神経症状について
色素性乾皮症(Xeroderma Pigmentosum、以下XP)は臨床的にA〜G群とvariantの8群に分類されています。
そのうちA,B,Dの3群は特徴的な皮膚症状のほかに多彩な神経症状を合併することがわかっています。
特に、A群XPは重篤で進行性の中枢神経(大脳、小脳、脊髄)、末梢神経(運動神経、知覚神経)障害を伴います。
幼児期より知的能力が低下し始め、四肢の関節、特に足関節が次第に固く曲げにくくなり(拘縮)、つまずき転びやすくなってきます。
学童期(7歳以上)になると身長、頭囲の伸びが悪くなる(低身長、小頭症)、聴力障害、眼球と手先が細かく震える(眼振、振戦)、言葉が聞き取りにくくなる(構音障害)、座位や起立時のバランスが悪くなる(失調)などの症状が認められるようになります。
思春期(12歳以上)になると喀痰や唾液が出しにくくなり喉に詰まりやすくなる、睡眠中に呼吸が不規則になるなどの呼吸障害、食事の際にむせやすくなる、物が飲み込みにくくなるなどの嚥下障害が認あられます。
これらの一連の神経症状は加齢とともに増悪していきます。
思春期の頃には知的能力の障害は重度になっており、歩行ができず車椅子を使用しなければならない場合が多くなります。
特に呼吸障害、嚥下障害は直接、生命に大きく関わってくる問題で思春期以降(15歳以上)になると気管切開、経管栄養などの治療を考えなければならない時期になってきます。
聴力障害は7歳頃から認められます。
身長の伸びについては8歳頃から停滞を認めます。
全国色素性乾皮症連絡会 公式ホームページ より

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