一葉無限・・・草笛の世界

早速に、山形の草（かや）さまから、１句ならぬ２首を、コメントとともにお送りいただきました。


　　ひなたにてまなこをとづる猿のごと上枝にゆきはまるくのこれり

今年二月の348号線沿いの景色です。


　　星の宿りまぢかに見ゆと三人してあふぎたりけり停電の夜

あの大地震の夜、まだ被害の大きさをわからずに居た静かな時間を思い出します。



静岡の富地蔵さまからも、お寄せいただきました。

　　向日葵の　思いつくまま　五七五

　　ありがたや　句も草笛も　絆かな


そのまま、Ｌｅａｆｍａｎの実感でもあります。皆様もお寄せください。コメントもお待ちしております。淋しい「一葉」が、輝きます。

７月７日、七夕さまです。

　　　織姫と　彦星がおわして　大宇宙

短冊に七夕の願いを書いたのは、いつごろなのでしょう？　かなった記憶は、さらに遠く過ぎ去ったようです。

しばらく俗界から離れるということで、子規の「句めくり」を持参しました。パラパラめくっている内に１日が過ぎてゆきました。

その中で、衝撃の句に出会いました。７月１５日の句です。

　　　夏痩（なつやせ）の骨にとどまる命かな　　（明治２８年）

子規が亡くなる５年ほど前の作で、すでに自分の定めを見つめ、自分の姿にそれを見ていたことを、こんなにはっきり教えてくれる句は、他にないのではないでしょうか？

のんびりのleafmanは、こんな凄い句を横に見ながら、１日１句を目指しました。

短期の転地療法のつもりが、まるまる１月の入院生活になってしまいました。６月２９日入院、７月２８日退院という予期せぬ７月（文月）の経過となりました。

薬を変えても、感染症にかかったりしないように管理を強める必要がある、ということで、入院・治療が始りましたが、薬の血中濃度が期待のように上がらず、長期の加療となりました。病気の方は、病院と先生におまかせなのですが、身体も心も予期せぬ展開となり、皆様にご無礼してしまいました。

病院では、もっぱら子規の「句めくり」をめくり、退屈をまぎらしました。できたら１日１句、五七五をまとめよ、と自分に命じました。

　　五七五　一日一句　四苦八苦

あっという間の１月でした。こんなに短い１月は、初めての体験でした。俳句のせいではなく、ぼんやりした意識のせいであることは、明らかです。

嬉しい驚きです。富地蔵さんが知らせて下さいました。Ｌｅａｆｍａｎの俳句が、ＮＨＫ俳句、兼題「草笛」で、佳作に選ばれたのです。

放映の時からかなりな時間が過ぎておりますので、すっかり忘れておりました。

急いで、テキスト「ＮＨＫ俳句７月号」を求め、見ましたら、その７７ページに出ておりました。

　　アヴェマリア遠くかすかに草の笛

選者にとっては、歌曲と草笛の取り合わせが面白くみえたのでしょうか？　俳句の得意な方の感想・分析を伺いたいものです。

いずれにしましても、全国版に自分の名前を印刷してもらえたのですから、特筆すべき「慶事」と受け止めております。応援して下さった、富地蔵さん、楽人さん、はっちゃんさん、ありがとうございました。

松山に旅行した娘夫婦が、父の日のプレゼントに、正岡子規の俳句を一日一句掲載した「日めくり」（商品名「句めくり」）を、お土産に持って来てくれました。今年は既に半年過ぎておりますが、嬉しい贈り物でした。

ちなみに、１月１日の句は、

　　恭賀新嬉一月一日日野昇（きょうがしんきいちがつついたちひののぼる）

今日６月２０日の句は、

　　紫陽花の何に変わるぞ色の順（あじさいのなににかわるぞいろのじゅん）

ということで、毎日が楽しみになりました。

それにしても、松山市立子規記念博物館の説明では「句めくり」は７年目になるということで、子規が如何に多作であったかを教えててくれております。分野に関係なく、天才はすべて多作であることが分かります。

Ｌｅａｆｍａｎもあやかって日に一句でも作れればと思いますが、一日一句ではなく、一日一苦になりそうです。一苦でもできればたいしたものですが・・・

　　

ＮＨＫ俳句のご紹介をしましたら、小中学校の同級生のＫ君が、朝日新聞掲載の２句を知らせてくれました。

　　恋に敗れて　草笛を　ふきしこと　（東京　理恵）
　　　　　　　　　　　　　　　（６月１１日　朝日俳壇）
　　草笛の　後姿に　近づけず　（豊後大町　良子）（同）

今日の日経俳壇にも１句掲載されておりました。

　　夫の吹く　草笛の音　よく続く　（神戸　伴子）
　　　　　　　　　　　　　　　（６月１９日　日経俳壇）

俳句の対象になるだけ、草笛が色々な場で吹かれていることの証明になろうかと思います。句の良し悪しはLeafmanの力を超えますので、ノーコメントですが、このような作品が更に増えることを念じます。

「草笛」という題であっても、関係者が思い浮かべるものは、かなり食い違いがあるようです。広く知られているのは、「すずめの鉄砲」のような茎を吹くもので、いわば「野の遊び」です。Ｌｅａｆｍａｎ達のメロディ主体の遊びとは別の世界で、俳句の世界では、あまり知られていないのかもしれません。

富地蔵さん、楽人さん、はっちゃんさんの名句も、選に入ることはできませんでした。もちろんＬｅａｆｍａｎのも・・・

　　草笛や　吹き吹き渡れ　千の風（富地蔵）

　　草笛を　ぼんやり吹けば　よはふけず（楽人）

　　ウグイスの　鳴き声まねる　葉笛の音（はっちゃん）

　　たわむれに　吹いて哀しき　草の笛（Ｌｅａfman)

　　アヴェマリア　遠くかすかに　草の笛（同）

　　草笛を　吹き終えて　友　旅立てり（同）

同じ団地内ですが、このたび引っ越しをしました。エレベーター付きの棟への転居です。

これまで３階でしたが、のぼるのが困難になり、エレベーターのある高層棟に移りました。最上階の１１Ｆで、これまでとは全く違った景色です。

これまで見上げておりました俗称「おっぱい山」も、見おろすようになりました

近隣の団地の緑が豊かです

新しい気持ちで毎日を過ごせたらと願いつつの転居です。

朝の６時半に起きて、ＮＨＫの「俳句」を見ました。残念ながら、Ｌｅａｆｍａｎのも、親しい方々のお名前も出てきませんでした。





Ｌｅａｆｍａｎは３句投稿いたしました。

　　たわむれに　吹いて哀しき　草の笛
　　アヴェマリア　遠くかすかに　草の笛
　　草笛を　吹き終えて　友　旅立てり

次の句は、富地蔵さんの作品です。

　　草笛や　吹き吹き渡れ　千の風

皆様のもお知らせいただけましたら幸いです。

魔の３月１１日から早や５０日が過ぎてしまいました。問題の深さが明らかにはなっても、解決の方向が定まらない感じです。

遅れて咲き始めた桜も静かに散りゆき、花みずきに席を譲っております。ピンク系の今年の花みずきは、とても色が濃く、鮮やかに見えます。長く寒い冬で、色が蓄積されたのでしょうか。




花みずき　色濃き年は　悲しみも

東日本大震災の凄さが、日を追えば更にはっきりしてくるようです。そのような中、避難生活を続けながら、「一日一笑、がんばろう」と皆を励ましている姿が報道されていました。

なかなか元気のでなかったＬｅａｆｍａｎにとりまして、この「一日一笑」は、大きな、大きな励ましとなって身体に響きました。

「一笑」を探し出し、日記に書き残すようにしました。妻との言い争いなども、「笑い」で整理できるようになりそうです。

「一日一笑、一生ニコニコ」がＬｅａｆｍａｎの願いです。

いざ「俳句」となると、なかなか出てこないものですネ。五七五から俳句になるまでは、無限の距離があるようです。一葉無限を五七五無限と書き換えなければなりません。

「草笛」で思い出すのは、やはり島崎藤村の「千曲川旅情の歌」でしょうか。草笛に関わる者としては本来そらんじていなければならないところですが、「読み直して」みました。


＊＊＊＊＊

小諸なる古城のほとり　
雲白く遊子（いうし）悲しむ
緑なす繁（はこべ）は萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの衾（ふすま）の岡邊
日に溶けて淡雪流る

あたゝかき光はあれど
野に滿つる香（かをり）も知らず
淺くのみ春は霞みて
麥の色わづかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ

暮れ行けば淺間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む

＊＊＊＊＊

これに加えて草笛の何をうたえば良いのでしょうか？　疑問をもちつつ、トライしております。

また、藤村が実際に聞いた草笛の音色は、どんなものだったのでしょうか？　子供らが吹いていた麦笛、というのが、Ｌｅａｆｍａｎの推測ですが・・・

時々ですが、「ＮＨＫ俳句」を見ていますが、今月の兼題が「草笛」で、締め切りが４月２０日です。一句ものにして、投句できたらと思います。皆様も是非！

募集の要領は下記のとおりです。

はがき１枚に１句書いてください。別の句であれば二枚以上投稿されてもかまいませんが、精選しての投稿をお勧めいたします。
文字は楷書で、難読語、特殊な読みの語には、ふりがなをつけてください。
作品は未発表のものに限ります。新聞、雑誌等の投稿欄に投稿された作品はご遠慮ください。必ず自分の作品を投稿してください。類似句・盗作句の場合、テキストへの掲載を取り消すことがあります。
投稿作品及び個人にかかわる情報が、番組および、テキスト「ＮＨＫ俳句」を作る目的以外に使われることはありません。
お送りいただいた作品は返却いたしません。


送り先：〒150-8001　NHK「NHK俳句」係（住所は不要）
住所、名前（ふりがな）、年齢、電話番号を明記してください。
ご希望の選者を指定してください。 「草笛」の選者は大石悦子さんです。

長い、長い冬から、ようやく桜の季節になったのでしょうか。４月になっても暖かさが感じられず、炬燵にもぐりこんでおりましたが、ここ数日で、桜が開花し始めました。今度の週末は、天気が良ければ、「花見」で賑わうはずですが、雨模様で、また大震災からの「自粛」とで、どうなりましょうか？





近くを流れる乞田川の両岸は、桜並木です。「花見」の賑わいが似会うのですが・・・