2007年9月18日 毎日新聞投稿
「表情は、相変わらずふてぶてしい」「頬もこけていない」「仮病では?」
朝青龍が外出した時の印象について報道された印象の数々である。
その言葉を援護するように精神科医から出されたコメントは、
「解離性障害はあんな風ではない」
その報道を耳にした時、かつて経験した悲しい思い出が浮かび、心の病に対する世間の冷たさ、無理解をあらためて感じざるを得なかったのである。
私はかつて心の病にかかり、精神科を受診していた頃、症状の辛さを繰り返し訴えているにも関わらず、ある日発せられた医者の一言に立ち上がることが出来ないくらいの衝撃を受けたのである。
「頬もぽっちゃりしているし、顔色もいいから、それ程辛い状態ではないのではないか?」
毎日這うように生きていた私にとっては、あまりにもむごい言葉であった。心の病は外からは、伺い知る事は出来ない。それだけに患者の心の苦しみは余計に深いものがあるのだという事を、世間の皆様に分かって欲しい。

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