております某局の番組、「美の壷」はここにもあり!という感じでございましょうか。

え〜、そうですね。まず、目からウロコ、について。一番最初にあった戸惑いは、「あれ?カギがない。」えっと〜?次が、「電気、どこ?」
もちろん、カギが付いてるのは基本ですが、付いてないお家も割とある(特に古いお家)。間違ってあけたりしないのだろうか???と、いつもドキドキしたりするのですが、どうもたいていは、入口にスリッパが有る無し、で判断しているらしい(恥ずかしくて確認はしていないけれど)。これは、単にお年寄りのお家だからいざという時の為にそうしているのかもしれませんけれども…。

で、カギが付いてないお家は、大抵引き戸です。日本家屋ですもんね。でも、引き戸というのも庭主には新鮮。しかも。お家によっては、この引き戸が非常に凝っているのです。木戸でも桟に細工がしてあったり、クロチクを装飾的に使っていたり、戸自体が薄いしなやかな板を網代編み(カゴ編みみたいな感じ)にして作られていたり。中には、天上から壁から網代編みの所も!!!柱もまるでお茶室のような趣のある木材が使われていたり、床にもピカピカに磨かれた美しい木目が…。

タイル張りの所もありますが、それも昔の丸い石のようなタイルを、単純にちりばめたものから、いろいろと趣向を凝らして貼ってあるところも。カナリの職人技が見受けられたりもします。どこもかしこも、「手作り」の暖かさ。そういえば、玄関の土間の部分で、炭を混ぜた黒漆喰を、まるでタイルを貼ったかのように筋切りした上ピカピカに仕上げた非常に「通」なお宅もありました。

で、明かり。結局スイッチが見つけられなかったお宅もありましたが(!!!)、明かり取りの大きな窓があったり。ただし、ポットン便所の名残りで下の位置にあって、外から見えるんじゃないかと落ち着かないところも…今では、お年寄りのお宅が多いため、ほとんどがウォシュレットにリフォームされています。この、アケビのツルが編み込まれた大きな窓からのお庭の眺めがイイ!また、網代編みの戸から、木漏れ日のように外の光が入って来たり。じつに「通」です。でも、夜はやはり電気は必要なはずだから、きっとどこかにスイッチがあるのよね???

洗面も昔ながらのタイル張りあり、ロールのトイレットペーパーでなくて今ではほとんど見かけなくなった四角い「ちり紙」だったりもするけれど。どのお宅も隅々までとってもきれいにお手入れがされて、清潔なお手拭きが用意されて、お花がちゃんと活けてある。中には、お香まで焚いてあるところも!!!もう、料亭か旅館並みではないかと。はあ〜。お手洗いといえど、古い作りといえど、そこにはお寺のつくばいに感じるような清々しい美が。お手洗いも、立派なおもてなし空間なんですねえ…。

庭主もそれなりにきれいにしていたつもりでしたが。丁寧な暮らしって、こういうものなのね。反省すべきだわ。でも、片や、こういう丁寧な生活って、共働きで家人が家にいる時間が非常に少ない現代では、なかなか難しいよな、とも思ったり。掃除はしても、装飾まで気が回らないというか、極力手間をかけないように何にも置いてません。ウチ。

合理的な生活で忘れられてゆくものがいっぱいあるなあ、と感じた庭主でありました。

☆今日のちび庭気温:0〜14℃! ほんとに、どうしちゃったんでしょう???ありがたいけど、こんなにあたたかいと、なんだか心配になっちゃいますね〜。(^^;)
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