増村保造監督・共同脚本の'69年作品『女体』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
大学の理事長(小沢栄太郎)に面会を申し入れ、控え室で待っている間ジャズに合わせて珍妙な踊りをするミチ(浅丘ルリ子)。理事長の秘書の石堂(岡田英次)は理事長には会えないと言うと、ミチは理事長の息子のユキオに強姦されたので二百万ほしいと言います。理事長の娘で石堂の妻でもあるアキエ(岸田今日子)は死んだママに代わってユキオは自分が育てたので、ユキオは普通の子だと言い、私が解決すると言います。
ウエイトレスのミチは体がだるいと言って仕事をさぼり、夜遊びが過ぎるからだと、彼女に5万も小遣いをやっている主人に言われます。そこへ石堂がやって来て、あなたの希望通り金は出すが、アキエには黙っていてほしいと言います。ミチに面会したアキエは百万しか出す気はなく、男に体を任せて強請る女もいるからとミチに言います。頭からズベ公と決めてかかられ許せないと言うミチ。
喫茶店で石堂はミチに二百万を渡すと、ミチは彼を強引に誘惑しますが、ホテルのベッドに彼女を放り投げて帰ります。石堂が帰宅すると妹のユキコが婚約者の秋月と来ていました。戦争で両親を失い、その後も貧乏生活が続き、5人の兄弟のうち残ったのは自分とユキコだけだと言う石堂は、秋月にユキコを幸せにしてあげてほしいと言います。
理事長は裏口入学で手に入れた二千八百万円を石堂の口座に入れておいてほしいと言います。ミチは大学に石堂を訪ね、ここでは困ると石堂が言うと、じゃあこの前のホテルで待ってると言って去ります。ホテルに現れた石堂を誘惑するミチ。抵抗していた石堂も、結局彼女を抱いてしまいます。ミチは石堂の自宅にも現れ、石堂が自分を抱いたことをアキエに伝えます。私は侮辱されるような女じゃないと言って去るミチ。石堂は一度だけとミチに頼まれたと言い訳し、アキエは「では2度と繰り返さないと約束して」と言います。
ミチが働いていた食堂を訪ねた石堂は、彼女はマンションに移ったと聞きます。いいかげんな女だと言う主人。そこを石堂が訪ねると、ミチはもらった金でマンションを借りたと言い、「なぜ僕を抱いた? なぜ妻に話した?」と石堂が尋ねると、奥から男(川津祐介)が出てきます。昔の恋人のゴローで、勝手に押しかけてきて時々寝ると言い訳するミチ。ミチとはもう2度と会わないでくれとゴローに言って石堂が去ると、5万ばかり貸してくれとミチに力づくで迫るゴロー。「大嫌い、出てって!」と言うミチ。
「あなた、私がお嫌いになったの? この頃夜全然」と石堂に言うアキエ。「いつまでも愛したい。子供ができたらいいのに」とアキエが言うと、ミチがまた訪ねてきて「飲んでたら急に会いたくなったの」と言います。「ここには女房もいる。恋人もいるんだろ。速く帰ってくれ」と石堂が言うと、「私が嫌いになったの? そう、さようなら」とミチは去ります。石堂はミチの部屋を訪ね、ゴローのことを尋ねると、絵描きだったが、今はいつも遊び回ってる、あんな男でもいないと寂しいと言います。石堂はゴローにミチと別れてくれと五百万を渡します。
しばらくして自宅にミチから電話があり、ゴローが来てると聞いた石堂はミチの部屋に急行すると、ゴローはミチと別れるつもりはない、この前はからかっただけだと言い、2人は揉み合いになって、はずみでゴローは死んでしまいます。警察に自首すると言う石堂は、ミチに理事長から預かっている裏金も渡すと、ミチはいつまでも待ってると言います。拘置所にいる間、毎日ミチは差し入れに来て、保釈になった時もユキエと秋月の前に現れます。石堂は理事長に秘書を辞めた上で、お嬢さんすぎるアキエと離婚させてくれと言い、理事長が反対すると、「許して頂かなくて結構です。裏金はいただき、当面の生活に当てさせてもらいます」と言います。人のために苦労ばかりしてきたが、これからは自分の好きなことをすると言う石堂。
ミチの部屋に石堂が行き、離婚の話を聞くとミチは「夢が本当になるのね」と言い、自分のことをさんざん卑下した後に、手頃なバーを買うと言い出します。アキエはユキコに石堂とは一生離婚しないと言い、ユキコと秋月がバーの様子を見に行くと、ミチは客あしらいが悪く、ミチはミチにからむ客を帰してくれた秋月に礼を言い、今度は彼を誘惑し、今度は一人で来てね、と言います。(明日へ続きます‥‥)

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