研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第2回
報告者 松島 幹子
日時 2016年7月21日(木) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
1回目は議会のため参加できなかったので参加をあきらめていたところ2回目からの追加募集があり今回から参加した。
政策の根本は人間行動を見て課題を見つけていくことであり、
組織マネジメントに関して「1:29:30」の原則があるという。1つのミスや問題が生じた場合、その背後には29の認識できる問題点があり、29の問題点の背後には300の認識が難しい問題点が存在しているという。
進化のための議論・・・ブレイン・ストーミング法・・・1つの自治体のメンバーだけで議論するのは限界があるという。今回のこの講座では他の自治体からの参加者と議論できるのでお互いに情報共有し問題解決のための政策を見つけ出すことも講座の中で行っていくということなどが事例紹介と共に講義された。茅ヶ崎市の課題を見つけて提出することも課題の一つであるが、たくさんありすぎて、1つだけに絞る。しかも100字以内で8/1まで。その課題を解決するため政策検討・提案をしていく。具体的な1つから300の問題に迫れるように頑張りたい。
研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第3回
報告者 松島 幹子
日時 2016年8月4日(木) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
「課題を解決する道具を持ってほしい」そのためには道具の使い方を説明してもわかりにくいので、実践で課題解決をしていく道具を提示して理解していくほうがわかりやすいということで各自の課題と課題解決のアドバイスをいただいた。
課題提出について100字以内だったので、以下を提出した。
新庁舎が供用開始となった。新たに発券機や案内者を配置しているにもかかわらず、「以前よりも待ち時間が長い。」「どうすれば対応してもらえるのかわからず困惑した。」等、市民からの苦情がある。どうしたら良いか。
先生からのアドバイス
単純に行政経営を割切ることができない。人間行動を見ていない。
「コンテキスト思考」である。それは、「モノゴトの裏にある物理的に認識できないコンテキスト、背景を能動的に洞察する思考」であるからであり、問題の本質を見て否ねばならない。
政策は人間の行動を観察していくことから始まる。それが最大のポイント。
窓口業務の効率化を実現した自治体がある。事務の流れを照明、サイン関係で改善して実現した。これは、民間の力を利用して実現した。(文具用品のコクヨが取り組んだと聞いている)
監査結果、人件費など、議会がしっかり機能しなくてはならない問題でもある。
問題点、課題として提出した根拠
新庁舎になって窓口は使いやすくなったか?
今年1月から新庁舎が供用開始となった。新たに発券機やフロアマネージャーを配置しているにもかかわらず、以前よりも待ち時間が長い、「どうすれば対応してもらえるのかわからず困惑した」等、市民からの苦情がある。どうしたら良いか。
苦情等対応報告書によると
★届け出のために来庁した際、「4人待ち」との表示だったが、30分も待った。カウンターに「しばらくお待ちください」との札があり、職員に尋ねると、順番に対応していると言われたが、やり取りをしている様子はない。受付や他の場所では私語で盛り上がっている職員がいるのに、待たされたことが不満である。
★今まで収納課で取得していた固定資産税評価証明書・通知書が市民課窓口へ移行したことで1時間以上待たされた。また、発行された証明書に不備があり、さらに30分待たされることもあった。従来は収納課で5〜10分の待ち時間であったし、近隣市では、固定資産税評価証明書は税担当窓口で交付され、同じく5〜10分の待ち時間である。今まで通り固定資産税評価証明書は納税課で取得できるようにしてほしい。また、1時間以上かかるなら駐車場無料サービスを2時間までとしてもらいたい。
★受付の人数が少ないのか、処理速度が遅いのか、見ていて腹が立つ。受け取りまで待つのは仕方がないが、手際が悪いのは困る。窓口対応が重要だと職員の意識改革に取り組んでもらいたい。
★市民税課へ行った際、窓口対応している職員が1人しかいなかったので、カウンター前で待っていた。しかし、デスクに職員はいるのにその後も対応してもらえず、番号札を取るのか、職員を呼ぶのか、どうすれば対応してもらえるかわからず困惑した。
★新庁舎移転後、今まで収納課で取得していた固定資産税評価証明書・通知書が市民課窓口に移行となったが、待ち時間が長い。1時間以上待った。収納課で行っていた時は5〜10分の待ち時間だった。1時間以上かかるなら駐車場無料サービスを2時間までにしてほしい。
以上、平成27年度苦情等対応報告書 第4四半期公表分(平成28年1月〜3月) より抜粋。
その他、先日、「新庁舎へ行ったら窓口で時間がかかっている人がいたので後ろの椅子に座って待っていた。30分以上待った。その人が終わったら、終わった席にすっと他の人が割り込んで座った。職員はその人に対応していた。私が座って待っていたことがわかっているはずなのに、それはないと思って『ちょっと待ってください。』と申し上げた。窓口の対応が悪い。一般的なお店や企業では考えられない対応である。」という苦情を市民の方から直接聞いた。
窓口改善のためのこれまでの発表「利便性の向上」 「待ち時間の短縮」「わかりやすさ」
以下、窓口について抜粋。
●連携型窓口に係る事務につきましては、新しい本庁舎の 供用とともに連携型窓口システムの運用を開始したところ ですが、引き続き、フロアマネジャー及び総合案内の連携 による案内の充実を図り、窓口利用者の「利便性の向上」 「待ち時間の短縮」「わかりやすさ」を実現してまいりま す。(平 成 28 年 度 服部市長の施 政 方 針)
●「建て替え」を実施することにより、防災拠点機能のより一層 の充実や窓口業務の効率化、ユニバーサルデザインへの配慮、省エネルギー性能 を有し環境負荷が低減される庁舎施設の実現などが可能です。 (茅ヶ崎市役所本庁舎再整備基本方針より抜粋)
●○市民向けの行政サービスとしては、総合的な窓口サービス、総合的な相 談サービス等の充実を図ることで、多様な市民ニーズに対応が可能な新 たな市役所を実現する。〜市民サービス機能の充実は、待ち時間や移動なしに、さまざまな 届け出や申請手続きがスムーズに行えることであり、各種の申請、届出、証明 書等の発行は、可能な限り一か所の窓口で行うことができるワンストップ・サ ービスを実現すべきです。〜わかりやすい総合相談窓口 ○「総合案内」(コンシェルジュ)があるとよい 。(「新たな市役所本庁舎複合施設のあり方市民提案会議」検討報告書 より抜粋)
● 窓口利用者がわかりやすく、効率的に手続きを行えるように、連携型窓口システムを活用した窓口サー ビスを行います。また、税証明を含めた利便性の高い証明発行窓口を引き続き運営するとともに、フロア マネージャー及び総合案内の連携による案内の充実を図り、更なる窓口サービスの向上を目指します。※平成28年1月の市役所新庁舎の供用開始にあわせ て導入(平成28年度 市民課 業務計画)
他の参加者9名の課題についても発表があり講師からアドバイスがあり、終了した。
研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第5回
報告者 松島 幹子
日時 2016年10月21日(金) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
前回、各自が提出した課題をテーマに問題点の分析等を中心の講義を受けた。他市の参加者(議員)の課題と先生からのアドバイスはわが市でも共通する課題があるものが多く、大変参考になったが、このゼミでの情報共有としているので、他市の課題については報告することは避けたいと思う。
私が提出した課題
新庁舎が供用開始となった。新たに発券機や案内者を配置しているにもかかわらず、「以前よりも待ち時間が長い。」「どうすれば対応してもらえるのかわからず困惑した。」等、市民からの苦情がある。どうしたら良いか。
分析結果
情報の流れがどうなっているか確認する必要がある。流れがうまくいってないのではないか。
以前の庁内案内図と今の庁内案内図を比較するだけでも問題点が見えてくるのではないか。
新庁舎は、誰を最も重視したのか?➡❶職員が働きやすい職場・・・仕事のやり方、情報の流れを変える、または、変えたのか。❷市民が利用しやすい市役所・・・市民の転換コスト=市民が移動しなくても書類、または職員が動いて作業するために待ち時間が長くなったり、職員の人件費がかかるなど生じる。
「転換コスト」とは、情報の形態を変える負担であり、具体的には行政において情報の形を変えること、申請書に書くことなどを指す。
「移動コスト」とは、窓口への住民の申請や面談、書類提出、行政内部の稟議制度等に伴う負担で或る。
窓口業務などを考える時には、「転換コスト」「移動コスト」が誰にとって低減されたかが経済的な負担だけでなく、公共サービスの質も含めた効率感化を評価する場合には重要となる。
研修を終えて
新庁舎は今年から供用開始であるので、人件費など費用面での評価は来年9月の決算を待ってからとなる。窓口業務のこの課題については引き続き分析して参りたい。
研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第6回
報告者 松島 幹子
日時 2016年11月18日(木) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
テーマは「行政計画と政策展開について」
会計制度は、企業会計は事後会計であるのに対して、公会計は事前会計が重要になる。企業会計では決算が重要になり結果を出すことが重要であるのに対して、公会計では予算が重要であり、決算はほとんど報道されないという相違がある。
地方自治体を取り巻く、リスク事例としては大きく分けて2つ、外部リスクと内部リスクに分けられるが、外部リスクとしては、不確実性リスクとして、❶政権交代リスク❷グローバル化リスク❸災害リスク❹イノベーションリスクがあり、リスク事項としては政治リスクとして❶法改正リスク❷税制変更リスクがある。これらの政治的リスクは現在、上がっているし読みずらくなっている。その他、❸景気変動リスク❹金融リスク❺人口減少リスク❻少子高齢化リスク❼ICT(情報通信技術)リスクである。内部リスクとしては➊経営資源リスク➋事務事業リスクがある。
リスク事項は、右肩上がり時代の先送りされた固定化されたリスクの顕在化とともに超少子高齢化・グローバル化に伴う新たなリスクの顕在化が出現している。計画に対してズレは生じる。右肩上がりの時代はそのズレを先送りして良かったが今は全く違う。ズレは修正していかなくては取り返しがつかなくなる。
何を実現したい条例なのか、計画なのか?お付き合い条例や計画もある。条例違反、計画違反の場合は何の場合に言えるのか。アピール条例は結構あるがそれはダメ。条例というのは法令。何を聞いて何を聞かなかったら条例違反になるのか、それがわからない条例では実効性がない。
計画に置いて、「将来に向けた需要予測に基づき・・・」と、あるが、重要な需要予測が極めて甘い。ほとんどが外注に出しているが、チェック能力がない。正確な需要予測か否か。これは住民代表訴訟の対象となりうる。注意しなくてはならない。
責任の明確化をし、市長に任せるものは任せることも重要。
佐倉市では総合計画審議会委員には議員は入らないことにしている。
研修を終えて
茅ヶ崎市では「道の駅」新設を進めているが、私は需要予測が全く甘いと思う。一般質問で指摘したが、再度思い出した。また、保健所政令市への移行、中核市への移行等の需要予測はなされていない。市長は、大きな議員にはない裁量権を持っている。裁量権に見合った説明責任を果たしていただきたいと改めて思った。
また、地方自治体を取り巻くリスクとして、地方債の償還について固定変動の違いと金利が上昇した場合のリスクについて財政課へヒアリングをしたが、茅ヶ崎市ではすでに長期資金であり、金利上昇の影響は小さいことがわかり、安堵した。
研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第7回
報告者 松島 幹子
日時 2017年1月24日(火) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
各自治体の政策課題(参加者から出された課題)について、課題解決のためのアドバイスがあった。
私が提出した課題は、
新庁舎が供用開始となった。新たに発券機や案内者を配置しているにもかかわらず、「以前よりも待ち時間が長い。」「どうすれば対応してもらえるのかわからず困惑した。」等、市民からの苦情がある。どうしたら良いか。
民間化はパートナーシップを通じた官民の人間関係を、ワンストップサービスを始めとした窓口等の改革は行政の組織内の人間関係を、ともに形成する情報の集積と伝達移動の流れを変えることを意味する。
情報化とは、効率的に人間関係の権限と責任の体系化を図ることであり、ガバナンス構造の中核的要素となる。
民営化、窓口改革においても人間関係の権限と責任の体系化を程度の差はあっても再構築することが求められる。
情報の集積と伝達の移動の構図を明確にすることが不可欠である。
既存の権限と責任の体系化は、情報集積に関する「転換コスト要因」と「移動コスト要因」から主に形成される。この2つのコストが誰にとって低減されたかが経済的負担だけでなく、公共サービスの質を含めた効率化を評価する場合には重要となる。
例えば、「eTax」の普及は、納税者にとっての税申告に関する転換コスト、移動コストを低減し、行政側にとっても申告受付等の転換コスト、移動コストを低減する可能性を持ち、その事は両者にとっての機会コストの低減に結びつく。
窓口改革に関するワンストップサービスやコンシェルジェ方式は、こうした転換コストと移動コストをどこまで変化させるかなどの点を精査する必要がある。
<所感>
新庁舎供用開始からやっと1年を迎えた。9月には今年の3月までの決算が明らかになる。旧庁舎に比べてコンシェルジェ、案内者などフロアーが広くなったためもあり、人件費は増加している。また、市役所建替え時には、窓口のワンストップサービスの検討がされたが、断念した経緯がある。納税証明書業務については、以前より待ち時間が極端に長くなったため市民からの苦情が多くて、業務の流れを以前の方法へ変更したと報告があった。引き続き、観察し今後の課題としていきたい。
他市の課題解決へのアドバイスも大変参考になった。
2017年の自治体政策課題として国の予算審議を睨んだ財政金融問題について数字をベースに説明があった。
もっとも、衝撃的な事実は、「国は債務残高増加しているが全国的に見れば、地方自治体の基金は増加している。このため、地方交付税制度の見直しを国は本格的に考えている。」ということである。そうなれば、茅ヶ崎市にとっては財政な打撃が大きい。茅ヶ崎市は地方交付税交付団体である。全国的には財政調整金残高は増加しているとのことだが、茅ヶ崎市は取り崩しつづけており底を尽きかけている。29年度末には最低限保持したい市民1人当たり1万円の約24億円を切るであろう。そんな中で地方交付税が改革されて大幅減額となれば大変である。リスクに備えるべきであり、大型公共工事で今からでもやめられるものは中止すべきである。特に、「ふるさと納税制度」を地方交付税に変わるものとして国は考えているという議論が既にあると聞いた。「ふるさと納税」で歳入を大幅に増やしている自治体もあるが、茅ヶ崎市では「ふるさと納税」では歳入としてはマイナス。
その他、指定管理者制度の導入が増えたことによって、結果的に行政サービスに関する議会の関与が低下している実態が問題として挙げられた。私もそれは、実感している。茅ヶ崎市民文化会館は指定管理者制度が導入されている。指定管理者が行う主催事業は市民の税金が投入されている、しかも1つの自主事業について約900万円も投入されているが、議会としての関与は難しい。その約900万円の内訳について、市の直営であれば追求しやすいが、指定管理者制度では議会での追及は大変難しく困難であると体験した。今後、直営に戻すなどの検討が必要であると思う。
研修報告書
地方議員のための「政策科学基礎講座」第8回
報告者 松島 幹子
日時 2017年2月16日(木) 13時半〜16時半
会場 図書館総合研究所
講師 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院 教授 宮脇 淳 先生
テーマは「政策的思考」事例研究、「地方議会における質疑質問について」
「批判」のない所に「民主主義」や「政策」は育たない。
「批判」は、質疑・質問などを通した議会の基本的機能=民主主義の基本
執行部に対する「批判」を通して、政策や行政機能・組織、そして地域を進化させる。
「批判」=「議案」であり、出来事などの評価を行い、可否を見極めることである。
問題は「批判」の質。「非難」では、ダメ。「非難」は、議案や出来事の欠点を取り上げて攻めること。価値観だけによる主張。「創造的批判」しなくてはならない。そのためには十分な、あるいは明確な根拠・証拠による批判でなくてはならない。
「創造的批判「には大きな壁があることも事実である。それは、執行部と議会の間には情報の非対称性が存在するために難しい。国・都道府県の精度・政策などに関する情報は、執行部が優位性を持つことが多い。それに対して、地域・住民の情報に対しては執行部が優位性を持つとは限らない。執行部は、地域メッシュ情報・適切なアンケート結果の把握が不十分な場合が多いからである。
地域メッシュ情報とアンケート調査の充実は政策議論の大前提となる。
執行部提案を否定するのではなく「矛盾点」を明確にしていくことが大切。
各参加者、各自治体の課題についてさらにアドバイスを受けた。
私が提出した茅ヶ崎市の課題
新庁舎が供用開始となった。新たに発券機や案内者を配置しているにもかかわらず、「以前よりも待ち時間が長い。」「どうすれば対応してもらえるのかわからず困惑した。」等、市民からの苦情がある。どうしたら良いか。
1. 窓口に対する住民意識と窓口業務に対する職員意識の両調査の突き合わせが必要である。
2. 現在の窓口業務を中心とした住民・職員の行動を転換コストと移動コストに分けてシュミレート(機会コスト)して、どれだけの機会利益が奪われているかを認識する。
3. 1、2がない中では評価は限定的になる。
4. ヒントになるのは➊優位性の絞り込み➋住民にとっての効率化、職員にとっての効率化の両方を挙げていく。➌同一政策・同一事業内のターゲットの絞り込みが重要となる。
5. どこに政策をうっていかねばならないか、データを根拠に絞り込みをしなくてはならない事を自転車駐輪場問題を例に解説していただいた。
<研修を終えての所感>
今期は連続8回講座であったが、私は2回目から参加した。8月の第4回は北海道での台風の影響で、講師の宮脇先生は北海道大学大学院の教授でもあられ、大学の講義の振り替の影響でどうしても日程がとれず休講となった。毎回3時間の講義はどの回も実り多きものとなった。講義終了後には財政課へ確認に行ったり、実践で大変に役立った。来年度も開講されるようであるので、引き続き参加し、市政に反映させていきたいと思う。議会での質問は「単なる非難」にならないように「創造的批判」となれるように頑張りたいと思う。
トップマネジメントセミナー「企業の地方拠点強化に向けた環境整備」7月8日分の報告書
報告者 松島幹子
「地方だから出来るベンチャー起業」〜チームの事だけ考えた
サイボウズ株式会社 青野慶久氏
地方への本社機能の移転及び海外工場の国内回帰について
東京大学大学院 教授 藤本隆宏 先生
「意見交換会・まとめ」
東京大学大学院 教授 藤本隆宏 先生
サイボウズ株式会社 青野慶久氏
立命館大学経済学部教授 善元 哲夫先生
(公財)滋賀県産業支援プラザ滋賀ものづくり経営改善インストラクター
渡辺 健司 氏
時間 9時25分〜14時45分まで
<要旨>
良い会社とは社内で情報共有している⇔社長が秘密にしている
今治市の地方再生のまとめ「よそ者」「若者」「馬鹿者」、資産の棚卸しと活用、時間はかかるが、お金は最少限(ひとにかける)
グループウェアの開発販売、運用をしている。(サイボウズ)
独立時代は、金不足で松山へ行き、半年間給料はゼロだった。
創業期は目立たないと死ぬ無名よりも悪名。1997年8月、3名で創業。
地域に根差した、地域の問題を解決する起業を促進するには⇒刺激を与える「場」づくりと運営
地理的なハンデをどのように克服するか
徹底的なクラウドの活用によって、ハンデは最少化できる。
すでに必要なクラウドサービスはそろっている。
SNS
クラウドソーシング(都会の仕事を地方で受注)
クラウドファンディング(レディフォーなど。コツがある)
シェアリングエコノミー(設備を保有しなくてよい)AandBポートランドの事例10年前より37%人口増・・・最終的には人に集まる。
IoT(世界中の情報をリアルタイムに収集)
使いこなせれば地理的なハンデは激減し、対等以上に勝負できる。
地方でのkintoneの活用例として観光、製造、農業、学校、病院(医療法人 ゆうの森は患者情報をスタッフで共有しており賞を取った)、NPOグリーンバレー(葉っぱビジネス)等。
働き方の多様化・・・100人いれば100通りの人事制度があってよいのではないか。個性が違うことを前提にそれぞれが望む働き方や報酬が実現されればよいという考え方。人事制度は変えるものではなく、足すもの。公平性よりも個性を重んじることで、一人一人の幸福を追求する。
ダイバーシティ経営とは逆に、「すでに十分な人材が集まっている」と考える。
働き方の多様化へのチャレンジ
働き方の選択、場所と時間帯を選べる。
副業の自由化
退社しても再入社できる育自分休暇
ストックオプションの廃止と社内持ち株会
働き方の多様化へのチャレンジ
人事部感動課(社内に感動を作る専門職種)
自由に作れる部活・・・年間1人1万円
お誕生日会・・・・3000円/1人
喜びの叫び・・・・四半期の全社懇親会
仕事Bar・・・仕事について語る場1500円/1人
イベント・・・単発のイベント補助1回/半額
ドラマ誘致
スタ場・・・勉強会をした時の飲食代補助
・・・これらが効果をはっして離職率の低下、売上高が伸びた
低い出生率と東京への一極集中によって、地方は高齢化と縮小が進んでいる。
各地域で問題解決をする「地方起業家」を育成していく必要がある。
古いコミュニティーを打破し、若い人の感覚で再構築しましょう。
クラウドサービスを駆使することで、地方であっても効率よく事業ができる・クラウドサービスは武器になる。地方であることを克服できる。
新しい働き方を推進することは、人材の定着や出生率の向上につながる。
モノづくりの現場発の戦略論・・・潮目が変わってきているか否か、見極めることが大切となる。
今、潮目が変わった。中国対日本、昔は賃金が1対20だった。全く勝負にならなかったが、今は5対20ぐらいになって来ている。2005年はニングポイント。生産性を日本は4倍にあげれば勝負できる。
いま賃金のハンデで戦って、生産性を上げてきた会社がトンネルを抜けつつある。失われた20年というのは失礼である。苦闘の20年だ。
産業は設計情報と空間を共有する現場の集合。
起業は同一資本の支配下にある現場の集合。
半導体は日本が世界をつくっている。
物づくりとは3方よしで実現すること。よい設計、よい流れである。@お客さん良し Aこっちがもうかった。 B雇用が守られた。
無駄をなくしてよい流をつくる。
付加価値は設計情報に宿る。
地域においてはコストでは負けていても技術で勝っている会社、そんな会社を守って応援してほしい。長期で見てほしい。目先の事でバタバタしないで応援してほしい。
いま、現場ががんばれば残れる時代。モノづくりの現場を残していかなくてはならない。
シリコンバレーは、仕事をしていることによって、子や妻が住む。街がよくなっていく。・・・自分たちが街を作っていく=コミュニケーションの場
暮らしの未来を語るあるべき姿の提示・・・これが企業の支持を受けていくことになる。
<研修を受けての所管>
茅ヶ崎市にもよいものを作っている企業がある。優良企業だ。それ以外にもよいものを作っているが、資金繰りが難しい企業、そんな企業を発掘して支援していくことは、「モノづくり大国 日本」日本の発展につながる。モノづくりの現場の話を聞くことが出来、ルイスの転換点を超えた今、しっかり応援していかなくてはならないと思った。
働き方改革は、企業の話であり、自由度が大きいので様々なことが実現でき、その結果、売り上げが上がって実績を上げることが出来はなしには説得力があった。行政は売り上げ増など数字で見えてこないが、職員の福利厚生をよくすることは街の暮らしやすさとして市民に還元されるであろうことが容易に想像できたが、税を使うため実現はなかなか難しいが、できるところから実施すべきであると思う。
第8回生活保護問題議員研修会報告書
報告者 松島 幹子
日時 平成28年8月26日11時半から19時
27日 9時半から15時
場所 富山県民共生センター・サンフォンテ
<要旨>
生活保護「改革」と生存権の保障〜生活保護をめぐる最近の動きについて
いまなぜ「下流老人」なのか〜広がる高齢者の貧困と対策の必要性
自治体に求められる子どもの貧困対策
生活扶助基準引き下げ問題は今
低所得者への医療保障(国保、無料定額診療事業、医療扶助)を考える
<研修を終えての所感>
貧困は見えにくい。見えないが貧困は存在する。子どもでも貧困を隠そうとするので外からは見えない。貧困問題を見えるようにしなくてはならない。
日本の貧困の現状がOECD加盟34か国中16.1% と6番目に高い数値であることには驚いた。所得にすると1人だと125万円、2人だと170万円、3人だと210万円、4人で245万円未満が貧困ラインであると聞いた。所得の格差は開いていると感じる。
空き家を活用してみなし公営住宅として活用するような政策は必要だと思う。家賃だけが厳しいので何とか家賃部分だけの補助をと相談されたこともある。
「早めに支援する」は社会福祉の原理原則であり、早くお困りの方を見つけて早く施策を実施していくことが重要だと思った。
社会保障、福祉制度のより良い活用の中で、特に無料定額診療事業制度で利用できる病院情報は重要であるが、平塚市には2病院あるが、茅ヶ崎市、藤沢市にはないことが調べてわかった。
下流老人を防ぐノウハウの中で、「受援力」を身に着けておくという話があったが、本当にその通りだと思う。支援を拒否されることも多い。
自治体がやるべき子供の貧困対策で、茅ヶ崎市が最もやらなくてはならないことは中学校完全給食である。給食を実施していない自治体は、生活保護費の中で学校給食分が本来ならば支給されるところが支給されていない。大体ひと月5000円前後の中学校給食費なので1年分では約6万円、四球が少なく、その分、何の支援を受けていないことは重要な問題であると思う。子どもの貧困対策として、中学校完全給食は実施しなくてはならない。
完全給食無料化の自治体が増えてきている。
公的社会支出の中の現金給付の内訳を各国比較したデータを見ると、日本は極端に現役世代への所得保障が異常に低い。年金給付にほとんど当てられている。現役世代には自助・自立の強制をしているともいえると思う。若い人への保障もしていかなくてはならないと思う。異常な数字だと思う。
滋賀県野洲市「くらし支えあい条例」生活の困難を見出すことは行政の責任。3つのよし。受けてよし。給付良し。社会良し。の三方良し、には納得した。早めの支援は重要だと思う。
「まずは申請しなさい。」結果を法的に見てから対処することは重要だと思った。申請を却下することはできないと国も言っている。また、結果は4日以内に返答しなくてはならないとなっているが守られていないことが多いこともこの研修で知った。現場の状況がよくわかった。全国的なこのような研修会に来て、自分の市ではなかなか聞けない生の声を聞くことが出来た。
生活保護法よりも他法を優先しなくてはならない原則があるので、単に生活保護の側面から見るだけではなく、その人の生活全体を見て介護保険法など、他につなげていかなくてはならないが、新人ばかりのケースワーカーでは難しい場合が多い。
担当課へ行ってハックヤードでの言葉づかいを聞いているだけでもどんな運営がされているか大体の事がわかる。きちんとさん付けで呼んでいる担当課もあれば呼び捨てのところもあると聞いた。
第78回全国都市問題会議 報告書
報告者 松島 幹子
テーマ:「人が集いめぐるまちづくり ―国内外にひらかれた都市の活力創出戦略―」
日 程:平成28年10月6日、7日
会 場:岡山市 岡山国際ホテル
基調講演はドイツ文学者でエッセイストの池内 紀 氏だった。素晴らしい講演だったので、要旨をメモより記す。
歴史を忘れないドイツのまちづくり 第78回全国都市問題会議
都市問題会議2016基調講演
「まちの見方、見つけ方」ドイツ文学者 エッセイスト 池内 紀さん
ご講演は素晴らしかったです。以下、報告がてらメモを見ながらお聞きした事を思い出して書いてみました。少し長いですが、まちづくりや政治を考えさせられる講演でした。
1 名前がこんなに変わった国は他国にはない
戦後日本人の名前が大きく変わった。昔は辰吉、ハツ等の名前が多かったが今は子どもにつける名前は大きく変わっている。
2 戦後の日本とドイツは良く似ているが大きな違いがある
•日本もドイツも敗戦したが敗戦後、ドイツには1000万人の難民が押し寄せ、東ドイツ(?聞き取り正確だったか不安です)に700万人。ドイツは東西に分裂した。
•敗戦時の首相 ドイツはアデナウアー。日本は吉田茂。この二人は良く似ている。アデナウアー政権の14年は奇跡の復興と言われる。
•1963年から1965年。ドイツではアウシュビッツ裁判があった。ニュルンべルグ裁判とは違う。ニュルンべルグ裁判は勝戦国が敗戦国を裁いた東京裁判と同じ。
•アウシュビッツ裁判の頃まで、戦後20年、ドイツ人はアウシュビッツの事を知らなった。アデナウアーの原則は、当時の事は問わない。戦争中、人種差別的な絶滅政策や強制労働に係った当時の人たちは西ドイツの要職についたり教師になったり一般市民になり、20年経っていた。
•アウシュビッツ裁判の5年前から検事たちが準備をした。2000人のリストを調査した。1963年には20人を逮捕した。教師だったり野菜屋だったりした。
•ドイツ人がドイツ人を起訴して裁判した1963年から1965年のアウシュビッツ裁判、この時初めて国民はアウシュビッツのひどさを知った。
•当初は検察批判が多かった。普通の生活をしている人の過去をなぜ暴くのかという批判があった。17名が有罪判決を受けた。しかし、裁判の目的は判決を勝ち取ることではなかった。「過去を知る」ことだった。
3 「過去を知る」 教育、社会でその流れができなくてはならない。
•戦後20年たって始まったドイツ人がドイツ人を裁いたアウシュビッツ裁判。この裁判の目的は有罪判決を勝ち取ることではなく「過去を知る」事だった。
•教育、社会の流れの中で「過去を知る」ことが大切だと考える世論がドイツ国内で形成された。
•1970年ブラント首相が戦後初めてワルシャワゲトーの前で献花してひざまずいた。15秒ぐらい目をつぶった。この映像は世界中に伝えられた。それ以後、ドイツとポーランドの関係は良くなった。
•ドイツの歴史教育は現代から始める。ドイツとポーランドの学者が共同で歴史の教科書を作る。
•アウシュビッツは時効がない。今も告発が続き起訴が続いている。
4 過去に目をつぶる者は現代も見えなくなる
•リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー (西ベルリン市長(在任:1981年 – 1984年)、第6代連邦大統領(在任:1984年 – 1994年)を歴任)の言葉。
•この首相の言葉は教科書にも載っている。
•一方、日本1960年代の池田内閣は、所得倍増計画など経済一辺倒になった。
5 「倫理にも劣る」「倫理上許されない」を大切にするドイツ
•日本は前例がない等、前例主義の面があるが、ドイツ人は「倫理上許されない」等、倫理を大切にしている。
6 「倫理」をとって「技術」を退けたメルケル首相とドイツ連邦議会
•3.11福島があってドイツの今のメルケル首相は直ちに全原発を止めて点検させた。
•メルケル首相は保守系で原発推進をそれまでは行ってきた。
•すぐに2つの委員会を作った。1つは、➊「技術的な点検員会』20名。もう1つは、➋「倫理委員会」20名。倫理委員会20名には原発の専門家は1人も入れず、宗教、教育などの20名。 ➊の結論は再開できるが、40年を経過したら廃炉にすべき➋の結論は、再開は許されない。より安全な技術があるにもかかわらず一時的な経済的理由だけで再開するのは倫理上許されない。
•ドイツ連邦議会は、この2つの委員会の報告を受けて2022年にドイツのすべての原発を全廃にすることを決定した。
7 重要な決定は直ちに行う
•「2022年までに原発を全廃にする」という決定は直ちに行われた。
•「重要な問題は直ちに決定しなければならない。時間がたったならば妥協が生じる」とメルケル首相はコメントした。
•ドイツ国内の全地域に自然エネルギーのプロジェクトを作り、予算を付けた。
8 日本は自然エネルギーの技術開発に遅れをとるのでは?
•「日本は原発を再稼働させ、40年もたった原発をも稼働させるのは、自然エネルギーの技術開発に遅れをとるのではないか?」とドイツ環境省が日本政府に異例の進言をした。」とドイツでは報道された。
•ドイツよりも日本の方が自然エネルギーが豊か。なぜ、資源を使わず、原発を再稼働させるのか?ドイツ人は理解不能だと思っている。
9 まち自体が記憶する装置としてできているドイツ
•歴史的な日である「2月4日通り」、「・・・バウアー通り」等、歴史的な日にちや名前を多くの通りなどにつけている記憶都市でもある。通るたびに歴史を認識する。思い出す。
•記憶させないと歴史が途切れると考えている。ドイツの町並みはかつてあった歴史のままの外観を復元している。
•しかし、常に記憶を呼び戻されることは楽しいことではない。つらいことでもある。
•基本的に年に1か月のバカンス(空白)を法律で決めている。バカンスの間、記憶の外に出てのんびりして再び記憶のまちに戻る。
10 権利と義務(我慢する事)と倫理を重んじる
•権利は常に義務(我慢する事)が伴う。利益を得ているからには我慢する。
•ドイツのまちなみは美しい。もしも、奇抜な隣と違う色の建物を建てたい人が出たら、説得する。あなたは今美しいまちに住んでいる=美しいまちに住んでいるという利益を得ているからには我慢しなくてはならないと説得する。
•今の日本人は権利に対しては敏感だが、義務に関しては鈍感。我慢をすることが大切だと語らなくてはならないだろう。
11 郡が予算権を持っているドイツ
•日本との大きな違いは郡が予算権を持っていることであろう。郡は予算権を持っており配分することができる。
•合併はしない。どんな小さな村でも合併しない。まちの名前を消さない。○○‐○○‐○○町等ハイフンを付けた長い名前のまちが多い。
•日本は郡に予算権を付けず、合併、統合されたのは残念。
12 まち歩きの秘訣
池内紀さんのご趣味はまち歩き。ご自身の4つのまち歩きのルールを教えてくださった。
1.市役所で広報紙をもらう。
•広報紙にはまちの情報がぎっしり詰まっている。
•市役所を見る・・・古い建物を上手に活かしてバリアフリーで、なおかつ入ってくる市民の方を向いて仕事をしている市役所に出会った。一方、現状の割には立派な庁舎で閑散として部屋が余っている役所。多目的ホールに比べて図書館が貧相だったり、その逆もある。
•図書館が一番便利なところにあり、司書がいてホールがある。それがいかにまちを元気にさせるかがわかる。人は1人では本を読まない。図書館に行くと人がいる。図書館は自分の顔になれる場所であり出会いの場所である。
•ドイツでは市役所とコンビで図書館がある。
2.バスに乗っておばあさんと話をする。タクシーの運転手さんと話をする。
まちの情報が詰まっている。まちの事がよくわかる。そのまちの人の暮らしもわかる。
3.古いまちなみをどのように活かしているかを観察する。
•日本でも1990年代になって古いものは大切だとの考えが出てきた。
•歴史が裏付けしたものは強い。それを活かすには専門家任せにしないでみんなで考えることが大切。市民が知恵を出す。古いまちだから古さを活かして新しいまちにしよう等、知恵をだしてみんなで考えることが大切。
•ドイツでは情報公開はペーパーだけではなくできるだけ実物で公開して、市民が考えやすいようにしている。
4.まちに行ったら、スーパーへ行く。
•珍しいものに出会えることもある。お土産も買える。地元の物が買える。
13 日本は世界に類を見ないほど多様な国。変化の多い国。
•変化に富んでいて素晴らしい国。
<基調講演を聞いて>
書くのは仕事だけれど話すことは苦手とおっしゃりながら始まった講演でしたが、素晴らしく、考えさせられました。私は政党に所属しておらず無所属ですが、様々な政党の議員が居る中での講演なので配慮なさっていると感じましたが、おっしゃりたい事は十分伝わってきました。日本の政治のあり方、私たちの暮らしについて考えさせられました。「歴史から学ばない政治家」とか『政治家ほど歴史から学ばない人間はいない。』という言葉を耳にしたことがあります。歴史から学んで古いものをまちづくりに活かすことは大切、最も強い事だと改めて思いました。茅ヶ崎市の歴史、文学を活かしたまちづくり、私たち自身がまちの歴史を学び、知恵を出し合ってまちづくりを進めることが大切だと思いました。廻船問屋として柳島湊(みなと)を母港として、大々的な商いを行っていた藤間柳庵さんの事などを思い出しました。歴史を学んで、歴史を活かしたまちづくりはロマンがあるし歴史の厚みがあり、講師の池内紀先生がおっしゃっているように魅力的で魅力が強いまちづくりができると確信しました。
人を惹きつける都市空間とその文化力 一般報告
1970年、ボローニャモデルが生まれた…暮らしの場として古い都市、歴史的都市をよみがえらせよう=ボローニャモデル
日本でも歴史的空間の再評価が行われ金沢市が世界に誇る日本の代表格といわれている。日本のチェントロ・ストリコとも言われている・
石見銀山の松場大吉・登美夫妻の「群言堂」はファッションと宿泊で注目されている。
人々の価値観がここ1年ぐらいで変わった。本「スローフードの奇跡」を読むとよくわかる。
品川のフローリングレストラン、運河ルネッサンスで面白い取り組みである。
「タモリの東京坂道美学入門」「凸凹を楽しむ 東京すり鉢地形散歩 皆川典久著」は街づくりで参考になる。段差が一つあると車が入らないという価値がある。
「坂ですれ違う あなたは美しい」というパルコのキャッチコピーはとても注目された。
歴史的な都市が元気になったのが80年代。それとともに農村、田園が価値を持ってきた。
食文化と地域おこしを観光につなげていくことが重要。
エテノカ(ワインバー)は都市再生の指標とヨーロッパでは言われている。
自然資産+歴史的文化資産+エノガストロノミア(ワイン食文化の連動)・・・地域資産を活かした固有性の高い街。地域づくりが大切
<所感>
とくに基調講演には感動した。また、辻堂にあるロボットスーツでリハビリを行っているサイバーダインの山海嘉之先生のエネルギッシュなお話にも感動した。日本では認められなくて海外で認められたとたん日本政府からも呼ばれ、注目されたとも聞いた。日本は前例主義から脱却できない。新しいものには慎重だ。改善していかなくてはならない。ロボットスーツは、リハビリだけではなく産業の場でも大いに今後期待できるが、軍事目的に使われることが無いようにしていただきたい。技術的にはロボットが戦争をすることも可能なところまで来ている。まさに映画の世界だ。少子高齢化で人口減少のいま、大変希望が持てる話でもあった。技術革新は早いスピードであることを実感した。まちづくりも変わってくるだろうと思う。
トップマネジメントセミナー
「人口減少社会に対応した行政運営」
日時 平成28年10月27日〜28日
場所 全国市町村国際文化研修所
報告者 松島 幹子
人口減少社会における自治体経営
真庭市が目指すもの〜バイオマス利活用に取り組み紹介〜
地域イノベーションを生み出す行政運営を考える
人口減少社会におけるこれからの行政の役割
<提出した事前アンケート>・・提出してから参加したが、特段に使用しなかった。
茅ヶ崎市の面積 35.76㎢
人口 239,552人(4/1)
外国人数 1,569人(4/1)
職員数 2,128人(4/1)
高齢化率 25.06%(4/1)
財政力指数 0.939 (3/31)
人口推計に基づく予測
人口(2040年) 217,420人
15-64歳人口割合 55.05%
「人口減少は貴自治体にとって何が課題となると思うか?」
市税収入の減少により経常的経費が賄えなくなり、市単独事業のカットなど近隣市と比較して市民サービス面での格差がつき、図書館など文化的な経費削減などにより更なる人口減少を招くと危惧する。
「貴自治体の住民の暮らしは、人口の多い自治体と比べ、どのような点が違うか」
文化的な魅力に遅れをとっている。公園理緑地が少ない。
<要旨>
変化はチャンスである。変化をとらえてよいところをつかんで活かしていくのがイノベーションである。
創造的破壊が経済成長の源泉である。
行政機関の役割は、住民などがより幸福になるように行動すること、支援すること。
行政機関の成果は、住民の、未来の暮らしの変化(才能の向上、チャンスの拡大など)
変化は課題であり、脅威ではない。
世界との低賃金競争に勝つのは無理⇔世界に通用する個性的な価値を創造し世界で活躍する・・・・これしかない!!
日本の人口は減少していくが、世界人口は増えていく。=マーケットは増えていくということである。
グローバル化は、人と違うことをやる場合にはチャンスとなる。
今後は固定資産税は下がっていく⇒東京に住めるようになる。
地図は大切。市内のち数だけで見ていてはだめ。市外に目がいかない。一方、市民は市外にも目が行っている。=ズレが生じる。
日本の企業の3割は東京本社の企業である。関連企業を含めるともっとになる。
市町村別所得ランキング・・・@港区A千代田区B北海道猿払村…・L山梨県忍野村(人口8296人)・・P北海道安平町 Q愛知県長久手町
市役所の人事配置と職業構成はあっているのか…国はあっていない。三次産業従事者は70.2%もいるのに所管している職員はたったの50人から100人。自分の周りにいる人は全体の何割くらいなのか、声なき声を聞くように話をしっかり聞いてほしい。
独自の政策を作ることが大事で国が言ったとおりにやることではない。
制度は縛りである。効果がないならしばりは、コストパフォーマンスがあるのか?=税金がとられる。人件費がかかる。法律を読まなくてはならない。自由な発想が縛られる。
住民の幸福のために@政策を企画し実現する(法律に違反しない限り)Aその一環で、中央政府・都道府県に法律・制度をつくらせ、変えさせる。
ほっといてもやることに政策はいらない。やらないことに政策が必要。
職員には職員にしかできない仕事をしてもらったほうがよい。そのためには、できない事は委託する。=詳しい人に聞くと3分でわかることもある。職員が政策に回れるように変えることは大切。
成果を明確にすることは大切である。地域振興というよりも○○さんの金儲けといったほうが格段わかりやすいように。
イノベーションは「人」。やるべきことをやるために「人」を連れてくれば良い。ではどうやって人を連れてくるか=人事である。世界から選べばよい。
人事管理には雇用もあるが、業務委託を個人にする方法もある。受託した人の机を置いておけば可能である。
大義は時代とともに、立場、見方によって変遷する。いま、支援の対象になっているのはごく一部の人。それ以外の人の支援は捨てている。「なぜ、今これが必要か」を議論することか必要。大義は、犠牲・住民等のコスト負担を伴う。犠牲になっている住民の事も含め、だれのための大義化を考えるべきである。
成果は打率である。すべてうまくいくとは限らない。2割当たれば良い方。やってみなければわからない。どんどんやる。失敗を恐れないことが大切。
変化は機会。組織の焦点は成果に合わせなくてはならない。組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせなくてはならない。=問題点を発掘する会議ではなく、昨日は○○なチャンスを見つけましたの会議であるべき。
人の強みよりも弱みに目を向ける者をマネジメントにしてはならない。
何が正しいかよりも、だれが正しいかに関心がある者をマネジメントにしてはならない。
リーダーシップとは人を惹きつけることではなく、人のビジョンを高め、成果の水準を高めることである。
「里山資本主義」真庭市の挑戦・・・日本の里山を元気にしたい
人口推計と予測はちがう。推計=今まで起こってきたことがそのまま続くと仮定しているので予測ではない。
人口減少を止められるか否かは女性がカギを握っている。20〜30代の女性が住みやすいかどうかにかかっている。
経験と勘に頼ったまちおこしは失敗する⇒エビデンスベースで行かねばならない。
日本の経営者の平均年齢は68歳。後継者不足。半数以上がもうかっているのに後継者不足である現状がある。
なぜ、この町に住んでいるのか。街の歴史を教えることは大切。
データに基づく、地域ごとの特性と地域課題を抽出し、第3者に説明できる合理性のある政策をしなくてはならない。リーサスの活用も重要である。
人口拡大期はどちらかというと伸ばしていくほうだった。議会は議長の足を引っ張らないように粛々とやっていたほうがよい時代であった。しかし、今は違う。人口減少期であり、個々の住民の合意が大切。議員の役割が大切である。住民との合意形成が出来ている自治体と出来ていない自治体では差が開く時代となる。
人口動態に影響を与えるということは大変なことであり、すぐに成果は出ない。
人口ビジョンの再検証をしてほしい。
<所感>
この施設には国の職員などが出向で来ている。様々な情報が入る。たとえば、補助金をその自治体に出すか否か、その自治体の対応によって担当者の判断が加わって決定されると聞いた。世界を見て仕事をしていない自治体に補助金を出してもムダ金になる等々、聞くことができた。講演はどれも内容が濃く、参考になった。
茅ヶ崎市は果たして、住民の合意形成のもと自治が進められているか、合意形成がうまくいっていないと感じる。
また、高齢者でなく若者への施策がうまくいき、若者にとって住みやすい街になっているか否か、かなり高齢者向きの施策が多く、事業も使われていると感じる。当然、保育園を増やすなど費用は使われているが、若者支援、子供支援へもっとシフトしてよいのではなかろうか。将来的な人口におおきく影響を及ぼすのではと感じた。

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