2005/10/24

験を担ぐ  公演情報

昔、少しだけ能を習っていたことがあります。伝統芸能の役者さんたちは験(げん)を担ぐ方も多いですよね。出掛けに火打ち石とか、縁起の良いお菓子とか。それはとても懐かしく美しい日本の伝統に根ざしたものでもある。

「食」で言えば、私もこの仕事をしていて、大学の近くにもある「桃林堂」の小鯛焼きを験担ぎに頂くことがあります。8センチほどの可愛らしい姿です。添えられたヒバの葉も青々と美しい。
上野の杜は銀杏が色づき、実が落ちて、すっかり秋の深まりを感じさせます。私は大学から日暮里までを散歩道にしています。

その途中に「桃林堂」があり、心静かに秋の菓子と抹茶を頂くことが出来ます。
この季節だけの菓子は「深山路」。
ふりつもった落ち葉をかきわけてみるとそこにはいろんな木の実がかくれている。
そんな山深い小路に思いをはせながら、丹波大納言に栗と黒豆を添えて
赤小豆の浮島とそぼろを重ねた控えめな姿が慎ましく美しいと感じます。

余談ですが、切花を最も簡単に長持ちさせる方法は、花瓶の中にコップに半分ほどのサイダーを入れること。これで花の寿命が倍になります。理由はよくわかりません。

公演が終わるまで暫くブログの更新はお休み。
今日はオーケストラ合わせでした。

沢山メールを頂いているのに返事が出来ませんがお赦しください。
集中して体調を整えたいと思います。
皆様も寒さに向け御身体大切にご自愛下さい。



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2005/10/16

秋雨  公演情報

当然の激しい秋雨。傘を持っていない人も多かったようですが雨に濡れませんでしたか?
私の方は《さまよえるオランダ人》の稽古も佳境に入ってきました。今日は12月名古屋公演を指揮する沼尻竜典氏も加わっての稽古でした。男声コーラスの場面などもとても活き活きと力強くなってきたのがわかります。
来週からはオランダの巨匠ワールト氏が加わり、骨太のワーグナーをつくりあげてくれることでしょう。

オペラには指揮者・演出家、出演者以外にも本当に大勢の方たちが関わっています。出演者や大人数のコーラスやオーストラを想像されることと思いますが、それだけではありません。

稽古はオーケストラ合せに入るまで長期間ピアノで行います。公演の舞台には上がりませんが連日この激しい音楽を長時間弾いてくれるピアニストの皆さん、そして照明家や舞台監督、副指揮や合唱指揮の方々、スケジュールを調整してくれる制作スタッフ、字幕や照明キューひとつとってもそこにそれぞれのプロの技があり、時によっては数百人もの人間が関わって上演に至ります。
その大きな力の集結が舞台に強力なパワーとエネルギーの共振をもたらしているのだと思います。ソリストはそんな皆さんに支えられて責任重大ですね。
もう寝なくちゃクリックすると元のサイズで表示します
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2005/10/13

久しぶりに泳いできました  公演情報


稽古でなかなか泳ぎにいけませんでしたが、今日少し時間ができたので久しぶりに泳いできました。自分なりの身体のメンテナンスかな。身体が軽くなったような気がします。クリックすると元のサイズで表示します
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2005/10/10

体育の日  公演情報

まだブログをはじめたばかりですが、沢山のアクセスありがとうございます。そして沢山の嬉しいメールも。海外で過ごしている元教え子だった人たちからも元気な近況などを聞くことができて、懐かしく頼もしく思っています。
今日はあいにく雨の体育の日でしたが、私はNHK合唱コンクールの審査員として、大勢の若者たちの声を聴かせてエネルギーを貰った一日でした。
青春時代に歌ったメロディーというものが、きっと社会人になってもその時の光景とともに思い出されるものではないでしょうか。
中学、高校時代に打ち込んだことというのは、いくつになっても大切に思い出されるものです。私も高校時代、良い先生に出会い、そのお蔭で歌の道へ進むきっかけとなりました。
今という瞬間は、次の瞬間には思い出になってゆく。たいていその瞬間は夢中でそんなことを考えて暮らしているわけではないけれど、今を懸命に生きていれば、その時は、気づけばとても素晴らしい思い出になっている。沢山の思い出がある人生は楽しいものだと思います。
私は香川県坂出高校の出身です。音楽や合唱が盛んな県といえるかもしれません。プロの声楽家の中にも香川出身の人は随分いらしゃいます。
ソプラノの林康子さんや《さまよえるオランダ人》の稽古でご一緒しているバスの長谷川顯さんなども香川県の出身です。長谷川さんはソリストに転向される前は長年二期会合唱団で全国を廻っていらしたそうです。
皆でつくり上げてゆく合唱というものには確かに魅力があります。《さまよえるオランダ人》にも大勢の男声・女声合唱の方々が参加していて、そのパワー溢れる歌声を聴いていると、オペラの醍醐味を感じます。私もがんばります。
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2005/10/9

皇帝ティートの慈悲  世界の首脳に観てほしい  公演情報

 《皇帝ティトの慈悲》そのココロは? ひとことではいえないけれど・・
明日、明後日、東京藝術大学では、藝大オペラ定期第51回として、モーツァルトの『皇帝ティトの慈悲』を上演します。藝大オペラ定期は、沢山のスタッフや関係者のエネルギーを結集し、次代を担う若い出演者たちの輝かしい未来への扉を拓く記念すべき公演です。これまでもここから沢山のアーティストたちが世界に巣立ってゆきました。
モーツァルトのオペラの中でも《ティト》はよくご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、なかなかの作品です。掛け値なしで本当に奥が深い!琴線にふれ魂に響くその魅力をぜひ多くの皆様に感じてほしいと思います。
その藝大《ティト》のゲネラル・プローベ(総稽古)を観ながら、私はあらためて5月にハンブルクで観た『皇帝ティトの慈悲』の公演に思いを馳せていました。

 東京二期会は来年4月にハンブルク歌劇場と共同制作でペーター・コンヴィチュニー演出『皇帝ティトの慈悲』を上演するのです。春のハンブルクのプレミエ公演の後、演出家のコンヴィチュニー氏と『ティト』についていろいろ話してきたのですが、そのときコンヴィチュニー氏の言った言葉を反芻しながら、またいろいろなことを考え、発見したような気がします。

コンヴィチュニー演出《ティト》は死にかけたハートに効果覿面。
きっとご覧になる皆さんの心に、消えてしまったと思っていた熱い血潮を蘇らせることでしょう。さまざまなダメージを受けて弱っているように見える近代社会や、仮面をつけて自己防衛せざるをえない現代人の心にカンフル剤のように沁みてくると思います。

ぜひ世界中の首脳にこのオペラを観てほしい。

コンヴィチュニーのやり方は、極上の気楽なエンターテインメントかと思わせて、いつしかすっかり私たちを戦略に嵌め、作品にひきずり込み、観終わった後に「ああ、やられた!降参だ」と嬉しい悲鳴をあげさせるのです。
気づいた時にはもはやコンヴィチュニーというキューピッドの矢にすっかり射抜かれてしまっている。その驚き、その意外性。その充実感は格別です。

私たち同様に悩みを抱える等身大のティトがそこには居る。
迷いつつ苦しみつつ「もうひとつ心臓があれば・・」と願ったであろう青二才で迷い多き為政者ティトが、成長しアダルトチルドレンではなくなる瞬間や変化をあれだけ嫌味なく自然に見せててしまうコンヴィチュニーの才能には正直驚かされます。

オペラは退屈ではない。オペラは真実を語るもの。
もしも「オペラってなんだかよくわからなかったし、退屈だったけれど高尚だったことにしておこう。だって高い入場料も払ったし・・」と納得しようとしている貴方。その考えはきっと間違いです。そのことを確認するために観てほしい。
コンヴィチュニー氏の優しい笑顔に隠されたさりげないひたすらの情熱と強烈な意思。
その渾身の演出に巻き込まれ息を呑めば、「オペラ」がまだ老いぼれていなどいず、ちゃんと生きていたことを実感し、オペラの未来に希望を感じることができると思うのです。

古代ローマも現代も人間社会にはいろいろなトラブルがつきもので、為政者・権力者というのは沢山の責任を負い、陰謀や裏切りの渦に巻き込まれ不自由も多いことでしょう。コンヴィチュニー演出のティトにも「ああ、もうひとつ心臓がほしい!」と思うような悩みが沢山あるのです。

ティトが自分の使命を自覚し、真の為政者として成長する過程を心臓移植のパロディーなどでわかりやすく見せながらも、決してどたばたにはならず、感動がこみ上げてきました。
コンヴィチュニー氏の手にかかるとティトが本当に魅力に溢れて劇場の中からこちら側へと飛び出してくるのが印象的でした。他の登場人物ともども古代ローマの遠い人間としてではなく、鋼鉄の心臓など持たぬ、柔らかいハートを持った男として描かれました。   それが私には演出を通じて常に社会に自分の考えやメッセージを発信しながら、天才演出家としての名声を極めたコンヴィチュニー氏自身の姿にも思えたのです。
この作品はコンヴィチュニー氏にとって、とても大切なものなのだということが感じられたのです。そうそう「ぜひミスター小泉純一郎にも観に来るように伝えてほしい」とことづかりましたっけ。
4月の東京公演には日本の政財界のつわものたちにも大勢いらして頂いて、感想を伺ってみたいものですね。 



☆藝大オペラ定期第51回
W.A.モーツァルト 皇帝ティートの慈悲 全二幕(原語上演/字幕スーパー付)
日時 : 2005年10月9日(日)
2005年10月10日(月・祝)
13:30開場
14:00開演
会場 : 東京芸術大学奏楽堂(大学構内)
入場料 : 2,400円(全席自由)

主催 : 東京芸術大学音楽学部
藝大オペラプロジェクト実行委員会

指揮 : 高関 健
演出 : 直井研二
出演 : 東京芸術大学大学院音楽研究科声楽専攻生
東京芸術大学音楽学部オペラ研究部
オーケストラ : 東京芸術大学音楽学部管弦楽研究部
合唱 : 声楽科学部3年生(オペラ実習T履修生)
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2005/10/5

香醋(こうず)とウコン  公演情報


だいぶ涼しくなってきました。お元気ですか。
季節の変わり目には風邪をひいたり体調を崩す方もいるようです。
「声楽家は身体が楽器なので何か身体によいことをしていますか?」と質問されることがよくあります。私も仕事柄、健康には気をつけようと思っていますが、やはり夜の稽古が続くと、夕食をとりそこねたり、睡眠不足になることも多いですね。

何より歌うことが好きだし、忙しくてもポジティブに物事をとらえることを心がけています。嬉しいことや楽しいことを考えていると元気になるし、良いことが訪れる経験ってありませんか。

ファンの方から香醋(こうず)とウコンを頂きました。
ケミカルなものに頼らずに自然の恵みに感謝して暮らしたいと思います。
本番が終わるまで当分ワインは飲めませんが、長年熟成させた中国のお酢は、水で割って飲むとまろやかです。

ウコンはしょうが科の植物ですが、料理に使うターメリックも同じ種類なのでしょう。
うがい薬でなく、ウコンやお茶でうがいをするのもよいと聞きました。
試してみようと思います。

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