2010/9/8

『魔笛』明日開幕  音楽

 いよいよ明日はモーツァルト『魔笛』初日です。
私は実相寺演出では、パパゲーノと今回の弁者(Sprecher)も何度も演じてきましたが、一幕の後半、王子タミーノがザラストロの城に着き、その扉を叩いて、弁者と出会うシーンでは
モーツァルトの音楽の荘厳な美しさに毎回身が引き締まる思いがします。
実相寺演出では高い階段があって、私はそこから降りてきてタミーノと問答するのですが、その舞台空間の使い方も監督ならではの精緻な緊迫感がありますね。

今月は30日に日本語訳でバッハ「マタイ受難曲」のイエスも歌うので、その日本語訳詞についてもこのところ納得がゆくまで何度も推敲して考えながら、やはり「マタイ」のイエスと『魔笛』の弁者には相通じるイメージがあるなぁと思っていたところです。

以前、2000年の頃にも実相寺監督と『魔笛』についていろいろ話していて、監督の考える弁者のイメージというものは、プロトタイプの教義を説く一面的な聖人然としている者ではなく、やはり『マタイ』のイエスのように、心の中に感じたことや揺らぎさえも自然と滲み出てくるような、血の通った人間らしさを持った立体感のある存在と言う風にとらえているのではと想像していました。

『魔笛』の初演は1791年9月、モーツァルトはその初演の2 ヶ月後に世を去ってしまいましたが、モーツァルトが遺してくれた天衣無縫なこの素晴しい作品を演奏できる幸せを感じています。
そして装置や衣裳の変遷はあるにせよ、この作品を風化させない実相寺演出に流れるバックボーンの確かな支えによって、またこのオペラに新しい生命が吹き込まれてゆくのでしょう。

東京二期会『魔笛』 オペラ全2幕
公演|2010年9月9日(木)18:30、10日(金)18:30、11日(土)15:00、12日(日)14:00
会場:新国立劇場 オペラパレス(初台)
指揮:テオドール・グシュルバウアー(Theodor Guschlbauer)読売日本交響楽団

http://www.nikikai21.net/blog/ 
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