2006/10/15

カレル・チャペック  雑感

10月8日、9日と藝大オペラ『セビリャの理髪師』が無事に幕を閉じました。藝大の中にある奏楽堂で上演し、毎年楽しみにいらしてくださる方々も多いようです。
その演出を手がけたのは、粟国淳さん。故粟国安彦さんのご子息で、イタリアで育ちました。粟国安彦さんは1941年沖縄の南大東島の生まれ。歌い手から演出を目指しイタリアへ留学し日本でもイタリアオペラを中心に沢山の舞台を手がけ、48歳の若さで才能を惜しまれつつ亡くなったオペラ演出家ですが、今、その意思を継いで演出家となったご子息の活躍を、好きだったというホットビールでも飲みながらどこかで感慨深く見守っていることでしょう。

11月には東京二期会『コジ・ファン・トゥッテ』が、日生劇場で上演されます。この作品の活き活きとしたアンサンブルをご覧になるには、日生劇場は大きすぎず、ちょうどよい空間だと思います。今回、フェルランド役には芸大出身の鈴木准君がデビュー。高音も多く通常の舞台ではカットされてしまう24曲のフィオルディリージへの美しい求愛のアリアなども演奏するそうで楽しみです。

カレル・チャペック『マクロプロス事件』の翻訳本は増刷されておらず手に入りにくいようですね。   
私はケルン歌劇場のギュンター・クレーマー演出でこのオペラを観ました。音楽の素晴らしさと不老不死をテーマにした台本の面白さで、ヤナーチェクのオペラの中でもぜひ上演したい作品です。
カレル・チャペック(1890年1月9日-1938年12月25日)は20世紀前半のノーベル文学賞作家候補にもなったチェコの作家ですが、48歳で夭折しています。
「ロボット」の語源は、チャペックが、機械文明の発達と乱用への批判を描いた戯曲「R・U・R「エル・ウー・エル」(ロッサムの万能ロボット会社)」の中で用いた造語で、チェコ語で強制労働を意味する「robota」が語源といわれています。チャペックの戯曲の魅力はSFを越えて、人間にとって真実とはなにかを追求したところにあるのかもしれません。
「R・U・R」では、科学が発展し人間の子供が生まれなくなった近代に、労働力として人造人間(ロボット)が大量生産されるのですが、ある女性がロボットに心を持たせることを会社に要請したため、心を得たロボットたちが反乱を起こして人類を滅ぼしてしまうのだが…という話で、その後のSF文学や近未来映画にも影響を与えていると思われます。
クリックすると元のサイズで表示します
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ