
埼玉県立歴史と民俗の博物館の講堂にて10月13日に行われた「銘仙おしゃれトーク」約70人のきもの愛好家が参加されました。 主催:埼玉県

銘仙1600枚を集めた木村和恵さん。銘仙を毎日着続けて肌感覚で産地の違いもわかるといいます。「銘仙語り部」として銘仙を作った当時のひとの思いを語り継ぐことが自分の使命、と仰います。お母様も秩父銘仙を織っていました。

今は残念ながらもう出来ない技術の秩父銘仙をお召しの木村さん。フジイとは20年前に出会い、秩父織物や絹市のことなどを教えていただきました。NPO活動でも大先輩で、秩父銘仙館の保存運動のきっかけを作られた方でもあります。川越織物市場の保存運動や講演会、秩父町歩きなどでお世話になっています。

十文字学園女子大学のシーラクリフ教授。きものの社会学を研究されています。
ファッションと呼ぶにはその定義があるとのこと。
以下当日フジイが作成したスライドより。

シーラさんの著書より。
経済システム(メーカー・問屋・販売店など)、流行がある、機能性より審美性、見た目。
集団性がありつつ、個性をだせること。
民族衣装はファッションの域には入らないのかも。今回は第1回目の導入の会。NPO川越きもの散歩の講座として「西洋のファッションときもの」をテーマにシーラさんに今後伺う機会をもちたいと思います。

テレビでも戦前の女学生のおしゃれなきものとして話題になりました。

秩父銘仙の移りかわり。
きものにどうやって模様・柄をつけるか、それが大きな課題でした。銘仙に限らずに大まかに時代をだどると、桃山時代の辻が花などの絞り→手描き友禅→大量にするには型染やほぐし捺染→シルクスクリーン→インクジェットプリントへ。
伊勢崎織物組合で頂いた伊勢崎銘仙のデータベース。モダンでポップな銘仙といえば、やはり伊勢崎、足利なのです。秩父は玉虫色や花模様など自然描写が多い。八王子は地模様が紋織など、ネクタイに引き継がれていく技術が使われているなど、5大産地それぞれの特色が戦前の織物にはあったそうです。
銘仙はジーンズみたいなもの、というシーラさん。1億反売れて、みんなが着ていたということを
現代に例えればUNIQLOフリースかも。

きものの世界で銘仙現象を今に例えれば、やはり「ゆかた」。若い女性がデザインを面白がり、
価格も手ごろ。買える場所もデパートやヨーカドーなど。

きものは包む衣装、「あなたの中身、品格が表にあらわれます。自分磨きをしましょうね」
という木村さんの言葉で締めとなりました。銘仙スピリットってなんだろう、「斬新、庶民的、まねをしない」は私が銘仙から学んだこと。
伝統工芸品としての銘仙を考えることはまた次の課題になりそうです。

銘仙についてもっと知りたくなったら、秩父市の銘仙館におでかけください。
また、今年の秩父祭り12月3日には秩父買い継ぎ商長屋にて、木村和恵さんたちが「絹市」を開催します。秩父祭りはお蚕祭りとも言われたお祭、タンスの銘仙を着てお出かけしてみませんか。

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