
人形工房の見学を終え、まちなかを散策します。

まちなかにこんな茅葺の寺院もあるのです。願生寺、1520年代に開基されました。
手前の大木は桜です。来週には桜が咲くでしょう。
住宅街に県内唯一の藩校も修復され残っています。このお雛様は藩校に飾られていた大正時代のもの。

路地裏に、造り酒屋の「鈴木酒造」の煙突がみえてきました。創業明治4年、初代は新潟から出てきて桶川の造り酒屋で修行をしました。
県内には30年前までは80軒の造り酒屋がありましたが、現在は35軒のみ。ビールやワインにおされ、日本酒の売り上げは年々減少していますが、造り酒屋はその土地の文化を象徴し、長年地域への貢献を担ってきた部分がとても大きいです。観光資源にもなります。
岩槻もまちなかに「鈴木酒造」さんがあることで、町の風格、歴史の厚さを感じさせてくれます。今年も岩手から杜氏さんが来て、仕込みが終わったそうです。
二階の資料館はお宝の宝庫、びっくりするようなものがさりげなく置かれています。

下見の際にはあまりにきれい過ぎて(笑)古いものと思わなかった書、なんと勝海舟のもの。山岡鉄舟のものもあります。

こちらもびっくり、幕末の蘭学者・高野長英の5ヶ国語の「いろは」。

資料館の二階からは下で行われる酒造りを見ることができます。

明治の浮世絵師、歌川国周の手書きの軸。鈴木家当主が草津温泉で国周と出会い、成田山新勝寺への絵馬の奉納を依頼した際に書いていただいたものです。酒造りを描いた国周の絵馬は今でも成田山に飾られているそうです。
歴代ご当主のエピソードやお宝はまだまだあり、しばらく通わないと鈴木酒造の全貌はわかりません(笑)。お酒の試飲もあり、吟醸酒、生酒など、美味しくてお買い物タイムも充実、3月限定で岩槻のお菓子やさんが作った「桜パウンドケーキ」「チョコレートケーキ」など好評でした。
地元の人との交流もこのツアーの特徴です。フジイが「レトロボンネットバスで川越めぐり」を案内しているイーグルバスのカトレア倶楽部に昨年ご参加いただいた紙浅呉服店を訪問しました。
室町時代から市がたった市宿通りにある明治創業の呉服店です。近年はきものの販売より洋服、ちりめん細工などを扱うようになりました。道路拡張で蔵を壊し、お店を新築し、セットバックしました。
道路拡張や電線地中化のために古い町並みが壊され新しくなっていくというのも「まちづくり」の現実です。20年前の岩槻に来て見たかった。歴史的景観を町の個性にできた川越とつい比較してしまいます。

紙浅呉服店のご当主のお宮参りの際のきもの。隣は妹さんが使ったもので絽のきもの。70年前のものです。

ご当主のお母様が嫁入りに着た花嫁衣裳、大正時代のもの。お店ゆかりのきものを雛人形とともに展示しています。
盛りだくさんの岩槻ツアー無事終了です。帰路はゆったりバスのなか、おしゃべりがはずみ時間通り、大宮着5時半、川越西口着6時。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回は5月22日(土)羽生の藍染職人、加須の手書きこいのぼり工房を訪問します。おたのしみに〜。パンフ送付希望の方はフジイまでメールをください。
fujii@koedomonogatari.com

7