2010/6/21

愛その他の悪霊について  徒然

G・ガルシア・マルケス著  旦敬介訳 新潮社
 ここ二三日体調が悪いのです。二年前に体調崩してからこっち、低空飛行なのですが、また来たなという感じで調子が悪い。具体的にどうなのかというと、とにかくだるい、頭がぼんやり痛い、気味の悪い汗はかくけど背筋が寒い、明け方に目が覚める、といったものです。体が重くて不快で、自分の体を脱ぎ捨てたくなります。まあ、そういう夜に読むのに丁度良い本でした。この本を買ったのは3年くらい以前だと思うのですが、途中まで読んで投げ出しておりました。本棚の奥にあったのを見つけて読返したら一気に読めました。
 マルケス独特のくどいような筆致で、ねっとりと汗ばむような悪夢の世界を延々と描写しております。狂犬病にかかった侯爵令嬢の物語なのですが、令嬢が狂っているのか、植民地の世界が狂っているのかよくわからなくなります。何が悪霊で、何が悪魔で、何が奇跡なのかもぼおっと湿気とほこりと悪臭のなかでかすんで見えなくなりそうな世界。色々な解釈が出来そうな作品です。

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2010/6/20

ま・く・ら  徒然

柳家小三治著 講談社文庫
 噺家柳家小三治さんの噺の枕だけを集めた本。随分以前に買って読んだものですが、何度読んでも面白い。「駐車場物語」は傑作ですねえ。あと、「玉子かけ御飯」で紹介されている美味しい玉子かけ御飯の食べ方もこれを読んで以来実践しております。あとは「彦六師匠と怪談噺」。彦六師匠の怪談噺が好きなので。
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2010/6/18

朽ちていった命  徒然

朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録ー
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮文庫

 今の仕事柄、放射線安全管理やら生命倫理について考えることが多くなりました。以前、本書を読んだ時は興味本位だったのですが、また読み返すと色々考えされられます。
 本書は主に医療中心のドキュメンタリーで、安全対策についてなどは特に述べられていないのですが、安全対策を怠って事故が起きると最悪の事態ではこういうことになる。犠牲になるヒトはこんな経過で死んでいく。ということを知るのとただ「犠牲者2名」という文を読むのとでは意識が違ってくると思います。
 また、終末医療についても考えさせられます。ヒトの尊厳って何なのだろう?でも、自分が家族の立場だったら、生きていて欲しいと願うだろうし、でもあんな苦しみを長引かせて何になるのだろうかとも思うでしょう。「オレはモルモットじゃない」という言葉が胸に残ります。


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2010/6/14

アンナ・カレーニナ  徒然

新潮文庫

結構長い時間をかけて読みました。途中、「高慢と偏見とゾンビ」を読んだりして脱線していました。でも面白かったです。新潮文庫のカバーの後ろにあらすじが書いてあって、先に目に留まってしまい、ちょっと興ざめ。でもそこには「罪の意識と嫉妬」でアンナは破滅すると書いてあったけど、はたして彼女は「罪の意識」なんてあったのかなあ。ただただ正直に生きたかっただけではないかなあと思いました。で、ヴロンスキーと上手くいかなくなっていく描写がリアルで怖い。なんだか似たような事したことあるような。いえ、私がアンナ・カレーニナだとは言いませんよ。おこがましい。でも、つい、つきあっている人相手に対戦モードになってしまい、言いくるめようとしてしまい、それで嫌われるというようなことはした覚えがあります。どうして、あの時、キティのように出来なかったのだろうかと思ったり。(遠い目)でも女性からみてもアンナはとても魅力的だし、可愛そうだし、愛すべき人だと思いました。
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2010/6/13

キャンディード  観劇

帝国劇場
ジョン・ケアード演出。ジョン・ケアードの演出は結構好みです.シンプルな装置で場面転換が早くて演劇的な面白さが味わえる。今回のキャンディードもそういう演出でした、ヴォルテールが登場人物を糸操りのように操る幕開きが仮名手本忠臣蔵の大序の始まりみたい。
 以前、宮本亜門演出のも観た事があるのですが、そっちよりも物語が全面に出て来ている感じで、どちらかというと物語中心に観劇する私の好みです。でもかなり以前に観たのに、曲とか台詞とか覚えているものですね。「一度は王であったが、今は王ではない」とか「お尻が半分」とか・・・。
 曲はもちろん、出演者も素晴らしくて、本当に面白い舞台でした。色々考えさせられるところもあり、知的で寓話的。もう一回みたいと思わせる舞台。

 3列目で観劇したのですが、私の前を井上君(キャンディード)が通ったのでした。膝の上に座ってほしかった。(爆)そんなおまけもあって嬉しい舞台でした。
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