2008/12/16

ベートーヴェン「第九」  音楽

An die Freude
O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.


今年も残り少なくなりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
このところ週末『第九』の演奏が続いていました。年末はいつも『第九』を通じて、各地で沢山の出会いを経験させて頂きました。去年と同じ会場で顔見知りのオーケストラの方々や合唱の皆さんと一緒に歌う『第九』も楽しみですが、先々週は福岡県飯塚市の嘉穂劇場で「第九」を歌ってきました。日本で最初に年末に「第九」が演奏されたのが、70年前、NHK交響楽団の前身、新交響楽団による東京の歌舞伎座での演奏が最初だったということなどに想いを馳せながら、街に降り立つとあたりは雪。飯塚市には飯塚新人音楽コンクールの審査などで何度も訪れているものの、嘉穂劇場は初めてです。この江戸歌舞伎小屋様式 木造2階建の伝統ある劇場では、「女将でございます」と劇場支配人ならぬ女将にご挨拶頂き、またびっくり。
http://www.kahogekijyo.com/dai9/dai9.html
嘉穂劇場でドイツはブレーメン出身の巨匠フォルカー・レニッケ氏が、2004年暮れから毎年『第九』の指揮をなさっているのですが、レニッケ氏は1976年に九州交響楽団常任指揮者として来日して以降、日本との親交も大変深い方です。
03年夏に九州北部豪雨の水害の被害でこの劇場も浸水し使用出来なくなりましたが、劇場を愛する有志の皆さんの復旧チャリティイベントなどを経て、約一年をかけて復旧したと聞きました。コンサートホールでの「第九」は、指揮者、オーケストラと4人のソリストの後方にパート別の合唱の皆さんが整列するかたちでの演奏が多いのですが、この歌舞伎小屋での演奏では、上手上方に男声合唱、下手上方にソプラノ、そして客席後方にアルトの合唱と客席を囲むように位置し、第四楽章では、劇場全体が声のハーモニーと力強い音楽の響きに包まれました。
第二次世界大戦で焼け野原となったブレーメンでも諦めずピアノを弾き続け、ナチス親衛隊入隊への誘いを毅然として断わり、常に音楽とともに人生を歩んできたレニッケ氏の想い、そして集まった皆さんのひとつひとつの人生が共振しあって、昇華してゆく。
「第九」には何か大きな力が宿っていて、個々には非力かもしれない人々が時代の節目節目に力とエネルギーを結集し、新しい時代を築いてゆく意志を受け継いでいるようにあらためて感じます。
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日本でいつしか年末の風物詩として定着している感のある『第九』の根本に流れる精神について、新たな感慨を持って考え、演奏する思い出深い経験がまたひとつ増えました。

第23回館林第九演奏会(群響巡回演奏会)
2008年12月13日(土)18時30分開演
館林市文化会館 主催:群馬交響楽団、館林第九合唱団
ホームページ http://homepage3.nifty.com/tatebayashi_daiku/page010.html

第18回伊勢崎第九演奏会
2008年12月14日(日)14時30分開演
伊勢崎市文化会館 主催:伊勢崎第九を歌う会


今年も一年間、本当にありがとうございました。
Frohes Fest und ein gutes neues Jahr!
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