バンクーバー・オリンピック、女子カーリングは予選敗退が決まりましたが、中継の中で解説の小林さんがチーム青森の財政事情に言及していました。カーリングはお金がかかるため、今回のオリンピック前に初めて海外遠征を行えたとのこと。そうした不利な状況の中でランキング上位の国とここまで渡り合えたのは快挙と言えるのではないでしょうか? カーリングは競技生命の長いようなので、スキップの目黒さん始めチーム青森の皆さんを長い目でこれからも応援していきたいと思います。
さて、ポール・オースターの'04年に刊行されたエッセイ集「トゥルー・ストーリーズ」を読みました。
「赤いノートブック」は、著者が体験したり聞いたりした偶然の一致の話。
「なぜ書くか」は、偶然の一致の話を中心とした忘れられないエピソード。
「その日暮らし―若き日の失敗の記録」は、著者が生まれてから30代前半までの半生。
「事故報告」は、偶然の一致の挿話3つ。
「スイングしなけりゃ意味がない」も、偶然の一致の挿話3つ。
「折々の文章」は、チャールズ・レズニコフから受けた温情、サルマン・ラジュディを讃える文章、ニューヨークでうまく暮らしていく4つの方法、ムミア・アブ=ジャマルの助命をペンシルヴェニア州知事に嘆願するスピーチ、ピエール・クラストルの翻訳本のあとがき、サッカーが戦争の代替物になっているという話、ホームレス排除に反対する文章、9・11に関する覚書、ブッシュに反対するニューヨークの民主主義の話、ニューヨークの多様性に関する文章を含んでいます。
現実に起こった不思議な話のオンパレードですが、事実ということがかえって嘘くさく思えてしまうのはどうしてなのでしょうか? しかし、最後のニューヨークのリベラルぶりには深く共感しました。オースターの小説の面白さを期待して読むと裏切られた思いに襲われるかもしれませんが、単に読み物として読めば十分楽しめると思います。オススメです。

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