ずっと書こうと思ってたんですけど。今頃になってしまった記事を書きます。
それは、自分の趣味としての「写真」について。
自分にとって、趣味と言えるものはいくつかあって、このブログのサブタイトルに示している通りホームシアターはその一つなんですが、これは趣味としては最後発なんですね。
子供の頃、趣味と言えば読書、とか音楽鑑賞、というのがごく一般的で、もちろん読書も音楽鑑賞も好きでしたけど、胸を張って趣味と言えるかというと普通のレベル。まあ、別に胸を張らなくても趣味は趣味なんだけどね、自分にとってそんな代表的な趣味、と言えば「写真」でした。
写真、というと広い意味合いになるんだけど、小学生の時に兄貴が集めて来たカメラのカタログ、それも、高級一眼レフカメラのカタログが、自分にとってマンガよりも面白い読み物でした。男の子によくありがちな、カメラ、というメカニズムに惹かれていったのでした。
そんな時、確か、学研の科学のおまけで、ごくごく簡単なカメラが付いて来たのです。今思えば、それはレンズもろくに付いていない、ピンホールカメラで、フィルムの代わりに白黒の印画紙の小さくカッットしたヤツをセットして。撮りたい対象に向けて何秒かレンズ代わりの穴のフタを開けて、閉める。コタツの中で印画紙を取り出して現像液に入れ、定着液に入れる。それで、最初に撮ったのが近所のBMW(笑)近所のクリーニング屋さんに出入りしていた業者さんでBMWに乗ってる人がいてね。毎日眺めていたら友達と一緒にそのBMWに乗せてくれたんです。あっという間に100キロくらいまで加速してくれて。それでそのおまけのカメラで最初に撮ったのが、その生まれて初めて乗ったBMWだったわけ。現像したら、ちゃんと写ってるんですよ、BMWが。感動したねぇ。BMWの加速にも感動したけどね。でも細かい事書くとね、この最初に現像して出来た写真は白と黒が逆の、モノクロフィルムを透かしてみてるようなものなのね。それを今度はもう一枚の印画紙に重ねて、もう一度光を当てる必要があるわけ。そして現像して、ちゃんとした像が得られるわけですよ。めんどうだよね。めんどうだっただけ、感動も大きかったんだよね。
まあ、そんなことがきっかけになって、カメラ、という目の前の光を切り取る機械のメカニズムと美しさ、現像というプロセスの面白さに惹かれてしまったわけです。毎日カタログを読みあさって、ほとんどのカメラのスペックや、一つ一つのボタンの機能やファインダー内表示の意味、フォーカシングスクリーンの種類や用途、果ては暗室で使う薬品や印画紙の種類まで全部覚えちゃって。
すごくカメラが欲しかったけど、小学校4年生くらいで買ってもらえる訳も無く。最初は、お小遣いをためて、1600円くらいで玩具屋さんで売っていた、おもちゃのカメラを買いました。それは、今思えばとても変なカメラで、使うフィルムが6×6版の、大判フィルムだったんです。カメラ屋に行って、6×6版下さい、と言ったら、本当に君が使うのかい?と大変不審がられたものです。当然フィルムが結構高くって。カメラが1600円なのにフィルムが700円近くしたような気がします。その時、写真という趣味は金がかかる、覚悟しなくちゃいけない、と子供心に思ったものです。
で、フィルムの特性やら、何も知らなくてね。ちょっとでも光に当てちゃダメなのに、暗がりでやれば大丈夫だろう、みたいなね。何を考えたのか、一旦フィルムをびーーっと出してしまって、それをまた巻き直してカメラに入れた訳。当然、何も写ってないよね。現像に出したカメラ屋さんは、何も写ってないのを知って、気の毒に思ったのか、お金は取りませんでしたね。何も写ってない、透明に近いフィルムを返してくれました。それがひどくショックだったけど、色々知って行くうちになんてバカなことしてたんだ、と。
お小遣いがあまり無かったので、そのカメラにフィルムはあんまり入れられなかったんです。でも、何かと言うとそのカメラで、バチバチ空シャッターを切りました。空シャッターを切りすぎて、そのカメラは1年足らずで壊れました(笑)
それから数年後、兄貴が中学2年生、自分が小学6年生の時に、親をようやく口説き落として、高崎のビックカメラ(今の東口ではなく、西口方面にあった。今もある?)でオリンパスの一眼レフカメラ、NEW OM-2を買ってもらったんです。50mmのF1.4の標準レンズを付けて。これはもちろん兄貴用。うれしかったねぇ。夢のようだったね。
6年生のときの修学旅行で、若い女の先生がOM-2を持ってたんですよ。NEWでない、旧OM-2。ところがその先生、使い方を良く知らなくて。フィルムが終わったんだけど、交換できない。で、先生貸して、とカメラを取り上げて、巻き戻しのボタンを押して(というかノブを横に倒す、というか)巻き戻しクランクでフィルムを巻き上げて、巻き戻しクランクを上に引っ張ると裏フタが開くんだけどね。先生は、なんで君は人のカメラの使い方を知ってるの?って。うちにも同じのがあるから知ってて当たり前なんだけどね。
他のおばさん先生もカメラの裏フタが開けられない。そんで、○○君なら知ってるかも、って自分の所に回って来て。それは一眼レフじゃなかったんだけど、当時のレンジファインダーのカメラは、ボディの左下に小さな隠しツメがあって、それを下に引っ張るとフタが開くんです。何の迷いも無く開けて見せたら、えらく驚いてくれてね。すっかりカメラ博士状態。
6年生の時は、モノクロフィルムの現像は自分で出来ました。ベタ焼き(1枚の四つ切りの印画紙に、1本のフィルムが全部写っているもの、今で言うインデックスシート)までは自分で出来たなぁ。
中学に入った記念に、自分用にオリンパスのNEW OM-1(通常はOM-1Nと表記します)を買ってもらって。そんときもうれしかったなぁ。カメラがまだ、貴金属の輝きを持っていた時代の話です。
うちの中学には珍しく必修クラブに「写真クラブ」というのがあって、迷わずそこに入り、放課後は運動部の部活があるので、朝早く7時前に学校に行って、フィルム現像とかしてましたねぇ。薬品が比較的自由に使えたので助かりました。文化祭の時は全紙のパネルを作って展示したり。楽しかったですよ。
当時の暗室は、階段下の倉庫を改造したもので、当然暗くて、じめじめしていてカビ臭くて(笑)
普通の引き伸ばし機では全紙(新聞紙の見開きの大きさね)の焼き付けって出来ないんです。ヘッドを一番上にセットしても、全紙まではカバー出来ない。それで、どうするかっていうと、引き伸ばし機をまず壁に向けて置きます。それでヘッドを外して
、手前向きにセット。そうすると、机手前の床に投影出来るんです。それでようやく全紙が焼ける。でもそうなるとピント合わせが大変なんです。フォーカススコープを床に置いて、這いつくばってのぞきながら、机の上の引き伸ばし機には手が届きませんから、他の部員にピントを動かしてもらい、「そこだっつ!いやっ、行き過ぎた!ちょっと戻して!んっつ!また行き過ぎ!微妙に戻して、そこ!よし合った!」みたいな作業で。懐かしいなぁ。
今はみんなデジタルになっちゃったでしょ。パソコン上でちょちょいのちょいで調整出来ちゃう。昔は写す時に露出が失敗してると、暗室作業で調整するのは至難の業でした。厳密に言えば写す時に露出が失敗してると後では調整不能なんですよ。だからシャッターを押すときは真剣でしたね。このシャッタースピードで良いのか、この絞りで良いのか。常に考えていた。それが、ほどんどカメラ任せに出来る時代になりつつあったけど、自分のOM-1はフルマニュアルだったからね(笑)
そんなこんなで今に至るまで写真が趣味です。ブログを始めたのも、写真を扱いたいから。写真の腕については、当時より上がったのか、下がったのか(笑)特段、進歩はしてないかもですね。まあ、メカとしてのカメラを好きになって、写真を撮る、そして現像する、焼き付けする、という作業の面白さに夢中になって、肝心の撮った写真を鑑賞する、という部分がおろそかになったいたのかもしれません。でもまあ、これからも何かしら写真が撮れたら、ブログにアップして行きたいと思っています。
今現在メインで使っているカメラは、NikonのクールピクスP5100というコンパクトデジタルカメラ。これ、このブログではお知らせしてなかったんですが、今年の1月に入って買ったものです。ブログの写真で言うと、2008/01/13の岩櫃山の写真から、P5100で撮ったものになっています。別の見方で言えば、写真に、年月日だけでなく、時、分まで入っているものがP5100で撮ったものです。
年月日だけが写っているのはニコンのクールピクス3700という機種です。
2000年に、クールピクスの990、通称E990を購入してから、デジタルの便利さにすっかり魅了され(笑)フィルム一眼レフの出番が無くなってしまいました。334万画素のE990が10万円したのに対し、1200万画素のP5100は3万円しないんです。性能はべらぼうに向上し、考えられないくらい安くなった。これはパソコンにも言える事ですけど。
そろそろデジタル一眼が欲しい、と思いながらも、どうせ買うならF5に負けないフィーリングのものが欲しい、そうなるとD300、ボディだけで16万前後しますんで、それはちょっと却下になってしまいます。でも、常に持ち歩くバックの中に忍ばせておけるP5100はとても便利。一眼レフを常に持ち歩くのは無理ですから、携帯出来る性能の良いコンデジの方が使うのです。写真の写りは、今まで5ヶ月にわたってupして来た写真を見て判断して下さい。自分的には、コンパクトデジカメでここまで写れば御の字です。なにより、グリップしやすい形状、右手親指がかかる裏の位置にまでラバーが張ってある親切な作り込み、ボタンやダイヤルの操作系が直感的に扱える、露出がフルモードで使えるなど、マニアなカメラマンにも使い込んで楽しめるカメラになっています。
毎度、長文で失礼しました。新しいカメラ買ったよ、ってだけの記事のはずが、なんでこんなに長くなるのか(笑)それにも増して、趣味としてやっていた人じゃないと解らないような内容が多く失礼しました。

↑左奥のシルバーボディがOM-1Nです。で、正面手前がP5100。

↑中央手前に写ってる変な形のがE990。

↑新旧デジタル。手前がP5100で奥がE990。

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