バタバタしていた週末でございました。それも一段落。
週末、そんなさなか、事前に購入しつつなかなか見る時間のなかった
BRIAN WILSONのDVD版「SMiLE」を見ることができました。
2枚組の1枚目は「SMiLEツアーまでの道のり」的ドキュメント「BEAUTIFUL DREAMER」、そしてもう1枚が「SMiLE」ライヴパフォーマンス全曲、とおまけ、といった内容。ドキュメンタリーはインタビュー(および説明)がいっぱいと聞いていたので国内盤を待ち続けていたのですが、いや〜、国内盤、高いねえ。定価で6900円か。
輸入盤と
国内盤の価格差が3000円弱ありますよ。まあ仕方ないといえば仕方ないけど、ちょっとこの値段で手を出しづらいって人、正直いると思う。翻訳だけで3000円か。きっとそのうち安く出直しになるんだろうけどさ。ポニーキャニオンからリリースになる「FESTIVAL EXPRESS」の値段とかと比べると高いと思うよ、やっぱり。
(ここから先は内容なので買う予定の人は読まないほうがいいかも)
まあそんな値段話はさておき、内容は素晴らしいものでした。エンディングは予測どおりでしたが、それでもやっぱりちょっと涙ぐんじゃったもん。
オリジナル「SMiLE」についての証言はなかなか興味深いものだったなあ。ロック史の中では「狂気のブライアン・ウイルソンが制作途中で精神的に壊れてしまい、発売できなかった幻の名盤」的な扱いをずっとされていたわけですが、今回の証言で、ロック史で言われてきた話は実は必ずしもそうでなかったことが明らかになります。
オリジナルSMILEは制作当初からブライアンが精神的に病んでた訳でもないし、ラリってブッとんで作りはじめたアルバムでもないということ。語られてきた奇行も参加ミュージシャンにレコーディングを楽しませる為に行っていたケースも多かった、と。
制作ストップの件も、した、というより実はせざるを得なかった。それはブライアンがおかしくなってたから、ではなく、ビーチボーイズのイメージからあまりにも遠くなりすぎることを恐れたメンバーとの関係性が大きな要因だった、と語られます。きっぱりと「マイクラブのせい」ってブライアンは言っちゃってますけどね(笑)。でもマイクラブの気持ちもわからないでもない。コンサートでのビーチボーイズと作品の差異があまりに大きいのも問題だもんなあ。ビーチボーイズとしてのライヴであのSMILEの曲を演奏するのはあまりに無理があるでしょうね。
非常にこの新事実、腑に落ちる話なんですよ、オレにとって。常々「SMILE時の狂気」として語られてきたレコーディングエピソードを「いや、レコーディングっていうものは往々にして平時がわかんなくなるものじゃない?」って思ってましたから。別にブライアンじゃなくてもね。
有名なファイア・エレメンツのレコーディング時の映像じゃなく、今回は「Surf's Up」の美しいピアノ弾き語りが当時の映像として大フィーチャーされ(バーンスタインのコメント付でね)ているのも納得。
おまけの映像も思う以上に楽しめますよ。このドキュメントを見た後におまけ映像の「ライヴを見たお客さんの反応」とか、「ライヴを終えたメンバーへの軽いインタビュー」とかを見ると晴れやかな気持ちになれますねえ。
まあ、ホント、値段はともかく思う以上に大充実したDVDでした。オススメできます、ホント。

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