今日は、ミシェル・ルグランが『シェルブールの雨傘』の作曲を始めてから、ちょうど60年目にあたる日です。改めて、彼の業績に敬意を表そうと思います。
さて、先日、「あつぎのえいがかんkiki」でエリック・ロメール監督・脚本・台詞、ネストール・アルメンドロス撮影の1970年作品『クレールの膝』を再見しました。
ムック本「WAVE 35 エリック・ロメール」から「ストーリー」を一部修正して転載させていただくと、
「6月29日(月)、ボートでアヌシー湖を飛ばしている35歳の外交官ジェローム(ジャン=クロード・ブリアリ)を、ポン・デ・ザムールの橋の上から、オーロラが見つける。オーロラはジェロームが6年前にブカレストに赴任していた頃の知り合いだ。今はスウェーデンに赴任しているジェロームは、アヌシーにある別荘を売りに来たのだが、パリに住むルーマニア出身の作家オーロラは、湖畔のタロワールにあるヴァルテル夫人の家でヴァカンスを過ごしていると言う。二人はヴァルテル夫人を交え、お茶を飲む。ジェロームより三つ年上の夫人は子供の頃のジェローム一家のことを記憶している。昔話に花を咲かせていると、夫人の死に別れた最初の夫との間の16歳になる娘ローラが学校から帰って来る。夫人は後に再婚したが、その相手とも別れている。
6月30日(火)、ジェロームはオーロラをカタルパ荘に招き、ドン・キホーテの壁画を見せる。ジェロームは、6年前から何度か別れや再会を繰り返してきたリュサンドと結婚することになったと言う。オーロラは、中年の外交官が結婚を目前にして娘と出会うという小説の構想を話し、結末を決めかねていると言う。オーロラによれば、ジェロームのことが好きだと言う。
7月1日(水)、夫人の家で会ったジェロームとオーロラが、話しながら外に出ると、今日からヴァカンスに入ったローラがいる。ローラは、母親の二度目の夫の連れ子だった17歳のクレールが来るのが待ち遠しいと言う。7月2日(
木)、ジェロームはオーロラに、自分が結婚することをローラに言うつもりだと言う。7月3日(金)、夫人の家で昼食を取りながら、ジェロームは自分がもうすぐ結婚する身であることをローラに告げる。現在独身の身であるヴァルテル夫人は、愛がすべてと信じていると言うが、ローラはそれは偽善だと言い、母親に反抗して席を立つ。夫人も車で立ち去った後、ジェロームはローラに母親からの伝言を伝え、今度一緒に山に遊びに行こうと提案する。
7月4日(土)、ジェロームがボートで夫人の家に行くと、ローラは一人きりだ。オーロラはジュネーヴに出かけてしまって留守だと言う。ジェロームはローラをカタルパ荘に誘い、愛について論じ合う。7月5日(日)、ジェロームはヴァルテル夫人の夕食に招かれ、夫人の隣人のデマレ氏を紹介される。7月6日(月)、ジェロームとローラの二人は山に登る。ジェロームがキスしようとするとローラは拒絶する。7月7日(火)、ローラはジェロームに、同年代の男の子は物足りないと言う。7月8日(水)、ボートで夫人の家を訪ねたジェロームは水着姿のクレールに会う。ローラは男友だちのヴァンサンと一緒に出かけたと言う。クレールの恋人ジルが車で現れると、ジェロームはボートで去る。
7月9日(木)、オーロラは、若い男を連れてジュネーヴから帰って来る。彼女はジュネーヴで自分の魅力がまだあることを試すために、若い男をナンパし、6人の男と関係を持ったと言う。7月10日(金)、ローラはヴァンサンとボートに乗って遊んでいる。ジェロームはオーロラに、試しにローラを誘惑してみたが、何も感じなかったと言う。
(明日へ続きます……)

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