ジプシー・キャラバン
http://www.uplink.co.jp/gypsycaravan/
一応映画のジャンルに入れているが、音楽にしようかとまよった。
1月の末に、渋谷で見たこの映画は、世界各地で有名なロマの音楽集団の北米ツアーのドキュメンタリー映画である。
だれかが書いていたのだが、「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のロマ版だと書いていたが、たしかにそうかもしれない。
昔はジプシーとよばれ、今はロマと呼ばれることが多い彼らのルーツは北インドだという。そこから西に向かったロマの民は音楽をなりわいとして、各地に流れていった。 スペインのフラメンコはロマに源流を持つ。特にヒターノ(スペインのロマ)のフラメンコは肺腑を衝くといってもいいほどである。 流浪の民である彼らは各地で差別と迫害を受けてきた。
ユダヤ人と同じようにナチスの大虐殺の対象になったのである。
ロマは放浪の途中で各地でとどまったので、映画のロマたちも、マケドニアだったり、ルーマニアだったり、インドだったり、スペインだったりする。 そのそれぞれが魂の叫びを自らの音楽に乗せて吐露している。 素晴らしかった。
どのグループもすごい。 そらが北米をツアーする。 それがまた面白い。
実は北米にもロマがいる。 ヨーロッパから移民でやってきたのだ。 やはりアメリカでも差別をうけているようだ。
このツアーをやっているロマの人々は自分がロマであることにものすごく誇りをもっている。
彼らは迫害こそうけたが、自ら侵略したこともなければ戦争をしたことの無い民なのだ。
百聞は一見にしかず、ぜひ見られたらいい。
私はまよわずサントラ盤を買った。左上がそれ。
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実はロマの音楽を聴くのは初めてではない。 やはり映画から入ったのだが トニー・ガトリフ(彼もロマ)監督の「ガッジョ・ディーロ」が最初だったとおもう。 ガッジョはロマ語で(非ロマ)のことだが、その映画で演奏されていたルーマニア・ロマの音楽が衝撃的だった。 そのときもサントラを買った。
そして同じく、ガトリフのVENGO。
これはロマの音楽がどうながれてフラメンコになっていったのかを探るドキュメンタリー。
そのときにロマが中東にも流れていったと知ったし、ヒターノのフラメンコはこれまで知っていたフラメンコなぞとは比べ物にならないくらい迫力があるということも教えられた。
そして、その次が 「炎のジプシー・ブラス」
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?morephoto=ON&oid=4823
と言う映画だった。
これはルーマニアの金管楽器をスペシャリティーとするバンドであり、ジプシー・キャラバンでも出演している。 この映画は ファンファーレ・チョカリ−ナ と言う名の世界最速ブラスが世界を回る映画である。実際に日本に来たときの様子も入っているが、そのテクニックは楽器と一緒に生まれてきたとしかいいようがない。
そして今回、といずれも見てよかったと思うものばかりだった。
今やってないものはDVDでも借りてご堪能ください。

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