
CDラジカセ SONY CFD-S26
本体色はシルバーとブルー系色、全2タイプあり
●不具合内容
電源不良のためラジオやテープ、CD再生時にスピーカーやヘッドホンからハムノイズが発生する。電源のリップルが増えるためかCDも認識不良になる。
●交換部品
メイン基板上の下記部品を交換。全て圧力弁が膨らんでいるのでわかりやすい。この製品のシリアルナンバーではケミコンは全て悪名高きYECが使用されていた。
C131:1000uF,10V,85℃
C231:1000uF,10V,85℃
C321:470uF,10V,85℃
C325:4700uF,16V,85℃
C953:470uF,10V,85℃
C131,C231については別のCFD-S26を調べたところ
Lelon製ケミコンが載っており、そっちでは問題なかった。Lelonも問題の多いケミコンを多く作っているようだが…。
C325,C131,C231の様子

「
コンデンサメーカー一覧サイト」より、YECの正式社名は
YEONG LONG TECHNOLOGIES(永隆科技股有限公司)とのこと。悪名高きYEC…
ちなみに搭載されているCDトラバースデッキはSONY KSM-213CDP、CD制御部のマイコンは三洋 LC78645N、モータードライバはローム BA6998FP、ピックアップユニットはSONY KSS-213C。
トラバースデッキ制御基板にもYEC製ケミコン 1000uF,6.3Vが使われているが、圧力弁は膨らんでなかったので交換はしなかった。
なおケミコンを交換しカセットテープを入れないで再生ボタンを押し音量をあげたときに、電源トランス周辺からのハムノイズが聞こえる。電源トランスを筐体から取り出して遠くに置くとハムノイズがかなり小さくなる。特にテープのドライバやアンプは他のユニットよりトランスに近い配置なので一番影響を受ける様子。というかこの程度の防磁やノイズ対策もされてないとはいくら安物といっても酷すぎるぞSONY…
シールドを張ってノイズ対策してもその程度では効果無い様子。
テープのアンプ基板の接続は、
黄色:BIAS
赤:R
白:L
となっている。
ちなみにもう一台別の筐体色のものも同じ不具合が出ているのでロット落ちの可能性あり。まぁYECのケミコン使ってる時点で…。
電源ノイズを受けやすい?
カセットテープユニットの制御/アンプ基板

この基板に載っているTA2068Nはカセットデッキ用プリアンプ。
緑のスイッチは録音時の消去ヘッド等制御用と思われる。
このスイッチは内部の接触不良で抵抗値が不安定になり、アンプ基板のノイズが乗る原因にもなっている様子(グランドが浮いてるときに鳴るようなハムノイズ)。場合によってはテープ再生音がかき消されるほどのノイズが乗る。基板を外してこのスイッチの2回路それぞれでA接点、B接点のひどいチャタリングや導通抵抗異常が起きてないかテスターの導通チェックモードなどで調べておいたほうがいい。接点復活剤などで修正すれば音量の大きいノイズは解消されることがある。ただし先のように電源ノイズについては原因が別のため改善されない。
なお、スイッチの2回路中1回路のB接点はコイルを通して短絡しているので、テスターの導通チェックモードでテストするときはこの点の考慮が必要。
●製品のマニュアル
CDラジオカセットコーダ CFD-S26 (PDF、日本語版)
CDラジオカセットコーダ CFD-S26 (PDF、海外版)
KEYWORD:SONY CFD-S26 修理 ケミコン コンデンサ 圧力弁 電源ノイズ ハムノイズ
●改訂履歴
2018年01月10日 文章を少し修正。新たな情報の追加は無し。