「なぜ 無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか」 中崎隆司著 彰国社刊
書店に行くと勝間和代本も気になるけれど・・・。
思わずタイトルで購入した本です。ずっと私もなぜ???と思っていたことだったので。著者は生活環境に関するプロデューサー、建築ジャーナリスト。
なぜ、どこも同じようなビルを建てて同じような町にしていくことが再開発となるのか。
郊外の大型店舗の開店が、中心市街地のシャッター通りの原因とわかっているのになぜ、そのような計画をやめることができないのか。
すでに十分広い道路、なんの不便もないのに道路を拡張し、なぜ町の顔となっている古い町並みをこわすのか。
「地域活性化」の掛け声のもと全国同じような町になっていくのもどうして???
行政や商店街が無理に地域活性化政策をしないほうが、その町の個性が残っているように感じることがあります。
著者はTMOの検証、市民と観光客の乖離、個人店の消失、安易な地域ブランドつくりなど幅広く紹介。
私の数々のなぜ、に答えが見つかる本でした。
築地再開発でまた東京はその固有の宝物をなくすということも言及。
国からの補助金を獲得する仕組みにもいろいろと考えるところがありました。
川越はその点ではかなり恵まれている自治体でしょう。
全国均質化の波にのまれず、必要な部分は国の助成をうけて、したたかに独自のまちの個性を磨いていく、そんな町にならないと・・・。

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