川越から車で20分の川島町にある遠山記念館へ。川越ー桶川に行く県道から釘無し橋を渡り、左折、新しい道ができていて迷わずいけるようになりました。

周囲はお堀で囲まれていて蓮の花がきれい。

日興証券創始者の遠山元一氏が母堂のために建てた邸宅です。昭和初期の素晴らしい和風建築。設計は川越中学出身の室岡惣七、入間の石川製糸西洋館の設計もしています。

遠山記念館の染織コレクションは染織関係者の間では有名です。7月31日までグアテマラの染織展が開催中。元金沢大学の岡澤孝雄氏が1970年代に現地の村々を歩いて集めたものなど100点が展示されています。

(写真撮影は許可を得ています)

虹をまとう民族といわれるほど、その色彩は独特。村々により模様や色使いが異なり、模様にも意味があり、民族の誇りや感性を感じられます。

素晴らしい絣模様と色彩です。

刺繍のように見えますが紋織りで織られています。

軍事政権や内戦が30年も続き、帰属する部落がわかる民族衣装を着ることがはばかれた時代もあったとのこと。コーヒー農園などは米国の多国籍企業が経営し、原住民のマヤ民族は搾取される社会構造も。
16世紀にスペイン人に征服され、カトリックと現地の宗教がまじりあい独特の文化を400年かけて生み出してきたものの、19世紀ごろよりプロテスタント系の宣教師が民族衣装を着ることを禁止することもあったり、民族衣装文化はまたまた受難の時代に。

スペインの影響を受けた花柄もよう。

女性用の帯、つづれ織りのものも。
こうして他国の民俗衣装を見ると自国の民族衣装を見る目も変わってきます。政権の変化や外国の干渉により、着用できなくなることがいかに民族の誇りを傷つけるか。
外国で日本の民俗衣装展をしたら、きっと「きもの」は現代の日本では結婚式や儀式だけに着用されるものになりました、とキャプションがつくのだろうな〜と。
グアテマラの民俗衣装は世界遺産に認定されたそうです。日本の結城紬も認定されましたが、それは喜んでいる場合ではない、ということですね。
世界各地の民族にはその風土、歴史、気候にあった衣装があったはず、日本も例外ではありません。洋服9割の生活になっても1割はキモノをワードローブに入れておく、そんな提案をしていきたいとあらたに思いました。

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