セガサターンはCD/CD-ROMを読み込むピックアップユニット(メカ部も含めるとトラバースデッキともいう)を2社と、製造者は不明ですが1社採用していたようです。
メーカーはJVC(日本ビクター)、三洋電機、もう1社は不明です。
ちなみにドリームキャストはヤマハ、後期はヤマハ、サムスンの2社ベンダーでした。
写真1はJVC製、写真2は三洋製、写真3は製造者不明のそれぞれトラバースデッキ外観です。
数量的にはJVC製が圧倒的に多かったようです。サターン発表時にJVCも共同開発に加わっていたようですが、おそらくトラバースデッキとムービーカード関係なのではないでしょうか。
三洋製は一部のものにTRAP基板というワンチップマイコンだけが実装された基板(写真2右下)がサターンメイン基板との間に付いています。三洋製トラバースデッキの後期ではこのTRAP基板はなくなりました。
特徴として、JVC製はシーク音がうるさい気味のかわりに比較的読み込みが俊敏な感じがあります。
三洋製はシーク音が静ですが、読み込み速度が遅いような気がしますが実際計ったわけではありません。TRAP基板を一度かましているせいも考えられます。
JVC製のピックアップは読み込まなくなった際にレンズ直下のポリゴンミラーなどが掃除などのメンテナンスがしやすく、逆に三洋製は構造上、レンズが持ち上げられないので掃除が出来ません。
参考リンク 故障モード1 症状:CD/CD−ROMを読み込まない、データエラーを起こす:
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/8268/ssrep1.htm
筐体を分解せずにJVC製か三洋製かを判断するには、ピックアップ部の偏向コイル(レンズの高さや位置を微調整するためのもの)が見えるか見えないかで判断できます。
写真1 JVC製トラバースデッキ

写真2 三洋製トラバースデッキ

写真3 製造者不明のトラバースデッキ

写真4はJVC製、写真5は三洋製、写真6は製造者不明のもの、それぞれトップカバーを外した状態です。
写真4 JVC製 トップカバーを外した様子

写真5 三洋製 トップカバーを外した様子

写真6 製造者不明 トップカバーを外した様子

写真7はJVC製、写真8は三洋製、写真9は製造者不明のもの、それぞれピックアップ部の拡大です。三洋製のものには「SANYO」の表示がありますが、トップカバーで隠れていて通常は見えません。
写真7 JVC製 ピックアップ部拡大

写真8 三洋製 ピックアップ部拡大

写真9 製造者不明 ピックアップ部拡大

写真10は三洋製、写真11は製造者不明のもの、トラバースデッキの基板の形番など表示です。
写真10 三洋製 トラバースデッキの基板表示

写真11 製造者不明 トラバースデッキの基板表示

ちなみに、このページで載せたトラバースデッキは、それぞれ下記種類のサターンに搭載されていたものです。
・JVC製トラバースデッキ:JVC製サターン RG-JX1、サターンのメイン基板はVA0.5(セガサターン初期型のHST-3200相当)
・三洋製トラバースデッキ:白サターン HST-3220、サターンのメイン基板はバージョン表示はVA6 SG
・製造者不明のトラバースデッキ:日立 Hi-SATURN、MMP-1(HST-3200相当)、サターンのメイン基板バージョン表示はVA0