虎ノ門のニッショーホールにて「景観の日」国土交通省のパネルディスカッション「歴史文化と景観」に参加させていただきました。800人の来場者で客席はほぼ満席。朝日新聞の下段一面広告が効いていたようで,一般参加者も結構いらした様子です。
都市景観大賞や写真コンクールの表彰式もあり、テレビでよく見かける冬芝国土交通大臣も。環境大臣政務官の方は所沢市議から埼玉県議になり、いまは衆議院議員だそうです。後で「川越からですか、僕は所沢ですよ」とご挨拶いただきびっくり。
「イギリスはおいしい」で有名な作家・林望さんの基調講演。観光客に振り回されないイギリスの景観と町並みを豊富な事例で紹介されました。控え室で一緒にお食事をいただきました。「川越へは何度も行っていますが車をどうにかしないとね〜」と。ごもっともです。消費される安易な観光地化に危惧をもたれていました。
コーディネーターの陣内秀信先生と。イタリア暮らしが長い先生、黄色のシャツがおしゃれです〜。川越の市民活動の多彩さをお褒めいただきました。

左から尾道市長の平谷さん・京都大学名誉教授三村先生・フジイ・国土交通省大臣官房審議官小川さん
「小江戸ものがたり」の発行、「川越きもの散歩」「職人」「川越織物市場」「川越祭り」をスライドで紹介いたしました。「町並み」と「暮らしの営み」両方が残る町。それを支えているのが「川越祭り」というシステムのような気がします。着物姿や職人さんも町のいとなみ。「町の記憶」を生かすことは町の個性を彩る景観のひとつ。
また、川越市の「景観重要建築物指定」に元花街の旅館や料理店が指定され、外観の修復などに500万円までの助成があるシステムも紹介しました。65件もの戦前の建物が残され修復されているのはすごいこと。個人の努力だけでは古い建物を維持するのは無理なので、行政の地道な仕事も町の景観を保つ一助になっています。「蔵造り」以外の建物の維持も大切です。
秋に「歴史まちづくり法」という新しい法律が施行され、その衆知のための全国大会でもありました。文化庁(文化財保護行政)、国土交通省(景観・まちづくり行政)、農林水産省(美しい田園風景の維持)地域の歴史文化や景観をまるごと良好なまま次世代に継承するには行政の縦割りは機能しないということで、3つの省庁が一緒にこの法律を作ったという、霞ヶ関的には画期的なものだそうです。
川越のように酒蔵、織物市場、芝居小屋、蔵造り、と歴史的建物が再生を待つ町には、この新法利用がモデルケースになるのかもしれません。貴重な税金、「町おこし」や「町いじり」はもう川越には必要ないでしょう。大きなグランドデザインの提示が前提ですね。
川越織物市場の会
http://www.geocities.jp/kpurado/index.html
保存活動紹介記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/kikaku/044/10.htm


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