2012/3/16

3月11日のドイツレクイエム  音楽

これまで何度もブラームス「ドイツレクイエム」を歌ってきましたが、2012年3月11日の演奏はまた特別なものでした。
第3楽章は、バリトンソロではじまり、聖書の詩篇の言葉ではじまり、旧約聖書ソロモンの智恵の言葉で終わります。人間の生命の儚さ、そして魂の救済への希い。ブラームスが選んだ言葉の一言一言を噛みしめながら、リハーサルの最中に思わず涙がこみあげてきそうになりましたが、合唱とオーケストラの活き活きと魂を感じさせる演奏と、広上淳一さんの情熱と人間味溢れる、しかし作品全体をしっかり俯瞰した求心力とエネルギーに満ちた指揮で、音楽はどんどん高みへの昇ってゆくようでした。
東日本大震災から1年、様々な想いと祈りの籠った素晴らしい演奏に参加することが出来、私自身、大きなエールを贈られたように感じています。
小田原市、そして神奈川県内各地から合唱に参加された170名の方々、指導者の皆さんを入れるとそれ以上でしょうか、半年以上練習を重ねてかけて準備されたという美しくも迫力ある歌声、全国から結集した素晴らしいオーケストラの皆さんとともに演奏出来たことはかけがえのない思い出となることでしょう。
昨年の3月11日、東北地方太平洋沖に地震が起きたのが14時46分。今回のレクイエムでは、演奏の最中、第3楽章と第4楽章の間にマエストロがタクトを置き、ともに静かに黙祷を捧げながら進行しました。
ブラームスはこのレクイエムの歌詞をドイツ語の聖書から選び作曲しました。
第3楽章は、詩篇の Herr, lehre doch mich, 主よ、知らしめたまえと、限りある生命の儚さを歌うバリトンソロではじまり、ソロモンの智恵、Der Gerechten Seelen sind in Gottes Hand 正しいものの魂は神のみ手にあって und keine Qual rühret sie an. いかなる責苦も彼らに届くことはないで結ばれています。
そして第4楽章から第6楽章、und wir werden verwandelt werden. わたしたちは変えられるのである。からクライマックスのヨハネの黙示録へ終わる第7楽章へと、舞台と客席との間にはえもいわれぬ感動と一体感に包まれてゆきました。
私はといえば、歌と音楽に携われる者としての幸せをあらためて深く感じ、この日の演奏を糧にまた日々を積み重ねてゆきます。
時しも外には薫り高い梅の花が咲き、春の訪れを感じさせてくれました。
共演者の皆さん、お世話になった方々、実行委員会、運営サポーターの皆さん、本当に有難うございました。その後も地震があったりしますが、どうぞお身体大切に、またどこかでお目にかかれんことを。

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指揮の広上淳一さん、
ソプラノ田中詩乃さん、実行委員長でコンサートマスターの白井英治さん等と。


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