悲しい話がひとつ。
去年、おととしと楽しんだ
HYDE PARK MUSIC FESTIVALの今年の開催が見送られました。本当に残念ですわ。今年は2日間とも行こうと思っていたんですよね。
狭山公園でのんびり芝生に座って見たあれこれのライヴが思い出されるなあ。
中止の理由は去年の負債と資金繰りがつかなかったため、とのこと。上記のHPを見ればわかるのですが、完全に去年の収益、赤です。こればっかりはどうしようもないですね。できることは現在鋭意製作中(とのこと)の2005年ライヴDVDが発売になったら買うということ。この売り上げが再開に向けての足がかりになれば、と。
ま、そんな悲しい話がありつつも、本日渋谷のHMVに行き、溜まったポイントを使ってDVD「
Glastonbury Fayre」を安く購入してまいりました。
この映像、何年か前に某氏に見せていただいたんだけども、当然字幕もないし、とにかく音が悪くてねえー。音はモノラルとはいえ、まあこうしてまともな形で見ることが出来て嬉しいですな。
これは1971年イギリスのグラストンバリーで行われた野外イベントのドキュメンタリー映画です。このグラストンバリー・フェアが現在のグラストンバリー・フェスティバルにつながっていくんだけども、前年仲間内ではじまった軽い音楽祭を出発点に(とはいえ、1回目にもアル・スチュワートとか出てます。ポスターにはキンクスの名前もあるんだけど)、この71年のグラストンバリー・フェアは4日間無料(!)で行われた、とのこと。出演はメラニーとかフェアポート・コンベンションとかアーサー・ブラウンとか、ゴングとか、テリー・リード(デヴィッド・リンドレーがフィーチャリング)とか出演してます。このDVDには収録されてない分でもデヴィッド・ボウイとかホークウインドとかピンク・フェアリーズとかジルベルト・ジルとか出演してた模様(一応出演者リストの中に名前がある。ホントに出たかは不明)。あ、あとは映画の中でもテリー・リードのライヴシーンでフィーチャリングされてますが、リンダ・ルイスも出てました。
さすがに無料イベントだけあって、同時期に開催された他の巨大フェスとかと違い、ヒッピーと主催者側の騒動なんてまったくございませんね。平和ー。1970年のワイト島とえらい違い。1万人超のお客さん(つーかヒッピー)を集めて行われたそうでございます。
無料を貫いたわけは、このイベントの企画者、Andrew KerrとArabella Churchillが「今の(その時期の)ロックフェスは商業主義に毒されている!」という意向があったからなんだけどもね、そのために資金サポートを何人かの賛同者から集めて行ったんだけど…実は
Arabella Churchillって
ウインストン・チャーチルの孫娘なんですよ。まー
大声では言わないけど、ええとこのお嬢ちゃんが企画してるから幾分お金を集めやすかったっちゅーこともあるかも、な(笑)。
で、このイベントの成功で一気にグラストンバリー・フェアは盛り上がったのか?といえば、実はこの71年のイベントはどうやら大成功とは行かなかったようで。何が原因か?
大赤字だったんですわ。まーDVD見てるとね、お金の匂いとかまったくしてないんだもんなあ。さもありなん、という気も。
結局この年から数年間グラストンバリー・フェアは行われていません。難しいものですな。実に難しい、理想と現実の両立は。
で、お金の工面も落ち着き、グラストンバリー・フェアは再スタートし、有料ではあるけれど、現在のグラストンバリー・フェスにつながっていくわけでございます。
でもお金の面で失敗したとはいえ、この71年のイベントの想いは現在にも生きているようで、音楽だけではないあれこれを用意したりしてる部分はきっとこの出発点からあるのでしょう。確かにこのDVDを見てると幸せ笑顔度数が極めて高いんだよね。それはきっと無料だからだけじゃなくて、本気で楽しんでいるからでございましょう。
(
このサイトを見るとUKのフェス関連がいろいろ書いてあって面白いですよー)
HYDE PARK FESも同じようにお金の面で苦労してるご様子ですが、数年待つくらいしましょうや、とGLASTONBURY FAYREを見て思ったりした今夜のフカミでございました。

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