9月24日開催の秩父養蚕農家見学と前原工房・匠ツアーの下見で秩父皆野町へ。

秩父鉄道の駅はどこもレトロでかわいいのです。いまだに厚紙の切符だし、2年前に「きものでSL」イベントを開催しましたが機会があれば何回でもSLに乗りたいと思います。
駅前にはバスターミナルと火の見やぐら。レトロな商店がぽつぽつと。コンビにもなくタイムスリップしたかんじ。

なつかしい駅前商店街を過ぎ、車で10分ほどで前原工房へつきました。

川越出身の前原和子さん。前原家に嫁ぎ姑さんとご主人に絞りと染めの技術を教わったそうです。娘さんの悠子さんと母娘で前原家につたわる「王紗絞り」を伝えています。
大正時代にお姑さんの実家、黒澤織物がはじめた「王紗しぼり」。当時秩父はふだんぎ着物、銘仙の全盛期。初代は研究熱心な人で銘仙よりも高級品の「絞り」に着目。
手作業の絞りを機械織を使った方法で独自に開発したそうです。

反物を織り上げるときに木綿の糸を横にいれて織られています。その木綿の糸を引っ張ることで布地が絞られ模様ができます。

反物を絞っているところ。

木綿の糸が切れないように丁寧に絞ります。

1反絞りあがったところです。

染色をして絞りをほどくとこのような規則的な模様が浮き上がります。しわになりぬくく軽くて温かいのが特徴です。

こちらは手絞りの数々。色や模様がとても洗練されてい素晴らしい作品です。高島屋などにも納めているとのこと。

和子さんの娘さんの悠子さん、振袖を作成中です。

捨松の袋帯をあわせたシックな組み合わせ。色無地ではつまらないけどはんなり友禅は趣味ではない・・・という悩みにぴったり。手間がかかっているけれど強く主張しないさりげなさが素敵です。近寄ってみると高い技術がわかる人にはわかるという、江戸の美意識。
価格も良心的、きちんと型付けされた江戸小紋と同じぐらいでおどろきます。常識範囲の工房価格です。小売店に行くと3倍になるでしょう。
9月の見学会にはお手ごろな「半襟」「ふくさ」などをご用意してくださいます。羽織や帯、着物の数々を展示しておいてくださるとのこと。きもの好きにはたのしみですね。
詳細はこちら8月11日のブログをごらんください。
http://green.ap.teacup.com/koedo/737.html

3