
製糸、絹業者、役所関連機関、研究者が集う「シルクサミット」が富岡製糸場で開催されました。

新聞で世界遺産登録が大きく報道される1週間前の平日のため、見学する人もまばらで閑散としていました。
心配なのは2月の大雪の被害です。関係者の皆さん一同のショックはいかがばかりか・・・。
今は入場制限がされている明治5年築の繰糸場。300釡の繰糸場は当時世界最大だったとのこと。
製糸製造をやめたあとも維持費年間1億円をかけて、管理してきた片倉工業の経営陣の見識の高さに敬服するばかりです。
「シルクサミット」の基調講演でも「売らない、貸さない、壊さない」という方針で富岡製糸場を大切な歴史資産として保全してきた片倉工業への感謝のことばが述べられていました。その片倉工業の最後の製糸工場は熊谷工場でした。熊谷イオン敷地内に片倉シルク記念館があります。

大正時代に建てられた繭乾燥場は雪の被害で倒壊していました。

明治5年ではまだ養蚕は春だけで、1年1回の飼育で1年分の繭を購入し、保管しておかなければなりません。乾燥技術はもうそんなに進んでいたのか不思議です。
100mもの広大な繭倉庫が2棟も建てられました。
昔も今も製糸は繭代、原料代が8割を占めている、といわれています。

広大な西繭倉庫、当初は1階は石炭置き場で壁がなかったとのこと。二階のみが繭倉庫でした。
世界遺産登録後はこちらの倉庫も公開される予定です。
日本の近代化を支えた富岡製糸場が世界遺産に登録されることで、観光・旅行関係だけがブームを作るのではなく、少しでも今の日本の養蚕、絹製品へも関心が波及してもらえたらいいですね。(財)大日本蚕糸会など絹文化を顕彰しているところは大きなチャンスです。
3年前に富岡製糸場を設立した深谷の渋沢栄一生家と、富岡製糸場、そして現役の製糸工場「碓氷製糸組合」を訪ねるツアーを埼玉県観光課、JTBと協働しました。
製糸機械が動いているのはとても興味深いものがあり、碓氷製糸の白生地の反物も特別価格で購入できるので好評でした。 また、開催したいと思います。

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