平成22年第3回茅ヶ崎市議会定例会第4日目、茅ヶ崎クラブとして認定第2号〜認定第4号、先ほど決算特別委員会委員長よりご報告のあった平成21年度の茅ヶ崎市決算について賛成の立場で討論します。
平成21年度決算は前年の9月のリーマンブラザーズ倒産に端を発した世界同時不況の影響が出始め大変厳しい財政運営でした。
財源不足は当初3億2千万円と見込まれていましたが、21年度下半期に入るころには10 億5 千万円の不足は確実。そのため21年11月4 日に庁内では「21 年度予算の執行停止について」という緊急文書が回ったことは衝撃的でした。
その内容は、「扶養費等福祉に関する予算や人件費など義務的経費は執行停止の対象としないが、11 月4日現在未購入の備品については、原則として購入を停止。11 月4 日現在未契約の工事・委託については、補助事業を除き、可能なかぎり執行停止。予算の.流用を認めるのは、施設等の危険個所の修繕等市民の安全安心の確保のための事業に限る。執行停止の趣旨に従い、消耗品費や燃料費等経常経費についても極力執行を控えること。執行停止事業については。22年度事業として追加要求を認めるが、来年度は今年度以上に財政状況が厳しいことから、優先事業の選択に努めること。現在の試算では4 月からの22 年度当初予算は21 年度当初予算よりも約20億円減収の見込み。突然のことであり、各課かいにはご迷惑をおかけいたしますが、市政運営に支障がないように対応いただきますよう、お願いいたします。」という内容でした。
21年下半期、備品購入にも影響が出る中で市政運営に支障がないように各課、職員の皆様は大変なご努力をされたと思います。
結果的に今回の決算をみると当初3億2千円の不足の予測だったものが、昨年の11月に10億5千万円の不足が確実とされましたが、
今回の決算ではこの数字よりも大幅に上回り予算に対する不足額予測額は、約14億円となっています。
世界同時不況だったとはいえ経済動向の見極めの難しさ、市政運営の難しさを物語っていると思います。
そして現在でも日本経済の状況が好転しているとは言えない中で、今後の財政運営を考える時、
まずは歳出を抑えて身の丈にあった財政運営をする事が第一であると実感します。
市税全体では前年度よりも約12億4000万円の減収、市債発行額も5年ぶりに増加、経常収支比率は大きく妥当値を超えて96.1%となり、政策的経費がなく、財政構造に弾力性のない厳しい状況です。
一般家庭の貯金である財政調整基金も21年度で約3億3千万円取り崩し、21年度末残高は約52億5千万円となりました。ほとんど政策的経費のない中で今後は、
大型公共事業計画の見直しや計画延期が必要であると思います。
市民の安心安全は持続的で安定的な財政運営の裏付けがなければ不可能です。
身の丈に合った安心安全な財政運営をしていただく事を切に要望いたします。
また、歳出を抑える事に加え、歳入を増やす事を検討する必要があります。この財政状況を市民の皆様にご理解いただき、例えば、買い物はなるべく市内でしていただくなどの市税収入を増やす方策も必要な非常事態であると思います。
特に気になる事は茅ヶ崎市は人口が増え続けているのにもかかわらず、
消防費・教育費が前年度より減ってきている点です。
消防費・教育費は多少減額になっていてもすぐには目に見えにくいと思います。しかし、非常時や将来におおきな影響が出ます。
人口増加の茅ヶ崎市にとって、消防力強化は最も必要です。市民の生命と財産を守る事が自治体の第一の責務でもあります。
また、教育は生きていく上で長期的視点に立つと最も大切なものだともいえます。21年度決算では財政不足のしわよせが消防費・教育費にきている事については今後の教訓にしていただきたいと思います。
細かいところでは
例えば、図書資料購入費です。文化のまち茅ヶ崎としては蔵書数は少ないと思います。資料を提出いただきました。それによると21年度末蔵書数は約49万1千冊と財政規模が違いますが隣の藤沢市約121万5千冊の半分にも及びません。藤沢市の人口は約41万人。茅ヶ崎市は約23万5千人ですから、一人あたりの蔵書数にしても市民一人当たり藤沢市民は約3冊、茅ヶ崎市民は約2冊の図書館の蔵書数となります。平塚市約75万9千冊に比べても図書館蔵書冊数は少ない状況です。図書館はその自治体の文化度を示すともいわれます。不況の時代だからこそ教育には財政面でも力を入れていただきたいと思います。
また、決算特別委員会でも話題となっていましたが、小中学校の教育用パソコン配備運営経費の合計約1億5千万円はパソコンリース料が主なものです。
学校でのパソコン教育は重要ですが、教育用で特殊なパソコンとは言え、一般的な価格からすると5年間のリースで一台当たり約45万円にもなるパソコンリース、メンテナンス料は理解されないものです。大幅に経費削減を要望いたします。
現在、パソコンボランティアの方々が分庁舎1階に常駐していらっしゃいますが、学校のパソコン教室についても放課後や休日活用も含めて市民との協働事業で進めるなど、学校と地域との連携を深めながら検討していただきたいと思います。
次に議案第81号 平成22年度茅ヶ崎市一般会計補正予算(第4号)の中の浜見平地区拠点整備事業費400万円については要望をつけて賛成いたします。
現在、浜見平地区で進んでいる 都市再生機構 URによる浜見平団地の建てかえは、茅ヶ崎市南西部の大きな部分を占め、茅ヶ崎市の今後の住みやすさ等を左右する大型プロジェクトです。この場所に市民窓口センター、保育園、包括支援センター、公園などの市民サービスのための施設が盛り込まれることは市民全体にとっての大きなメリットになります。URの土地ではありますが、これらの施設が少しでも盛り込まれるように茅ヶ崎市として交渉力を発揮していただく事を要望してこの補正予算には賛成いたします。
次に議案第67号平成22年度茅ヶ崎市一般会計補正予算第3号については、松島みき子として反対の立場で討論いたします。
今回の補正予算に含まれている
本庁舎再整備事業費1432万7千円の内訳は、市役所を建てかえる計画を策定する費用と新しい市役所を立てる予定地である現在の西側駐車場は現在のままだと高さ20mまでしか建てられないので20m以上の新しい市役所を立てられるようにするための計画費用の2つの計画策定に関わるコンサルタント料の合計です。この補正予算が可決されれば、市役所本庁舎は耐震補強ではなく建てかえへ向けて動き出すことになります。私は現在の市役所本庁舎はただちに耐震補強をすべきで、
現時点での建てかえには再三申し上げているように反対ですので、市役所本庁舎を建て替える計画を作る為の補正予算1432万7千円については反対しますので、この議案第67号については反対いたします。
また、この1432万7千円を除いた修正案については賛成いたします。

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