秩父神社、高麗神社、川越氷川神社とNPO川越きもの散歩でたちあげた「さいたま絹文化研究会」。群馬の絹ゆかりの神社との交流を企画し、富岡市の貫前神社を正式参拝して参りました。

古墳時代からの歴史を刻む、由緒正しい神社です。養蚕と織物の神「姫大神」を祭神としています。

山の上に鳥居があり、鳥居をくぐるとそこから階段を下りていく、かわった地形の場所です。
かなり急な階段で転んだら大変〜。お正月は多くの参拝者でこの会談も埋め尽くされるそうです。

本殿が見えてきました。本殿,拝殿、楼門、すべて重要文化財、江戸初期の建物です。

文化庁による修復が終わったばかりとのことです。本殿は徳川家光により1635年に造営されました。

正式参拝をさせていただきました。
拝殿の格天井には四季の草花が描かれ、天井の周りは極彩色で飾られ、ミニ東照宮といわれているとのこと。
絹関連遺産として有名な幕末に生糸商人が奉納した青銅の灯篭です。これには当時の絹商人の名前が刻まれており、横浜の野澤屋、原善三郎の名前もありました。50両、100両と今の金額だと数百万円になる金額が刻まれ、絹バブル、彼らの裕福ぶりがうかがえます。
貫前神社では現在でも年間70もの神事が執り行われています。鹿の骨で占う神事や、12月11日には「機織り神事」が行われます。12歳の女の子がいざり機で楮の繊維で機織りをするとのこと。境内にある楮(こうぞ)を煮て柔らかくして、それを裂き、経糸と緯糸を作るそうです。
興味深いですね。
貫先神社の小林宮司様にご案内いただきました。明治期の廃仏棄釈ではたくさんの貴重なものが焼却されたとの話に胸が痛みました。宝物館には重文の鏡や家光の時代の36歌仙の額が展示されており、素晴らしいものを拝見することができます。
富岡製糸場から車で15分。富岡製糸の女工さんも新年にはお参りにきています。製糸場の見学の際にはこちらの神社も参拝されると養蚕絹文化の土壌が江戸時代から続いていることがよくわかります。
上毛新聞の記者さんに私たちの訪問を取材していただきました。20日の上毛新聞で報道されたそうです。
上州名物、空っ風に吹かれ、同じく名物の美味しいおうどんをいただいて帰路に。絹文化ゆかりの地を訪問、収穫大き一日でした。

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