こんにちは。
研修会で滋賀県大津市に来ています。夕方には帰ります。
昨日の講義内容を簡単に今、昼休みにPCをかりてまとめました。
では午後の講義へ
2009/10/27 28「7回市町村議会議員研修」滋賀県大津市にて
「人口減少時代の地域政策」 奈良女子大学准教授 中山 徹先生
日本の都市計画制度の問題点
☆ 日本のまちづくりは人口減少をまったく考えていない。
☆ 再開発法・・・・もとあったものよりも大きくしなくてはだめ
☆ 区画整理・・・・区画整理をしたら宅地部分を増やさなくてはならない。
☆ 低いものは高く、自然なものは人工的なものにすしなくてはならなくなっている。
☆ 自然に戻す、小さくするメニューは存在しない。
人口は増える、産業が増える、ビルを建てたら売れる・・・・これが大前提となっている。
ここを変えないとだめ。
20〜30年もしたら普通の一戸建てが買える時代になる。マンションはまったく売れなくなるだろう。
旧東ドイツ・・・人口が急減少している
2002年から人口減少を前提としたまちづくりが始まった。(日本での事例を紹介したいが日本での事例は皆無)
旧東ドイツ郊外・・・空家率50パーセント 住んでいる人はほとんどが高齢者
減築・・・改修した集合住宅には国が補助金を出している。
減築のメリット・・・・空き家が多くなると物騒であったのが減築することで治安がよくなる。大きいためにランニングコストがかかりすぎていたのが安くなる。たとえば冷暖房費、エレベーターの保守点検費など
公園・・・ベルリンは30平米/人であり、多いが、減築により建物を取って公園に変えていっている。残っている人の居住環境がよくなっている。計画的に縮小している。
※ ただし、日本のマンションのように分譲しているところではうまく進んでいない
※ うまく進めば、生活の質・サービス(行政サービス)の質を落とさずにすむ。
※ 縮小して不足した公共用地に当てている。
イギリス・・・コミュニティフォレスト・・・企業がどんどん出て行き、新たな企業誘致は難しい
☆ 企業誘致が難しいのであれば、自然を回復させるという考え方に。(マンチェスター地区)
☆ 地元のNPOや市民団体が協力して小さい苗から植えて、時間がかかるが森を作ったりしている。
ソウル市清渓川復元プロジェクト(チョンゲチョン)
・・・大動脈である道路を川に戻した。
☆ 公共交通の改革も同時に実施
☆ バスを公営化した・・民間を純公営に変えた。バス路線、料金は公が決めて赤字が出たら補助金を出している。
ヨーロッパのLRT(地面すれすれで乗り降りしやすい路面電車の事)
フランスのストラスブール(世界遺産の古い町)を中心に10年ちょっと前に路面電車を導入した。
☆ 20〜30万人から100万人位の都市の規模では、LRTが適していると思われる。もっと小さいまちではバスがよいと思われる。
☆ 中心市街地活性化は公共交通の整備が肝心。
☆ トランジットモール・・・路面電車乗り換え場のまちの商業が栄えるという副産物もある
☆ 乗り継ぎはLRTとバスは段差がなくとても楽。それに対して地下鉄とバスは大変。(階段等で縦移動しなくてはならない)
☆ 20世紀は自動車交通の時代だった。21世紀は公共交通再生の時代。公共交通が再生できなければ地域再生は出来ない。
☆ 企業の撤退・・・なんの規制もない。誘致する・・・進出してくる時にはさまざまな優遇措置がある。
企業撤退するときには・・・ヨーロッパでは
1. 解雇する従業員についての保障をしなくてはならない
2. 跡地の整備費用負担をしなくてはならない
などの法律がある。今後日本でも検討すべき。これからは企業誘致は難しく、撤退の時代に入る
本来美しかった日本の美しさを取り戻していくのが21世紀
地方分権の時代
※ LRTのメリット
1. 自動車交通を抑制する
2. 郊外に流れていた人の流れを中心に戻してくる
この二つが大きなメリット。しかし、現在の日本国内で進められているLRT導入ではこの二つのメリットが活かされずにゆがめられて導入されているところもある。
※効率がよい順番は1.地下鉄 2.LRT 3.バス
※コストのかからない順番 1.バス 2.LRT 3.地下鉄
※夕張市・・・人口の9割減った。しかし、炭鉱の町だったため住宅の大半が社宅だった。これがまち縮小にとっては良かった考えられる。
日本の農村は本来とても美しかった。ドイツよりもずっときれいだったと思う。
学生はよくドイツへ行くが、ちゃんと美しさを取り戻せば日本の農村の方がずっときれいだと思う。
ヨーロッパ・・・農業で十分食べていける。
日本で無駄な公共事業の多い理由
・ ・・公共事業しか食べていけないから・・・公共事業をすると雇用が生まれる
・ ここを変えればわざわざ首都圏にでなくても地域で雇用を作っていける。たとえば林業人口を増やす政策をするなど。森は荒れ放題になっている。
各地域でどう雇用を作っていくかが今後の大きな課題。地域が生きていける雇用を作らなくてはならない。

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