新宿での草笛仲間のOさんから、嬉しい便りがありました。そのままご紹介させていただきます。
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「ローレライで草笛を吹く」
私が中学で音楽を習ったのは I先生
「ローレライ」という曲を階名で歌う指導を受けた
♪ソソラソ ドシラソーファ ファミーミミレドミ♪ すぐに唇に出てくる
「現地で歌えたら」いつしか長年の夢となった それが遂に実現した
旅の最終日 最新鋭の大型観光船でライン下りを楽しんだ
ガラス張りの船内 ビールでランチ まさに動くレストラン
船が岸壁の下にさしかかる手前で ドイツ人観光グループの
男声コーラスに合わせ 草笛の音を響かすことができた
屋上の展望階に出て 日本から持参した草の葉で音だしを始めた
すると「おいおい お前さん」と声がかかる
見上げると 目の前に大男が立ちはだかる
「まだ早いよ ローレライは大分先さ」
「いや その前にリハーサルを始めたところなんです」と釈明する
事情を察したこの男 「ローレライの100m手前から歌を始めようじゃないか」
そう言い置いて仲間のもとへ戻っていった
そして彼らも声をひそめてリハーサルを開始 軽く振る手首が実に小気味いい
今年は例年になく川の水量が少なく 浅瀬を避けて慎重に進むので 船は遅い
まもなく 旅行グループの一団10数名が 円陣を組み始める
その中心にあの大男がいる 彼の振る手先タクトを合図に歌声が流れる
重低音の響く見事なコーラス 思わず聞きほれたくなるほどだ
出鼻をくじかれ慌てた私だが 気を取り直してピーピーやり始める
そのうちに なんとか曲に合ってくる
素晴らしい男声コーラスに お邪魔虫がチョッカイを出したに過ぎないのだが
やがて歌声が消え 円陣が解ける
すると この時を待っていたかのように 観光船のスピーカーからローレライの解説アナウンスが始まる
見事なタイミングであった
私は彼のところに駆け寄り 笑顔で握手をかわし喜びを爆発させた
まもなく着岸 私は気分よく 待機していたバスに乗り込んだ
隣のバスに 彼の率いるパーティーが乗車する姿が見えた
彼は何度となく乗船し 何もかも知っており 遠来の客へサービスしてくれたのかもしれなかった
旅の終盤 私にとっては忘れがたい体験の出来た ライン下りとなった
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30年前にローレライの側を車で通ったLeafmanであるが、この便りで、急に「船で」行きたい、しかもスパティフィラム持参で、という思いが湧き上がって来ました。何時できるのでしょうか?

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