2010/6/30
ヒメウツギ

ユキノシタ科ウツギ属の落葉低木で、晩春から初夏に白い小さな花を咲かせます。
ウツギは卯の花のことです。
枝の髄が空洞になっているので「空木」というそうです。
花のサイズが少し小さいことから「姫空木」と言われています。
花をよく見るとホントにチャーミングです

清楚な雰囲気があります。
下を向いて沢山の花が咲く様子も、ちょっと控え目で可愛いです

ホントに作者の茂子さんのようです

動物・植物すべての命あるものに優しく、この花も痛まないようにダンボールに入れて大切に何回も運んで、丁寧に根気強く描いていらっしゃいました。
オカリナがお得意で、彼女が奏でる時、まるで妖精のようにさえ感じます。
この姫空木は「豊の国大分の植物誌」という荒金正憲先生著の本によると、絶滅危惧種に指定されている「コミノヒメウツギ」だと思われます

今は大分・宮崎にのみ分布し、谷沿いの石灰岩地の林縁、崖などに生育しているそうです。
このめずらしい植物に出逢えたことに感謝です


2010/6/23
パイナップル

ボタニカルアートというとお花のイメージですが、ボタニカルは植物のという意味で、パイナップルのような果物・野菜・きのこも描きます



このパイナップルの作者のセツさんはハワイが大好きで確か10回くらいはいかれているとおもいます

最初はプルメリアなどの南国のお花を描かれていましたが、今回はパイナップル

パイナップルの名前の由来は 果実の形が松かさに、味がりんごに似ているので、パイン(松)+アップル(りんご)といういうようです

これは日本でも最近よく出回っている、「ピーチパイン」という種類です。
果肉が白っぽくて甘い香りがすることからピーチパインまたはミルクパインと呼ばれています。
熟すと全体が赤みがかってきます。サイズは小ぶりで可愛いです

セツさんが描き終わったあとに何人かでいただきましたが、甘くて美味しかったですよ

このパインは沖縄でよく栽培されていますが、日本で販売されているものの多くが輸入品で中でもフィリピン産が8割以上になるそうです。
お店で 美味しいパイナップルの見分け方は、全体的に丸みがあり、下ぶくれの形をしているもの。またずっしりと重みがあって、香りがよく、葉の色が濃いものがよいようです。
パイナップルのの果汁には「プロメライン」というたんぱく質分解酵素が含まれています。
これは肉を柔らかくする効果があり、肉と一緒に食べることで消化を促進してくれるそうです。
未熟なものには「シュウ酸カルシウム」が多く含まれていて、舌がひりひりしたり口の中が荒れることがあるので注意が必要です。
なかなか縦割りにはしないので、構図もおもしろく、
細かく丁寧に描かれていて、ホントに食べたくなります


2010/6/14
お茶の教室

先日大分市下宗方にある「サリーガーデン」http://www.sallygarden.jp/home/
というシフォンケーキとフルーツクーヘンのお店で開催された 日本茶の講座に参加しました。
写真の男性が講師の 井尾 淳さん。湯布院の食事処「市の坐」http://www.ichinoza.jp/
の店主で、隣は新婚の奥様。
井尾さんは以前、由布院美術館内で日本茶と和菓子のお店「桐屋」を営業されていました。
今回は三種類のお茶をそれぞれの美味しい淹れ方を教えていただきながら、参加者が急須と茶器を使い実際に淹れるという形式
まず最初は

釜炒り製法によるこのお茶は、香ばしさと軽い口当たりが特徴です。
たっぷりの茶葉に65℃にさましたお湯を注ぎ待つこと1分
4〰5回に分けて最後の一滴まで絞りきるように淹れます。
なんとも

皆さん思わず「美味しい


運ばれた和菓子と一緒にいただくお茶は

福岡県八女市産です。
芳香(かおり)を楽しむお茶で、カフェインが少ないので気軽に飲めます。
熱湯で淹れたお茶を、氷をたくさんいれた大きめのグラスに一気に注ぎます。
これからの季節にはぴったり。美味しい和菓子といただくと、さっぱり爽やかです。
お団子にはとろりとした葛がかけてあり、羊羹は濃い抹茶で作られていました

最後は

福岡県星野村産です。
「雁が音」は玉露の茎茶だそうです。因みに煎茶の茎茶が「白折」です。
茶葉を生で食べてみたら、ホントにおやつにいただきたいほど美味しいのです

玉露がもつ香りと甘みが特徴で、55℃にさましたお湯で1分
幸せ

高いものでなくても、一種類でも 美味しく淹れることのできるお茶を持つと良いと熱い真摯な眼差しで語られていました。
教室の様子が上手く撮れてなかったのでサリーガーデンのスタッフのところをご覧になってくださいね。
ご夫婦で夜の11時まで営業されている「市の坐」も古民家を移築したお店で美味しいと評判です。
是非行ってみたいです


2010/6/8
熊田千佳慕展

現在 福岡県立美術館で開催されている、細密画家「熊田千佳慕」展に行ってきました。
これまでに描かれた原画200点余りが展示されていて見ごたえがあります。
7月11日まで開催されていますので、機会があれば是非行かれてくださいね

http://local.yahoo.co.jp/detail/event/i81937/

戦前はデザインの仕事を手がけられ、戦後は一転して絵本作家の道に進まれました。
ちょうど私たち世代が幼いころ読んだ「ピノキオ」「不思議の国のアリス」などの絵本の挿絵を描かれていたのが熊田さんなのです


60歳の頃から「ファーブル昆虫記」に登場する虫たちを描くことをライフワークにし、国際的に高い評価をえました。日本のファーブルと言われています。
70歳のころから花を描き始め、花々の持つそれぞれの「雰囲気」を映しとってこられました。
今回 香りまでも感じられる花の絵に身が引き締まる思いでした。
熊田さんの言葉で印象に残っているのは
この道
神から託された この道を
コツコツと歩くことが好きだ。
近道をみつけたり より道をすることなく
あわてずに自分のペースを守ること。
自分に素直であれ
自然にも素直であり続けたい。
作品展といえば今月いっぱい 府内五番街の若竹園で教室の作品展を開催しています。
なんと今回タイムリーに花に蜂や蝶を一緒に描いたものも出品されていますので、こちらも是非お運びくださいませ


2010/6/3
フリージア

フリージアはアヤメ科フリージア属の半耐寒性の球根植物。
和名はアサギスイセン(浅黄水仙)、コウセツラン(香雪蘭)
南アフリカで植物採集をしていたデンマークの植物学者・エクロンが発見した植物を親友のドイツ人の医師・フレーゼ(F・H・T・Freese)の名をつけて紹介したのが名前の由来となっているそうです。
アフリカ原種の黄色、白色のフリージアは金木犀のような甘い強い香りがします。
紅・紫系は黄花種ほど強くはないですが、甘酸っぱい果物の香りがあります


白は「あどけなさ」黄色は「無邪気」赤は「純潔」紫は「あこがれ」薄紫は「感受性」
だそうです。
作者は裕一郎さん。毎週土曜日に奥様といらしてくださってます。
お会いした頃は無口で大人しいエリートサラリーマンという印象でしたが、今では よくご夫婦で行かれる海外旅行の話など率先して、おもしろおかしくお話してくださいます。
博学な方なのでついつい引き込まれて聞いていると、「昔はこんなに話してなかったわよね

けれどやはり80%は関西出身の奥様に発言権が

フリージアはなかなか絵にするには難しい花で、今までどなたも完成させてない花でした。
それにあえて挑戦され、香りまで感じられる作品に仕上げてくださいました。
香りといえば、レイジースーザンからでている香水「アントニアズ フラワーズ」にはフりージアが主原料として使われているそうです

