2008/11/2  13:36

小さな町の小さなライブハウスから  

無精者としては本を買ったまま積み上げたままにしていることも少なくない。
取りあえず本でもCDでも手元にあると、いつでも見聞きできる安心感に浸るのがオヤヂらしい。
3連休を前にキャビネットを覗けば、だいぶ前に買ったままになっていた片山明氏の
「小さな町の小さなライブハウスから」という本が見つかった。数日かかり本日読了しました。
99年よりウッドストックに3年住み、後に再訪しミュージシャンやその周辺の人々に
インタビューした本であるが、そこには地方のスモール・タウンの音楽状況に共通したものが
垣間見える。
アメリカへ旅していても、西と東の大都市だけしか知らないと見えてこないものもある。
ワタシも89年の5ヶ月程度をピッツバーグで暮らしたが、東から少し内陸に入っただけの
都市でも違った風景がうかがえたものだ。それはTravelerではなくResidenceとしての
視点としての違いとも言える。生活の場としてのアメリカを知れてよかったと今も振り返る。
そんな自分だからこそ彼の書く文章にはうなずきながら読んでしまった。

ワタシもWoodstockには行ったことがある。一度目は89年にクーパースタウンの野球殿堂へ
行く道すがら、バスの中から「ここがWoodstockか」と眺めたにすぎない。
2度目は94年にアメリカで行なわれたサッカーW杯を見に行く旅の途中、モントリオールでの
F1を見てから、カナダより南下して入ったのである。1泊2日と短い滞在であったが、
同行の後輩のN君だまして「野球の殿堂行く途中に、伝説の音楽祭で有名なウッドストックが
あるのよ。これは野球の歴史だけじゃなく音楽の歴史にも触れるチャンスよ」と
下車したのでした。だましついでBearsvilleまでの2kmあまりの道のりを歩かせて(爆)。
「途中でヒッチハイクできるだろう」なんてウソもついて.....悪い先輩です。
モントリオールからのバスの問題で、クーパースタウン→ウッドストックと行く予定が
逆の順番になったことも思い出される。

当時の日記には、
「しかたなくウッドストックへ直行し、クーパースタウンは翌日回しとなる。宿はグッドである。
街の雰囲気もなかなかよろしい。今年はウッドストック・フェスティバル25周年という事で
夏にかけにぎやかそうである。リズムス・レコードのおやじと楽しく話し込み、彼の押すCDを
一枚購入する。しかしそこまで行くのに趣味の合わないこと。でも会話を楽しんだ。
キャッッキルの山々は青々とし、静かなたたずまいを生み出していた。
ヴィレッジ・グリーンにはギターを弾く青年がいたりして、やはりアーティスティックな
村だなと実感したものであった。
ボブ・ディランも演奏したというティンカー・ストリート・カフェにも行ったが、
演奏が始まる前に眠くなったので一足先に退散する。地元のブルース・バンドが出るようでした。
神の子には会うことはできなかったが、良い夢は見られそうな気はする。
アメリカの田舎はすてきだ。そう、今日は俺のバース・デイでした」
と綴っている。また翌日の日記でも、
「ベアースビルまで歩き、スタジオは発見できなかったが、オーリンズのライヴをとった
ベアーズビル・シアターを見る。思ったより小さかったな。前日、リズムスのおやじと
「オーリンズ先週日本に来てライヴ見たよ」なんて話をしたのを思い出す。時間に宿に戻ると
ホフマン氏がオリジナル・バッグをみやげにくれた。本当にお世話になりました」
と記している。

木々に囲まれたWoodstockはこじんまりとした街だった。確か宿としたTwin Gablesには
手紙書いて宿の予約をしたはず。主人のホフマンさんが「手紙をくれたのはどちら」と聴くので
ワタシと答えると、「それじゃあ君に大きいほうの部屋をあげよう」と言ってくれたんだ。
翌日、あずけた荷物を取りに行くと、緑色の宿のイラストの入ったトートバッグをくれた。
田舎の民宿のオヤジは親切でしたね。
この年の夏Woodstock'94が開催されており、Tシャツを沢山扱うギャラリーでオリジナル
デザインのWoodstock'94のTシャツを買った。Fesのオリジナルじゃないのがイイよね。
リズムスのオヤジとは「このOrleansのLIVE盤、日本じゃ2枚組なのよ。そうそう先週
オーリンズ日本でLIVE見たよ」と話し始めた。「へえ、大きい会場だったの」と聞くので
「いやそうでもなかったな」と答えると少し残念そうな顔をした。
「ミュージシャンとか来るの」と聞くと「ロビー・デュプリーとかジュールズ・シアーは
時々来るよ」との話でした。「オススメあれば1枚買いたいな」と言うと「どんなの聞くの」と
言うので「SSW系とかヴァン・モリソン、エミルーとか」なんて答えるといろいろ出してくるが
大体持ってるもの。「ルカ・ブルームとかもいいんだけど、リリースは来週だ」なんて感じで
結局はアイリス・ディメントの2ndを買ったのでした。片山氏の本によると今ではリズムスも
店を閉めたようだ。
ティンカー・ストリート・カフェは元のカフェ・エクスプレッソ。ジューク・ボックスで
Jacksonの"Running On Empty"をかけ、ビール飲んだくれてた。その前にメシ食ってたらふく
酒を飲んでたので酔って、LIVEの時間まで持ちはしなかった。ここのカフェも閉めて久しい。
この日がワタシの誕生日だったので、N君気を使って翌日お誕生カードくれたな(爆)。
ベアスズビルまでの道のりは何も無い草原地帯。Orleansの「Analog Men」のジャケ写のような
風景が続く。教会の近くでガース・ハドソンのLIVE告知を見つけたり、ジュース屋台で
休憩しながらの道のりだった。
こんな風にWoodstockにはのどかな時間の思い出に溢れている。片山氏の本とは5年位の
歳月しか違わないが、ワタシの思い描く風景とも少し違っていることに気づく。

今部屋の壁を見れば「Greetings From Woodstock!」と記されたOrleansの連中のサインと
ワーナーの宣財のWoodstock Mapが貼られている。
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