
ラジオを買った。ラジオ専用機だ。
なんでラジオなんか?と思うかもしれないけれど。
どこかに書いたかもしれないが、我が家は地上波TVが入らない。(BSデジタルのみ。BBTVはプロジェクターを使用しないと見られないため、あまり利用しないので解約した)
そして、ラジオも入らない。
とにかく全ての電波が弱い。(まともに使える電波はau携帯くらい?)
北軽井沢でも端の方なので、もう少し国道を上ると(長野県に近づくと)FM軽井沢が入る。
そしてもう少し国道を下ると、FM群馬が入る。
その狭間に住んでいる。つまり、入らないのだ。
FMラジオを聴くのはとっくにあきらめていた。
AMはかろうじてNHKが入ったが、雑音ばかりで聴ける音質ではなかった。
お正月に、嫁さんがぼそっと言った。
「もっと社会に出たい。」
直接は「働きたい」という気持ちだと思うが、その根底には、社会から隔離されてしまったような環境がある、と思った。
普通のTVが見られない。
ご近所さんがいない。(以前紹介したお店がご近所さんではあるが)
新聞が届かない。(新聞の勧誘が来ない。)ニュースはネットで見れるけれど。
毎日の話し相手が、娘と、自分だけ。ネット上のおつき合いは、あるけれど。
その一言にかなり悩んだ。
娘がまだまだ小さいので、働きに出る、というのは難しい。
そして、ふと思った。せめてラジオが聴けたなら。
「せめてラジオ聴かせたい〜♪」(古っ・・・若い人にはわからないだろうか?)
そして思った。もしかして、ラジオ専用機として気合いを入れて作られたモデルなら、この弱電波地域でも入るんじゃないか?
価格コムで見てみると、ラジオ、というカテゴリーが立派にある。
一番機種数を出しているのはソニー。その次がパナソニック。
感度の良さそうなモデルを捜した。そしたら、ビクターで作っているこのモデル
RA-H77が目にとまった。
一見古めかしいデザイン。お年寄り向けとも思われる。
でもラジオとして一番重要な、高い感度と、音質に一番こだわって作られていそうな感じがする。
ネットで調べてみると、おおむね好評なようである。
値段も7,500円程度。
嫁さんに、「ラジオとしてしっかり作られたモデルなら、FM群馬とか入るかもしれないよ、これなんかどう?そんなに高くないし」
と聞いたところ、目を輝かせて、「うん、いいかもね」
そして、もう一言「ナックファイブ、聴けるかな?」彼女は埼玉育ち。ナックファイブが懐かしいらしい。
「さすがにそれは無理じゃない?群馬でも平野部ならともかく。FM群馬が入ればいいじゃん?」
「そうだね」
そして今日、雪をかきわけて、クロネコさんが届けてくれた。
箱を開けた途端、冷えていたラジオが、結露した。うわっ、やばい、電池入れるのしばらくやめとこう。
小一時間放置。そして用意しておいた単2電池4本を入れる。(コンセントからも電源はとれる)
さっそくFMでチューニング。つまみがでかいのでチューニングはやりやすい。
「おおっ!入るぞ!」
「すごい!」
ラジオが聴けたくらいでこれほど喜ぶ家族は日本にめったにないと思うのだが、そこはそれ、そういう事情なのだ(笑)
色々試したが、FM群馬だけではなく、NHKFM、放送大学、そしてなんと、FM新潟が入るではないか!
「なんだこのラジオ、すごいな!」期待して買ったのだから、なんだ呼ばわりはひどい。
そして、なんといっても音質がクリア。
サランネットを外してみると、10cm口径の立派なユニットが。
さすがビクター。音質にもぬかりはない。
オーディオには多少凝っているつもりだが、オーディオとしても認められる音質だ。アナウンサーの声が生々しいし、流れる音楽も気持ちいい。モノラルだけど、全然かまわない。
さすがにナックファイブは、入らない。嫁さんはいじりながら不満げだ。それはしょうがないって。
娘が眠そうなので2階に上がった。ラジオも持っていった。電池駆動で長時間聴けるから気軽にどこでも持っていける。
窓際に置いた。ふと、もしかしたらと思って80MHzあたりをチューニングした。
わずかにノイズが入るが、声が入った。どこのラジオ局かはわからない。
しばらく聞いていると、はっきりと、「ナックファイブがお送りする・・・」と聞こえた。
娘に授乳しながら、二人で顔を見合わせ、親指を立て、ガッツポーズ!しばらく笑いが止まらなかった。
このビクターのRA-H77、我が家にとっては画期的な商品だ。素晴らしい。
たかがラジオだが、されどラジオ。
弱電波地域の方、自宅でラジオを良く聴く方、今のラジオの音質にいまいち満足していない方に、是非お勧めである。

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