ただただ驚きでした。レッド・プリースト(赤毛の司祭という意味で、ヴィヴァルディのあだ名だったそうです)というイギリスの4重奏団のコンサートを聴いての感想です。
このグループのことは全く知らず、白紙の状態で聴いてまいりました。リコーダー、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロのたった4人で、ヴィヴァルディの「四季」を、演奏し、演ずるのです。
たった1本のリコーダーが(もちろん数本を使い分けての演奏ですが)、原曲での第1ヴァイオリン・プラス・アルファの役割を果たすのです。その技巧は、正に神業でした。ヴァイオリンでさえ演奏の難しい、高い技巧の要求される難曲のはずですが、それをリコーダーで演奏するのです。もちろんヴァイオリンのパートを演奏するだけではなく、リコーダーのための四季にしてしまっているのです。
私はリコーダーを主体に聴いてきましたので、リコーダーの輝きだけで十分満足なのですが、言うまでもなく他の3人も優れた演奏家です。全く違った個性を調和させた見事なアンサンブルで、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロを好きな方々も、アンサンブル全体を聴く方々も、私と同じように満足されたものと思います。
人の技によって、たった1管の笛が、無限の響きを響かせてくれました。木の葉なら、一葉無限ですが、リコーダーには、どんな賛辞が似合うのでしょうか?

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