全集第27巻P489〜
朝の祈祷
3月11日大手町において行ったもの
大正12年(1923年)4月10日
「聖書之研究」273号
◎ 天の高きに在(いま)すと同時に、すべて謙遜(へりくだ)る者の心に宿り給う真(まこと)の神様、御恩恵(みめぐみ)により、また過ぎる週間も無事に終わることができ、ここにまた新しい週間を迎えて、毎週(いつも)の通り、愛する兄弟姉妹と共に、ここに貴神(あなた)の御前に集うことが出来て、ありがたく存じ奉ります。
貴神の御手に導かれて日々を送ることは、まことに福祉(さいわい)です。この世の多くの人々が、神なくキリストなく、無窮(かぎりな)き生命をいただく希望なしに、その一生を送りつつあるのを見まして、私ども貴神に頼り、貴神を父様として日々に生きる幸福が、どれほど大きいかを思わざるを得ません。
ここに重ねて貴神の大きな御恩恵について御礼を申し上げます。
◎ 願わくは今日もまた、毎時(いつも)の通り貴神の御恩恵を垂れ給え。今日もまた我等の心を開き、その内に貴い福音の真理を注ぎ給え。これは人の知恵を以てしては、とうてい測り知ることの出来ないものであります。
貴神御自身が、私達各自の霊に臨み、これを教え導くのでなければ、私達はたとえ福音の内に浸されていても、これを我が有(もの)とすることが出来ません。
願わくは天の父様、今日私どもが語りまた聴くところの聖語(みことば)を祝し給いて、私どもをこれによって覚め、真(まこと)の生命(いのち)に生きることが出来るよう、私どもの弱きを助け給え。
願わくは聖語(みことば)が鋭い刃(やいば)のように私どもの心に臨み、私どもに自分の罪を知らしめ、また貴神によってこれを赦され、潔(きよ)められ、新たに生きる道を示し給え。
◎ 願わくは今日、世界万国いずれの所に在っても、すべて真(まこと)の心を以て貴神を探り求め、また貴神の聖旨(みこころ)を伝える者の上に、貴神の御導きと御祝福とを加え給え。
全世界は、今や暗黒(くらやみ)の内にあります。願わくは貴神(あなた)の無窮(かぎりな)き愛を以てこれを包み、これを化して貴神の御子イエス・キリストの国と成し給え。
貴神は貴神の造り給いし物を軽視(かろし)め給わず。私どもは、貴神の造り給いしこの世界が、貴神の御力により、御栄(みさかえ)を顕(あらわ)す器(うつわ)となることを信じて疑いません。願わくは、その福(さいわ)いな時を早め給え。
◎ 願わくは我等の愛するこの日本国を恵み給え。また近頃これに併(あわ)せられた台湾と朝鮮とを恵み給え。樺太と千島と、これに住む憐れな土人を恵み給え。
隣邦の支那を恵み給え。その民に平和と一致とを与え給え。インドを恵み給え。南洋諸島を恵み給え。満州と蒙古とシベリヤを恵み給え。アジア全体が主イエス・キリストを救主として仰ぐに至るその日を早め給え。
そして我等各自、小にして数えるに足らぬ者でありますが、貴神の子として称(よ)ばれる以上、貴神の聖旨(みこころ)を我が心とし、我等の能力相応に貴神の大なる聖業(みしごと)に参与し奉ることを許し給え。
また私どもを憎む人、誹(そし)り罵(ののし)り嘲(あざけ)る人を恵み給え。彼等の罪を赦し、彼等がまた一日も早く私どもと共に、貴神の聖名(みな)を讃美し奉る、その幸福な時を迎えるに至らしめ給え。
◎ この恵まれた集会(あつまり)を始めるに当たり、我等のこの感謝と切なる願いとを、私達の罪の贖(あがない)主イエス・キリストの聖名(みな)によって受け入れ給え。アーメン。
完