2018/12/10

年の瀬に  雑感

2018年12月8日(土)
群馬交響楽団・湯浅卓雄マエストロ、館林第九合唱団・館林一中2年生、館林二小6年生とともに
館林文化会館大ホールにて、今年もベートーヴェン交響曲第九番の演奏が無事終演しました。
演奏を終え、様々な出会いや今年の出来事、そして未来に想いを馳せています。
早いもので今年で結成33年、その長い歴史の中で合唱団員も増え、280名の方々が参加してくださって
います。第4楽章では、青少年の皆さんとも一緒に演奏するというかたちが定着してゆくことにも
手ごたえと喜びを感じています。

上毛新聞ニュース
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/culture/97964

演奏を終え、様々な出会いや今年の出来事、そして未来に想いを馳せています。
早いもので今年で結成33年、その長い歴史の中で合唱団員も増え、280名の方々が参加してくださって
います。第4楽章では、青少年の皆さんとも一緒に演奏するというかたちが定着してゆくことにも
大きな喜びを感じています。

館林第九合唱団
http://tatebayashi-daiku.la.coocan.jp/



感慨も一入、第九」を歌い終え、飛行機で高松へ。
こちらも素晴らしい記念演奏会でした。
菊池彦典(きくち よしのり)マエストロ・高松交響楽団とともに香川県出身の素晴らしい歌手の皆さんと共演することが出来ました。


早いもので今年も締めくくりの時節となりました。
沢山の出会い、そして天に召され旅立ったゆかれた方々もいらっしゃいました。
ご尽力くださったたくさんの方々に感謝しつつ、皆様にとってよき年末年始でありますように。

今後とも宜しくお願い致します。

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2017/1/22

元気になりました  雑感

久しぶりのブログ更新です。
2017年は、私にとって節目の年だと思っています。

東京藝大入学のため、香川県坂出市離れ上京上してから、はや半世紀以上が過ぎ、その間、イタリア、ドイツ時代を経て、演奏を通じ、国内各地のみならず、ポーランド、フィンランド、イギリス、中国(北京、上海)、台湾など、いろいろな国でたくさんの出逢いがありました。

毎年、12月は一年うちでも最も忙しく、慌ただしい時期ですが、昨年末に高松で体調を崩し、あらためて健康のありがたさを思い知りました。
その間、親しかった方の急な訃報などもあり、生かされていることへの感謝と自分にとって積み重ねてきた演奏生活の大切さ、そして今後自分にできることは何かを考えています。

ご心配をおかけしましたが、お蔭様で体調も快復しすっかり元気になりました。
休養にかこつけて年賀状など失礼してしまった皆様には申し訳ありませんでした。

食事にも気をつけるようになり、体重も理想体重まであと一歩まで減らすことが出来たので、声の状態や体調全般が改善され、医食同源を実感しています。

自転車でサウナに入りに行ったり、買い物をしたりで、脚力が戻ってきたし、太腿の太さも回復してきているようです。水泳も200メートルから再開し、徐々に長距離を泳ぐようにしています。

まだまだやりたいことがたくさんありますから、これからの未来に思いを馳せ、夜更かし睡眠不足の長年の習慣も反省しながら日々精進してゆく所存です。

ご縁のある皆さまの健康とご多幸を祈りつつ。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。




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2016/5/4

回光返照 風薫る5月に  雑感

風薫る美しい5月がやってまいりました。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。

沢山の情報が錯綜錯する混迷の時代に、人として演奏家として何ができるのか自問する事も少なくない日々、言葉だけでは伝えたいことから遠ざかってしまうこともあります。
想いを馳せるだけでなく、慧眼を持ってそれぞれができることをみつけ、希望や熱意をもって進んでゆきたいものです。

4月には九州地震の直後、国際ソロプチミストアメリカ日本西リジョンの30周年記念リジョン大会があり、広島へ演奏に行って参りました。
かつて国際ソロプチミスト鳥取で演奏した際にお世話になった井上恭子さんが、現在、西りジョンのガバナーになられお声がけ頂いたのですが、私の出身が香川県坂出市ということもあり、坂出リジョンの懐かしい方々ともお会いすることが出来ました。
井上さんの発案で急きょ、九州への義援金も募り、全額を寄付されたと伺っています。
2012年には国連合唱団とのチャリティーで広島、長崎、宜野湾を訪れましたが、日本、そして世界各地で日々いろいろな災害や人災のニュースも伝わって参ります。

一人一人は微力かもしれませんが、心と力を合せれば、できることもある。  
「Art is long, life is short.」
そんなことを思いながら、青空を眺めています。
皆様の毎日がどうぞ心穏やかでありますように。


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【出演情報】
http://www.nikikai.net/lineup/ariadne2016/index.html
2016年11月 日生劇場にて、ライプツィヒ歌劇場との提携公演
東京二期会『ナクソス島のアリアドネ』執事長役で出演します。
指揮:シモーネ・ヤング 演出:カロリーネ・グルーバー 
管弦楽:東京交響楽団
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2016年10月1日  白寿ホール(富ヶ谷)13:30
二期会バッハ・バロック研究会 15周年記念コンサート
http://www.hakujuhall.jp/schedule/index.php

(12月には「第九」や来年1月15日にはヘンデル「メサイア」などにも出演予定です。      後日、情報をお知らせいたします。)


新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会
#574指揮:鈴木秀美 ハイドン:オラトリオ『天地創造』
Haydn: Die Schöpfung
http://www.njp.or.jp/2016-2017season/topaz.html
2017年6月2日(金) 19:00  6月3日(土) 14:00
ソプラノ:中江早希 テノール:櫻田 亮 バスバリトン:多田羅 迪夫
合唱:コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタート,Coro Libero Classico Aumntato, chorus
バロック音楽の権威であり、自身もバロックチェロの世界的名手である鈴木秀美さんが 率いる合唱団コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタートとともに演奏します。    (2017 年 1.21(土)優先発売、2017 年 1.28(土)一般発売)


http://homepage3.nifty.com/tatebayashi_daiku/page057.html
館林第九合唱団シャトルコンサート
2016(平成28)年7月10日(日)14時開演 館林市三の丸芸術ホール



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2015/3/17

過ぎゆく春に  雑感

そよ吹く風に春の気配を感じます。
梅が満開。そしてもうすぐ桜の季節です。

「月刊ショパン別冊うたと合唱とオペラの雑誌「ハンナ」2015年3月号
ワーグナー特集に原稿を書きました。
掲載頁は「ワーグナー再発見」(22頁)です。

http://www.chopin.co.jp/Hanna/

私のヴァーグナー体験  多田羅 迪夫 
(バス・バリトン)

私がヴァーグナーを舞台で歌った最初の経験は、1970年代に遡ります。8年半をヨーロッパで暮らし、その間にゲルゼンキルヒェン市立劇場で『タンホイザー』ビーテロルフや『マイスタージンガー』の親方歌手の一人銅細工師のフォルツに出演しました。

『タンホイザー』の演奏時間が約3時間10分、『マイスタージンガー』は4時間半の大作ですから、主役のタンホイザーやハンス・ザックスや騎士ヴァルター・フォン・シュトルツィングが、息も絶え絶えになりながらも歌い続ける姿に「ヴァーグナーはまさに声の持久力と身体の体力勝負だなぁ」と痛感したものでした。しかも延々と歌唱部分が続く役の音楽と歌詞は並大抵の準備期間では覚えることが出来ません。通常のオペラの準備に半年もあれば覚えられますが、ザックスのような役の準備期間は、ネイティヴでさえ2年は掛けなければならないと言われていましたから、自分には到底不可能に思えたのです。

けれど私がドイツから1981年に日本に完全帰国すると、83年若杉弘指揮・二期会『ジークフリート』アルベリッヒに続き、84年から87年にかけては新日本フィルが朝比奈隆指揮で臨んだ《ニーベルングの指環》『ラインの黄金』アルベリッヒ、『神々の黄昏』ハーゲン等のヴァーグナー作品を歌う機会を次々と頂きました。性格的な表現が必要なだけでなく、一つの母音に3つの子音を発しなければならない言葉が多いドイツ語の子音さばきが難しいですし、時には巨大な音量となるオーケストラに負けない声量をも持ち合わせていなければならないのですから、大変苦労しましたが、それらの仕事により楽団との深い信頼関係を築くことが出来ました。

その後、私は92年小澤征爾指揮のヘネシー・オペラシリーズで《さまよえるオランダ人》オランダ人役をホセ・ファン・ダムとのダブルキャストで歌い、96年大野和士指揮《ヴァルキューレ》のヴォータン等を経て、へルデン・バリトンの役へと移行してゆきました。そうするうち、二期会がベルギー王立モネ劇場と提携した《マイスタージンガー》で、ついにハンス・ザックスを歌う機会を頂きました。事前に想像した通り、夥(おびただ)しい量の暗譜と、作品解釈の奥深さ、声のスタミナをいかに確保するかに挫折しそうな日もありましたが、歌い終えた時の充実感はそれまでの苦労を吹き飛ばす、最高の喜びを与えてくれました。

第3幕、ヨハネ祭が行われるペグニッツ河畔の野原に民衆が大勢集まり、マイスタージンガー達の入場の最後にザックスが現れると、民衆は起立して「目覚めよ、朝は近づいた」のコラール(歌詞は史実のハンス・ザックスの《ヴィッテンベルクの鶯》に基づく)を合唱して称える時、J.S.バッハのカンタータ第140番《目覚めよと呼ぶ声あり》を連想しながら、その音楽に魂を揺さぶられ、ザックスの「友よ、楽しき青春の日に、こよなく幸せな初恋の衝動の中で、美しい春の歌を歌うことは誰にもたやすい。しかし夏、秋、冬の風雪を耐え、それでも尚、美しい歌を創るものこそがマイスターなのだ」という歌詞には、巨匠ヴァーグナーの情熱と理想が感じられ、その歌詞に心底感動しながら歌いました。この体験は素晴らしい思い出として今も記憶に残っています。

ヴァーグナー楽劇の大きな特徴は、作曲家自身がその台本を書いたことです。他の作曲家が台本作家に韻を整える作業を依頼しなければならないのがほとんどだったことを考えると、ヴァーグナーの偉才ぶりがよくわかりますし、彼の台本は、登場人物の心理描写と劇的な構成に大きな力を発揮しています。より演劇性の高い表現として「言葉を語って聞かせる」事が重要であり、《ヴァルキューレ》第2幕2場でのヴォータンの長い独り語りはその好例なのですが、声をひそめて苦悩を「語る」と思えば、怒りや嘆きの表現には言葉の明瞭度と共に大きな声量を要求されます。

つまり、「声の変化」の要求にどう応えるかが、実はヴァーグナー作品を歌う際の大切なポイン
トなのだと思います。(たたら みちお)


註)日本ではワーグナー、ワルキューレと書かれることが多いが、本文では、ドイツ語の本来の発音に忠実に、ヴァーグナー、ヴァルキューレと表記致しました。


多田羅迪夫 (バスバリトン)
たたら みちお
東京藝術大学及び同大学大学院音楽研究科修士課程(オペラ専攻)修了後イタリア留学。ドイツ・ハイデルベルク市立歌劇場専属歌手、ゲルゼンキルヒェン市立歌劇場専属歌手等を経て1981年帰国。平成26年度香川県文化功労者。(公財)東京二期会 常務理事・二期会幹事長、東京藝術大学名誉教授。http://green.ap.teacup.com/musik/


2015年3月4日(水) ハクジュホールにて
「二期会オペラ研修所 第58期マスタークラス」修了試演会が無事終了しました。

私が東京藝術大学に入学の為、故郷の香川(坂出)から上京したのは、思えばもう半世紀も前の事です。

演奏家として長らく歌い続けて来られたことは感慨深く、応援し支えてくださる皆様に心より感謝申し上げます。

マスタークラスを修了した若き声楽家たちの未来にも沢山の幸あれと願っています。



http://www.nikikai.net/concert/20150304.html

http://www.nikikai21.net/blog/2015/02/post_556.html



二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
『ジューリオ・チェーザレ (エジプトのジュリアス・シーザー)』
オペラ全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ニコラ・フランチェスコ・ハイム
作曲:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル

会場: 新国立劇場 中劇場
2015年5月23日(土)17:00 24日(日)14:00

こちらも若き優秀な歌手たちが出演する本公演への登竜門。
このシリーズから沢山のスターたちが生まれています。

http://www.nikikai.net/lineup/caesar2015/index.html



私はといえば、東日本大震災から4年目の2015年3月11日、津田ホール閉館に伴い、
シリーズ最後となった「二期会ゴールデンコンサート」が終了致しました。
復興には時間がかかりますが、音楽の力で出来ることを継続してゆこうと
決意を新たにしています。

二期会ゴールデン チャリティー・ガラ・コンサートコンサート  終了致しました。
http://www.nikikai21.net/concert/golden48.html

http://www.nikikai21.net/blog/

東日本大震災からの復興を祈念してチャリティー・ガラ・コンサート
 2015年3月11日(水) 19:00開演 津田ホール
多田羅演奏曲:ワーグナー 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より
ハンス・ザックス「迷妄のモノローグ:思い込み!錯覚!至る所ではかない幻想だ!」ほか



今月はまた故郷での声楽講座、そして来月は台湾へ。
「日々是好日」、音楽とともに毎日を大切に過ごしてゆきたいものです。



出演予定
■歌芝居『魔法の笛』ザラストロ役:多田羅迪夫
【作曲】モーツァルト、林光 【訳詞】林光 【台詞・構成・演出】加藤直
2015年9月3日(木)〜13日(日)俳優座劇場(六本木)
問合=オペラシアターこんにゃく座 電話 044-930-1720 



クリックすると元のサイズで表示します ハンス・ザックス Photp;K.MIURA

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2015年3月11日 津田ホール 終演後に
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2013/8/24

門下生たちと夏合宿  雑感

日々是好日

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那須の合宿所にて 2013年8月吉日
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2013/8/13

夏  雑感

蝉時雨の季節
故郷に帰省する皆さんも多いことでしょう

芸術は永く人生は短し!
実り多き日々でありますようクリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します
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2013/1/19

2013年 雑感  雑感

2013年の成人の日は思いのほか大雪でした。
実は我が家のパソコンが年末年始に故障して、一度分解して手当てしたものの、いろいろなご連絡も滞ってしまって申し訳なく思っています。
1月15日には二期会謝恩新年会で多くの支援者の皆さんと歌手たちが交流を深めました。
ヴェルディ、ワーグナー生誕200周年の今年は、東京ニ期会、コンヴィチュニー演出の『マクベス』も楽しみです。
今年はブリテン生誕100周年でもあり、昨年はそのプレ浴びヴァーサリーの意味もあって、ロンドンとオーフォードでブリテンの『カーリュー・リヴァー』を能「隅田川」との同時上演できたことも大変印象深い出来事でした。
そして振り返ってみれば、東京オリンピックの前に、」まだブリテンの作品が生まれて半世紀もたtぬうちに、日本でブリテンのオペラが多数上演された功績には、亡き若杉弘さんの力も大きかったなどと思いながら、新たな思いで2013年を迎えました。

二期会も創立からはや60周年。4人の声楽家によって立ち上げられた声楽家団体は、現在2600人を越える大きな
今年も二期会らしい特色を出せる演目を沢山上演してゆきます。
2000年くらいからのターニングポイントとして、外国の歌劇場との共同制作に力を入れてきたこと。そして若い優秀な人材が増え、今年の60周年のラインナップの中でもオーディションを通して、優秀な人材がどんどん勝ちあがって、主要な役を演るようになってきたということは、非常に頼もしい嬉しいことです。この60周年のラインナップでは特に印象的なことだと思っています。

私自身も過去を振り返れば、藝大を卒業して留学し、10年ほど海外で過ごし、帰国してすぐ小澤征爾さんのプロダクションなどに多数起用して頂き、日本でも多くのコンサートやオペラに出演する機会を頂いて多くの皆さんに支えて頂いた。
そうした恩人たちが随分亡くなってしまったけれど、これからは自分がその恩を次の世代に返してゆくこと意識してゆかねばと年頭にあたり思いを強くしています。

現在のオペラにおける3つの柱
先人たちが営々と日本のオペラの為に築き上げてきた歴史の中で、大きな財産として受け継いでゆきたい考え方としては、
二期会オペラの60周年以降のラインナップについても3本の柱を機軸にオペラ制作を考えてゆきたいと思っています。
まずお客様が楽しんで頂けるスタンダードな作品を上演すること。親しみをもって楽しんで頂き、足を運んでいただきやすい演目を上演すること。そして日本初演を含む実験的な作品にも果敢に挑戦してゆくこと。
そして今、オペラは字幕スーパーで原語上演は当たり前になっているけれど、直接日本語でわかっていただける作品、母国語である日本語の作品、それも明るい結末、親しめる作品としてのオペレッタをライインナップに必ずy取り入れてゆくこと、それがとりもなおさず、観客動員的にも成果が見こまれると期待しています。2月の『こうもり』は白井晃さんの新演出、そして大植英次さんの二期会オペラデビューですが、今後、二期会オペラではオペレッタを日本語上演するという事も鮮明に打ち出してゆくということで企画をしてゆこうと考えております。

昨年、新制作で上演しテレビでも放送して頂いた『カヴァレリア・ルスティカーナ』は、若い世代の方たちが大勢出演し、特に特徴的な作品だったと思います。演出の田尾下哲さんを含めて、新しい人材が東京二期会のオペラ公演で大きな成果を残したということでも
意味深かったし、あの作品自体が、若い世代の人たちが非常に高いレヴェルの歌唱を示すようになったという日本のオペラ界の現状を大変よく表しているような気がします。それは世界的にみても充分通用する人達が沢山いるということ。
技術的な問題点はクリアしていることはオペラ歌手として当然のことながら、表現力においても世界的なレヴェルに達し初めている。
オーディションによって選ばれた若手の方たちが次々に二期会公演にデビューできる現状は、日本のオペラ界の人材はヨーロッパでも充分通用する人材になっていることの証だと思うんですね。そこは日本のオペラ界にとっても非常に重要なことだと思います。

今の次世代の歌手の皆さんのレベルには大変満足しています。かてて加えてさらに重要なことだと思うのは、今、字幕スーパーがあることで字幕があれば言葉の意味はお客さまに伝わるという意識に安住しないで、もっともっと直接的に意味が伝わるような大きな表現力を持ってもらいたいという希望はあります。
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昨年のオペラ上演を振り返って
ともあれ昨年の『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』は演劇的にも素晴しい出来だったと思います。
音楽にみならず演劇的にも本職でなければならないうムジークテアターの考え方でゆくと、動きのために音楽表現が犠牲になってしまうことは許されないことですが、それは大変難しいことでもあるわけで、それを当たり前のようにやってのけるようになった現在の歌手たちはすごいと思います。20年ほど前から仰向けに寝たまま歌うなんてことはそれ以前の段階では有り得ない話だったけれど、オペラの中で重要なアリアを歌っている時にそれ以外のアリアとは無関係と思えるなような動きもたくさんあるような演出家の要求に応えるdけのキャパシティが若い世代の人達にはあるということを目の当たりにし、それを噛み締めていると、今、日本のオペラというものは大きく変化しており、変化の中に対応できる人材を輩出しているんだなという大きな感慨を持って、60周年という時の流れを感じています。
『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』はヴェリズモ作品であり、美しいものだけでなく人生の醜いものや殺人のようなどろどろとしたものを表現する作品でもあり、それをオペラ上演作品に選ぶにはある種の覚悟も必要でした。
演出家にとっても歌手たちにとってもそれをプロダクションする側にとっても、あのドラマティックな激しい人間世界の葛藤を表すにはオーケストレーションも非常に大きくなっていますし、声も強大な声が必要ですし、リスクのある作品だったと思うんですね。
イタリアオペラのプッチーニ以降のヴェリズモ作品を表現するには演技力が非常に要求されるし、大変な身体能力が必要でした。
これは60周年の中では特に歌唱と演技という両方のバランスが要求されるものでしたが、それを二期会60周年のラインナップの中で選んでいこうという中には、ある程度の自信というか、自負心がなければ選べない作品群だったと思います。
今回のように似通った2つのヴェリズモ作品を同時に上演することはヨーロッパの劇場では当然のこととしてそのカップリングは行われるわけですが、その作品を選んだということは、やはり自負を持って選び、あれだけのレヴェルで出来るんだぞということを示せたこと、そしてそれをテレビでも放送して頂いて、より多くのオペラをご覧になったことが無かったかもしれない方々にもご覧頂けたかもしれないという喜びは大きかったと思います。
今回も例えば階段を降りながらや寝転びながら、またある時は重たいものを動かしながら歌うなど歌唱のためには共存しにくい動きも多々ある演出で、最終リハーサルを観ながらも本当に怪我無くいてくれと祈るような気持ちで稽古を見守ってきましたが、それが無事に出来たことは制作する側としてはほっとしましたね。

日本の風土の中で西洋から伝わったオペラがどのように根付いてゆくか、オーバーな表現になるかもしれませんが、その為にはお客様とともに日本人にとってのオペラというものが、どういうかたちで享受されてゆくのかということを考えてゆく、ともに日本の文化の中でのオペラ藝術というものをとらえてゆくことが必要だと考えています。
二期会の提供するオペラが国際共同制作のような場合には必ず外国人の演出家や指揮者が関わってきて、その考えを日本の歌手たちが体現するわけですが、それがルーティンでもひとりよがりでもいけない。
今、オペラの観客の皆様は本当に沢山の舞台をご覧になっている方も多く、お客様の側からのオペラに対する期待が我々を育てて
いるともいえます。それをいかにフィードバックするかということを見間違わないようにしなければと思いますね。

Carrying knowledge into new fields
これまでの過去の歴史を継承してゆくことはゆめゆめないがしろには出来ませんし、同時に重要なことは、我々は益々時代に即したやりかたで、お客様に喜んで頂けるような高いレヴェルの歌唱と演技、そしてプロダクションの質を高めてゆかなければならないという思いを新たに年頭の思いを綴らせていただきました。

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photo:K.Miura
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タグ: 2013年1月

2012/10/15

2012年は二期会創立60周年  雑感

去る10月7日(日)、東京會舘ローズルームにて、二期会会員会と祝賀会が開催されました。
また雨上がりの有楽町マリオンのセンターモールにて、「がんばれ日本!」と東日本大震災からの復興への願いも込め、集まった二期会会員たちが街に出て“こころの歌 ”を代表する「ふるさと」を歌う、一曲だけの街頭コンサートを行いました。
今回は初の試みで unison(斉唱)の歌唱としましたが、フラッシュ・モブとしては、これから様々な方法が模索できるかもしれません。
ともあれ、それを含めて会員会に325人もの会員が集まったのは、「街頭歌唱」というイヴェント効果は大きかったし、その企画の中心的なメンバーとしてさまざま準備を進め、会員会の出席者を増やし、盛り上げるという目的のために何が出来るのかを考えた若い世代を中心とする実行委員たちの熱意と行動力と、そしてそれを成功させた功労は大きな賞賛に値します。
20代から80代、世代を超えたメンバーたちが、プロの声楽家としての志と責任と喜びを持って、これからもともに音楽の力を活かし、それぞれの技の鍛錬に努め、よりよい時代を築いてゆくことができますよう。
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2012/7/26

有難うございました  雑感

東京二期会7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』が無事に幕を閉じました。
臨場感ある新制作で、出演者たちは両組共に素晴しいチームワークでした。
公演後、音楽について、作品について、また演出について様々な論議がなされているという意味でも未来へ続くオペラのさらなる可能性を感じています。
ご来場くださった沢山のお客様、公演のために御尽力くださった全ての皆様へ心より感謝するとともに、スタッフ、キャストが公演の成功へ向け日々積み重ねた並々ならぬ努力が実を結んだ、渾身の舞台に最大級の拍手を贈りたいと思います。

今回二期会オペラデビューとなった田尾下哲さんの演出は、楽譜を深く読み込んで、大変きめこまやかなものでした。2300席という東京文化会館代ホールの中では、細部まで一度では見逃してしまった箇所もおありかもしれません。
それでもコンセプトが充分伝わったと思います。
NHK収録の放送日が決まりましたら、また後日お知らせ致します。


指揮:パオロ・カリニャーニ/演出:田尾下 哲
《カヴァレリア・ルスティカーナ》7月13日(金)・15日(日) / 7月14日(土)・16日(月・祝)
【サントゥッツァ】大山亜紀子 / 清水華澄
【トゥリッドゥ】岡田尚之 / 大澤一彰
【ルチア】栗林朋子 / 池田香織
【アルフィオ】小川裕二 / 松本進
【ローラ】富岡明子 / 澤村翔子

《パリアッチ(道化師)》7月13日(金)・15日(日) / 7月14日(土)・16日(月・祝)
【カニオ 】大野徹也 / 片寄純也
【ネッダ】嘉目真木子 / 高橋絵理
【トニオ】桝貴志 / 上江隼人
【ベッペ】小原啓楼 / 与儀巧
【シルヴィオ】塩入功司 / 与那城敬
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 合唱:二期会合唱団
NHK東京児童合唱団

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ゲネプロの舞台写真の一部は、クラシックニュースでご覧頂けます。
http://classicnews.jp/c-news/2012/0708-0715.html#5

写真は上から順に、オーケストラピットから飛び上がらんほどので熱気で、ドラマティックに音楽の流れを創りあげた指揮のパオロ・カリニャーニさん。
映画の1シーンの様に印象的な「カヴァレリア・ルスティカーナ」の一場面。
『パリアッチ(道化師)』では、2幕のオペラの中で登場人物たちが芝居を演じる場面がテレビで生中継されているという設定。カメラが廻っていない場面での登場人物たちが何をしているか、そのオンとオフの状態をも見せるという演出も面白いものでした。最後の2枚は楽屋での田尾下哲さん、そしてカリニャーニさんとそれぞれツーショット。


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2012/6/3

国連合唱団とのチャリティ公演  雑感

5月20日、23日、26日米ニューヨークの国連本部職員25カ国・35名の国連合唱団United Nations Choirとともに広島、長崎、沖縄を巡って参りました。
二つの被爆地と第2次世界大戦で日本唯一の地上戦があった沖縄での平和と慰霊を願うコンサートはそれぞれの地で3時間に及ぶ盛り上がりとなり、地域の合唱団の皆さんや関係者の皆様とも心あたたまる交流を深めることが出来ました。

国連合唱団はそれぞれの国の民族衣装を身にまとい各国の歌を演奏し、藝大の古筝奏者の毛Y(まおや)さんが「遥かなるシルクロード」久石譲さんの娘さんの麻衣さんが「坂の上の雲」主題歌のStand Aloneなどを演奏、私も東京と各地をとんぼがえりではありましたが、ワーグナー『タンホイザー』より「夕星の歌」そして国連合唱団と地元合唱の皆さんでともに歌った「大地讃頌」の指揮を担当しました。最後の方では、United Nations Singersの方々に「ミスターDAICHI!」とニックネームで呼ばれるようになっていました。

広島と長崎には加藤登紀子さんも参加され、オリジナ曲「愛 love peace」を一緒に歌い、沖縄では全盲というハンディを乗り越えて世界平和へのメッセージを発信し続けるテノールの新垣勉さんも参加して素晴しい歌声を聴かせてくださいました。

エンディングで国連合唱団が舞台から客席に歩み寄って「Let there be peace on earth 地上に平和を」を演奏すると、もはや会場は感動的なスタンディング状態に…。
音楽の力をあらためて身近に感じ、地域や国境を越えた絆に私自身力付けられる想いで演奏させて頂きました。

公演の実現に向け、各地で沢山の関係者や実行委員会の方々が力を合わせ、多大なる御尽力を頂いた事にこの場を借りて心より御礼申し上げます。

戦争の痛ましい傷跡を想うと胸が痛みますが、今、私たちはこうして生きている。
よりよき未来を次の時代に繋げるため、少しづつでも出来ることに努めてゆきたいと思います。

国連合唱団 広島 長崎 沖縄チャリティ公演概要▼
http://fotun-japan.org/pdf/UNsingers_A4panf0213A.pdf  

http://mainichi.jp/select/news/20120521k0000m040097000c.html 毎日jp(毎日新聞)クリックすると元のサイズで表示します
宜野湾の沖縄コンベンションセンタークリックすると元のサイズで表示します
夕星の歌
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大地讃頌
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国連合唱団の皆さんと
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United Nations Singers指揮のGuillermo Vaismanさんとクリックすると元のサイズで表示します
沖縄(宜野湾)コンベンションセンターでは、終演後も客席の皆さんと一緒に沖縄民謡を踊りました。
若者たちも大勢集まってくれて嬉しかった。
ソロプチミストの皆様にも大変お世話になりました。
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