昨日、職場から電話があり(私は仕事お休みの日)
「ポチちゃんが亡くなったそうです」と言われました。
ポチという女の子。雑種ですが、シェルティーと芝のミックスとか。
とってもいい子でした。
ある日腹水が貯まり始め、血液検査の結果貧血が見られました。
検査に限界を感じ、試験開腹しましょうかとお伝えしましたが 飼い主さんが拒否しました。
拒否したといっても頑なに拒んだのではなく、腫瘍性のもので治る見込みがないのなら
辛い思いをさせたくないとのこと。
可能性としてはリンパ腫か他の腫瘍性のものって感じでしたがあくまで仮定であって
ホントはなんだかわかりませんでした。
腹水中にリンパ球がたくさん出現していたし、リンパ腫の可能性が 一番強かったのですが、
飼い主さんは血液検査も 「もうしなくていいです」というようになり、ただただ
腹水だけを抜く治療を選択されました。
エコーで腹水部分を確認して抜くわけですが、仰向けになっても誰か支えなくても
じっとしているくらいいい子でした。
ただすごく震えてはいましたが…
1週間ごとくらいに腹水がたまり、その都度抜きにきたのですがいつも病院には
しっぽを振って入ってきました。
腹水を抜いている間はひたすら恐怖心や痛み(刺す時の?)に耐え、終わるとスタッフに
しっぽを振って喜んで帰っていく子でした。
最後に腹水を抜いた先週のある日、もはやすっかりやせ衰えてカリカリになっていたポチちゃん。
それでも一生懸命診察台の上で仰向けになって頑張っていました。
下あごの骨関節が触診できるくらいやせてしまい、なんとも痛々しい…
精査を断られた日からステロイドだけ処方していたのですが、そのせいか元々なのか
食欲だけは最後まで落ちなかったようでした。
スタッフから電話をもらって、折り返し携帯からポチちゃんの家族に電話をしました。
病院と名前を名乗るとお母さんが「先生、本当にありがとうございました」とおっしゃってくれました。
「覚悟はしていたけど…やっぱりできていなかったようで…やっぱりちょっと早かったかな」
とおっしゃったあと涙声になられ、私も思わず涙ぐんでしまいました。
「先生にお会いできて、本当によかったです。ありがとうございました」
といわれた時、ただ腹水しか抜いていない自分に感謝されていることに胸を締め付けられる思いでした。
もっと何かできたのでは。あるいは誤診ではなかったのか…
助かる方法はあったんじゃないかとか。
けど検査を希望されなかったのだから仕方ないのだけど…
でも、でも…と。
自分がとっても情けなく無力だと感じました。
ねえ、レディ。
レディは母ちゃんのこと、どう思う?
母ちゃんレディには未だに思い出して後悔することあるよ。
治療ではなく、日常的なことでだけどね‥
ポチちゃんと仲良くしてね。
何か言ってたら教えてね。
ポチちゃんは最高にいい犬だったよ。いい家族に囲まれて幸せいっぱいの子でした。
辛い治療に耐えて本当に偉かったね。
ゆっくり休んでね。

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