台北でいちばん古い100年前の商店・問屋街を訪れました。淡水の河口沿いにイギリスとの交易で栄えたところ。
清朝は19世紀末にイギリスとフランスの連合軍に敗れ、淡水の開港を余儀なくされます。淡水の開港でイギリス商人が目をつけたのが台湾北部のお茶と樟脳でした。
日本にはペリーがきて開港をせまりましたが、坂本竜馬が香港でアヘンを蔓延させられていた清国をみて、ひとごとではない、と感じたのがわかるようです。

この埠頭から英国へ輸出されていました。台湾のお茶(ウーロン茶)はビィクトリア女王にも献上されるほど人気となりイギリス商館が独占。

台湾ではじめて水洗トイレがつけられた錦紀茶行の建物。1923年築で昭和天皇も皇太子時代に見学に訪れています。優雅なバロック建築、入り口は河の氾濫で水がきても大丈夫なように高くなっていてイタリア・ベニスの建物のようです。

こんな素敵な建物が回廊になっていて延々と続きます。海産物や漢方薬、お茶の問屋街となっていて小正月まえには食料品を買いに来るひとたちでにぎわいます。

階下のお店はこんな感じ。住居は階上になっていたり、中庭がありウナギの寝床のように奥につながっているところもあります。

竹細工で有名な雑貨屋さん。見だしたら欲しくなるものばかりなのであえて店先だけ。

建物の老朽化や空き店舗が多くなりさびれていた回廊を若者がお洒落なカフェや雑貨店にして再生する新しい動きが、注目されています。

再生された回廊です。

老朽化して朽ちていた煉瓦の回廊と二階建ての店舗を行政と建築事務所のコラボで再生した事例です。

同じ通りの別の建物ですが中庭があり、プチホテルやレストランに再生されています。

日本食のお店もありました。

u-book というお店。レーザープリンターでスタンプや多様なもの、アルバムの装丁などをしてくれます。古いビルを再生した建物の一室で営業しています。

こちらも古いビルの1階にある「1920」という本屋さん。ここに来たくてやっとたどり着きました。香港、台湾、日本、アメリカ、上海、北京、国にかかわらず1920年代の風俗、文化をテーマに本、DVD、ポスター、CDなどを販売しています。活版印刷の名刺なども人気です。
京都の個性的な本屋さんを特集した単行本や、台湾の職人工房を紹介している本など面白いものがたくさん。

極め付け!1920年代の建物が残る街を1920年代の服装で歩こうという企画です。「変装遊行」って面白いタイトルです。
川越をきものでお散歩、と同じ趣旨ですね。建物と人が同じ時代を楽しむことは、まちを楽しむ要素のひとつですね。
翌日は日本統治時代の専売公社のたばこ工場を再生した、松山文化創造地区を訪れ、ますます台北の面白さにはまっていきます。(つづく)

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