浜松町にあるJR東日本アートセンター自由劇場へ。劇団四季の設立50年を記念して、新劇専用の劇場として作られた劇場です。周辺は再開発地域なのか工事中。

昨年いろんなご縁がつながり上海の豊田紡織やジャーディンマセソンなど生糸貿易、川越出身の画家の上海滞在などの調査で上海に2回ほど旅行。
上海のホテルや劇場の歴史をたどると李香蘭の名前が至る所にでてきます。住んでいたホテルや軍事裁判に召喚され軟禁されていたアパートも当時のまま残っているのです。そのような経緯もあり、自伝を読んだらそのあまりの数奇な運命に驚くことばかり。戦後はイサムノグチとも結婚しています。

まるで映画のようなドラマチックな半生を綴った自伝。日本が中国に作り支配した満洲国というものも考えさせられます。

初演から27年という主演の野村玲子さん。演出家・浅利慶太氏のパートナーでもあります。
ロビーは劇場の顔。非日常の空間をどれだけ盛り上げててくれるか、これから始まる舞台への期待をふくらませる社交場でもあります。ロンドンの劇場はワインバーの併設が当たりまえ。楽屋にも関係者用のバーがあります。

華やかなロビー回りがうれしい。

ロビーの賑わいを入り口で見ていた企画演出、劇団四季創設者85歳の浅利慶太氏。ミュージカル「李香蘭」のテーマは「以徳報怨」といいます。川島芳子のように処刑の可能性もあった李香蘭がなぜ無罪釈放になったのか。「恨みをはらすのに徳をもってなす」というアジアのモラルがあったことをテーマにしています。そして若い俳優たちにもかつて同じ年頃の若者が、戦地に行った時代があったことを知ってほしいという。

満洲に沈む夕陽とコーリャン畑。

浅利慶太氏の大叔父が二代目左団次とは。父上は明治時代日本の新劇の黎明、小山内薫とともに築地小劇場を立ち上げた浅利鶴雄とのこと。慶応大学の学生時代から演劇活動始めたそうですが
新劇の系譜のうえに日本の翻訳ミュージカルを築いたということですね。「李香蘭」は浅利氏のオリジナル脚本、昭和3部作のひとつだそうですが、他の2つも気になります。
演劇を表す「ブドウ」のモチーフが劇場の装飾のあちらこちらに。築地小劇場のレリーフにもなっていました。
4月22日まで。当日券もあります。

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